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7話 南の王国へ

西の王国の街に戻ったボク。残るは北の王国で手に入る青海月水晶と南の王国で手に入る青の石版。


北の王国には海エリアがあり、そこで青海月水晶は手に入ると言われているが、海エリアには深海エリアもあり、そこに青海月水晶はあるとされているが、そこに行く方法がわからない。


南の王国にあると言われる青の石版だが、誰もまだ見つける事が出来ていない謎アイテム。青の石版、サファイアタブレットは錬金術の奥義が書かれているとも言われているので、もしかしたら青の石版を手に入れたら、海海月水晶の入手方法がわかるかもしれないとボクは思っている。


次に目指すは南の王国。南の王国は始まりの街から南に行くとある。東と西の王国に行く場合はモンスターがいるエリアを通り抜けていったが、南の王国に行く場合、モンスターのいない中央街道があり、そこを行く事でモンスターに遭遇する事なく行ける。


南の王国は牛と豚と鳥の死獣がいるエリア。魔法使いの街でもあるのでハートのマークを選んでいる人が多い。


「開始早々からバタバタと駆け抜けて、お腹も減ってちょっと疲れてるけど、ここにいてホワイトタートルの人に絡まれるのもイヤだから、休むとしても南の王国に行ってから休むとするか」


ボクは西の王国の街を出て、太陽の塔エリアを抜け、羊の館エリアを抜けて、始まりの街へ。


そして始まりの街に入る事なく、南に向かう。少し南に向かうと中央街道に入り、道幅が広くなる。魔法使いの格好した多くの人が南へと進む。


ある程度、南下すると矢印看板を発見。東の方向に行くと豚エリア、西の方向に行くと牛エリア。まずは南の王国の酒場へ行き、情報収集から始めよう。ボクはそのまま南下して南の王国へと到着。


南の王国に着いた時には夕方になっていて酒場は混雑し、魔法使いの格好をした人達で溢れかえっていた。


「いらっしゃいませ。食べ物をお求めですか?それとも情報をお求めですか?」


話しかけてきたのは酒場のご主人。


「青の石版の情報を知りたいのですが」


「青の石版ですね。青の石版は南の王国からさらに南に行ったところにある鳥エリアにあります。鳥エリアは中央に五色鳥エリア、北にブラックホークエリア、南にレッドファルコンエリア、西にホワイトイーグルエリア、東にブルーバードエリアがありまして、東にあるブルーバードエリアに青の石版はあります。さらに詳しい情報を知りたい場合は有料となります」


酒場で得られる有料情報。ブルーアイズホワイトタイガーの時は攻略情報はネットで無料で見る事が出来たので聞く必要はなかった。でも今回は是非とも知りたい。


「有料情報を聞きたいです」


「有料情報は1万リンになります」


リンというのはこのゲームでのお金の単位。日本の円を意識してリンという単位にしているみたい。


「よろしくお願いします」


ピコン


スマホから通知音。スマホを見ると有料情報が記載されていた。有料情報だから口頭ではないんだな。


『ブルーバードエリアの最奥にあるモノリスを見よ』


えっ、これだけ?これだけで1万リンも取るの?有料情報だから無料で見れるネットに情報が上がる事はないと思っていたけど、さすがにこれはひどくないか。


とりあえずお腹も空いたしご飯を食べて行くか。


「あと食事もお願いします」


「ありがとうございます。有料情報を聞いてくれた方にはご飯代はサービスしておきますね」


「あ、ありがとうございます」


出された料理は明らかに周りの人達より豪華で手の込んだ料理。周りの人達もビックリして、ボクの方を見てくる。


もしかしてこれって有料情報を聞いてから食事を頼むとお得ってやつなのかな。


お腹が空いていたボクは大満足。フルダイブ型のゲームだから味もしっかりと味わえる。このゲームは食事をすると現実世界にある体の方には専用カプセルから栄養ゼリーが流されるので、現実世界に戻った時に食事は不要。


でもボク的にはこの栄養ゼリーがあまり体に合わないのか、たびたびお腹を壊す事がある。だからオープンベータ版の時はゲーム中に食事は控えるようにして、現実世界に戻ってから食事をする事が多かった。


「お腹もいっぱいになった事だし、青の石版を探しに行くとするか」


ボクは街の酒場を出て、南の王国からさらに南下して鳥エリアに入る。鳥エリアに入るとまず先に足を踏み入れるのはブラックホークエリア。ブラックホークは守りの鳥でもあり、自分から攻撃してこないノンアクティブモンスター。


ここのエリアには用事はないのでスルー。次に足を踏み入れるのは五色鳥エリア。このエリアには4大死獣、五色鳥がいる。常に空高く飛び回り、攻撃の射程範囲内に入る事がないボス。


ボス以外にもモンスターはいるが、ここのエリアいる雑魚モンスターも空高く飛んでいるので襲ってくる事はない。


なのでここのエリアもスルーして、いよいよ目的のエリアに到着。ブルーバードエリアにいるモンスターは水の魔法を使ってくるモンスター。鳥エリアは魔法使いの修行の場でもあるので、多くの魔法使いがいる。


でもその多くはエリアに入ってすぐにいる青ヒヨコを討伐している。ゲーム開始直後という事もあり、次のエリアにいる青ニワトリを倒している人はごく僅か。


ボクは熟練生産者の指輪の効果でノンアクティブになっているので、そこのエリアもスルーして最奥のブルーバードエリアに到着。


ブルーバードエリアに人影は見当たらない。ボクは気にする事なく奥へ奥へと進み、モノリスのある場所に到着。


『月を見たければ、空を見よ』


モノリスに書かれていたのはこの一文のみ。他にも何かないかと思いじっくりと色々なところを見たがこの一文以外は何もなかった。


「月に生きると書いて青。だけど空見ても何もわかんないよ」


ブルーバードエリアの空は雲ひとつない青空が広がり、いい天気。


「でも何か知恵を出して考えないと答えには辿り着けないんだよな。きちんと考えないといけないな。何か見落としてる事があるかもしれない」


ボクはじっくりと考えた。ここに来る人もいないのでゆっくり集中して考えた。


「ブルーバード……なんで青だけ鳥なんだろ?ブラックホークは黒鷹、ホワイトイーグルは白鷲、レッドファルコンは赤隼、でブルーだけ青鳥」


そういえば、女神アテナのシンボルマークにはフクロウがいる。女神アテナはまだ復活してないから、本来いるはずの青梟のブルーオウルがいないって事なのかな。


「んー、でも何かこれは今関係ないような気がするな……他に何か見落としてる事はなんだろ?」


ボクは再び集中して考えこむ。だから迫り来る足音に気づかなかった。


「うわー、ビックリしたー!!」


その言葉にボクもビックリする。そしてその人が綺麗なお姉さんでさらにビックリ。


「えっ、えっ、何ですか?」


「まさかこんなところに人がボーっといるとは思わないじゃん。でもって君の見た目、魔法使いじゃないよね?」


「えっ、あー、その、まぁ、なんというか」


なんて答えたらいいんだろ。


「魔法使いじゃない人がこんなところでアクティブモンスターに襲われる事なくボーっとしてる。ねぇ、もしかしてだけど君もチュートリアル2回やってる?」


えっ、っていうか君もって事はこの人も2回チュートリアルをやってる人って事なんだよね。


まさかボク以外にもチュートリアルを2回やっている人がいるとは考えてもみなかった。








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