78話
金の懐中時計を生産してクランハウスに到着したボク。
「お待たせしました」
応接室の扉を開けると、みんな仲良さそうに話をしていた。
「もー、遅いよ。カゲトラ達も太陽の塔クリアして、もう不思議の国に向かったみたいだよ」
アイナさんもいつもの感じ。
「すみません」
「コジロウが言ってたんだけど、不思議の国の事は情報屋から話を聞けないから、レミはずっと不思議の国で色々と探索してたんだって。だから急がないと私達はレミに負けちゃうかもしれないわ」
大手生産クランのホワイトスネークのリーダー、蛇白レミさん。大手クランのリーダーなのにずっと身を潜めて、表舞台に出てこないと思っていたら、先の先を読んで不思議の国にいたんだな。
「私達もすぐに行きましょう。チヅル留守番お願いね」
マリナさんもいつもの感じに戻ってる。
「はい、わかりました」
ボク達はクランハウスの裏庭に到着。クランメンバー全員が条件を満たしていると、クラスハウスの裏庭にも不思議の国への入り口は出現するようになっていた。
ボク達は不死の木の根元の穴に飛び込み、不思議の国に到着。
不思議の国に到着すると、リュウイチさんが月の銀狼・フェンリルに認められたのだろう。第5章が終わり、ムービーが始まった。
見えてきたのは、太陽の金猿・孫悟空に話かけられているボクの姿。場面が変わり、月の銀狼・フェンリルに話かけられているリュウイチさんの姿。場面が変わり、4人の聖なる子どもの姿。
ここでムービーが終わり、第6章が始まった。第6章は聖なる子ども。
「第6章が始まったみたいね。まずは情報収集のためにハートの女王がいるところに向かいましょう」
「あっ、そこに行かなくても聖なる子がいる場所は大体わかります」
「えっ、なんでわかってるの?!」
ボクはアイテム核融合のレシピをわかっているため、そこからわかる情報がある。そのおかげで聖なる子どもの居場所が大体わかっている。
不思議の国にある不死の木。ボク達が今いる場所は不死の木の根っこの部分。この木は生命の木とも言われるセフィロトの樹。
この樹とは逆向きに地下に伸びるようにして生えている樹が不思議の国にはある。その樹はクリフォトの樹。
この樹の頂上にジャバウォックと言われるモンスターがいる。頂上と言っても地下に伸びる樹なので、地下の奥深くにいる。
聖なる子はこの樹の途中にいて、モンスターが地上に出てこないように守っている。
「何でわかってるかと言われると答えにくいんですけど、昇級で新しく追加されたレシピの素材を情報屋から聞いて、大体わかりました」
「それならレミ達に勝てるかもしれないね。急いで行きましょう」
クリフォトの樹の根っこは地上に出ていて、その根っこの部分には中に入れるような穴がある。
ボク達はその穴の中に飛び込むと、赤い空が広がる地上のような場所が見えてきた。
「ハヤトくん、ここからはどう行けばいいの?」
「んー、そうですね。ちょっと待って下さい」
ボクはスマホを取り出し、情報屋に確認。
『バハムートがいる場所はどこですか?』
クリフォトの樹には3匹のボスモンスターがいる。蛇のモンスターのバハムート、馬のモンスターのベヒモス、魚のモンスターのレヴィアタン。
この3匹が融合されたのがジャバウォックと言われる鬼のモンスター。蛇馬魚鬼と書いてジャバウォック。
イスラムの宇宙観ではバハムートが魚だったりするのは、この3匹が融合した姿を見た人の捉え方が違っていたため、そのようになってしまったのかもしれない。
この世界観はメキシコのマヤ文明にも出てくる。ククルカンと言われる神様だ。ククルカンは天空の神の鳥と地上の神ジャガーと地下の神の蛇が融合した神様で龍の神様とされている。
聖なる龍は青龍で、邪悪な龍はジャバウォック。英語で悪はevil、悪魔、鬼はDevil。つまりは悪魔は悪のD。邪悪なドラゴンという事だ。
『バハムートはクリフォトの樹の上層エリアに生息しています』
クリフォトの樹の世界に来たから、情報屋からこの情報が聞けた。クリフォトの樹は上層、中層、下層、最下層に別れていて、ジャバウォックが最下層にいるのは何となくわかっていたが、その他のモンスターがどこにいるのかはわかっていなかった。
ボクは追加でさらに情報を確認。
『上層にいるモンスターで状態異常をしてくるモンスターを教えてください』
『上層で状態異常をしてくるモンスターはヒドラだよ』
これで聖なる子の居場所が確定した。ギリシャ神話で出てくるヘラクレスという神様。この神様が戦ったのがヒドラというモンスター。
クリフォトの樹の世界には様々な状態異常をしてくるモンスターがいる。メドゥーサ、バジリスク、コカトリスなどの様々なモンスター達。
神話を元ネタにしている事の多いこのゲームでは、状態異常をするモンスターが多かった。だから、このクリフォトの樹でのキーアイテムがどのモンスターから採取出来るのかが特定出来なかった。
だが、これで聖なる子の居場所もわかった。
「情報屋からの情報で聖なる子の居場所がわかりました。すぐに行きましょう」
ボク達はヒドラがいるクリフォトの樹の上層部に向かい始めた。




