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【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました  作者: 鳥山正人
第3章 時は金なり

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44話 金眼の現場猫

あー、よく寝たなぁ。今日は目覚めも良く気持ちのいい朝。朝のルーティンとなった大量生産用の畑の確認。


今日も不死のリンゴと王のリンゴを採取。そろそろポーション作りもしたいところだが、まだそんな暇はない。


次は夢幻水晶(金白金鉱石)からゴールドプラチナメタルを3個採取。


次はモンスター育成の状態確認。ゴールドアイズホワイトキャットからゴールドアイズアクシデントキャットに進化完了。


通称、金眼の現場猫。鍛冶作業と錬金作業が出来るモンスターではあるが、現場猫の名前の通り、安全第一で作業する事はない。


なのでボクはこれから金眼の現場猫を安全第一で作業出来るように教育訓練しなければいけない。


金眼の現場猫は時間軸の違う絶対領域で作業するため、指示をしながら教える事は出来ない。危険予知(KY)をして事前に作業指示を出して作業させる必要がある。


金眼の現場猫と一緒にマイハウスの作業場に到着。


「ヨシ、まずは鍛冶作業の切削加工作業の指示からだ」


切削加工作業はミスリルのハンマーとポンチを使ってゴールドプラチナメタルに付いている余計な石を削いでいく作業。


今ボクの手元には6個のゴールドプラチナメタルがある。金眼の現場猫が作業に失敗する事に1個ずつ消失していく。


切削加工作業で注意しなければいけない点。1つ目、ハンマーで手を叩いて怪我をする危険がある。だから保護手袋が必要。


2つ目、余計な石を砕いた際の石が目に入る危険がある。だから保護メガネが必要。


切削加工で注意する点はこのくらいだろうか。初めてで金眼の現場猫がどのくらい危険な作業をするのかわからないという事もある。


まずはこの注意事項で様子を見てみよう。ボクはスマホを取り出し、金眼の現場猫に作業指示。


『保護手袋をして作業してください』

『保護メガネをして作業してください』


「わかったニャー」


マイハウスの中で待機していた金眼の現場猫が動き出す。


「絶対時空領域・展開」


うっすらとした膜のようなモノが場を包み込む。


「まずは保護手袋をつけるニャー」


腹にあるポケットから保護手袋を取り出し、装着する金眼の現場猫。


「次は保護メガネを……っていうか僕は近眼でメガネをつけるから保護メガネは必要ないニャー」


金眼の現場猫は腹のポケットから自分のメガネを取り出し、保護メガネを装着しないで準備完了。


「あーー!!!これ絶対やらかすやつだーーー!!!」


「ヨシ、作業開始だニャー」


カンッ、カンッ、カンッ


「ニャーーーー、目に石がーーーー」


うっすらとした膜のようなモノは消え去り、作業中のゴールドプラチナメタルも消え去った。


コイツやりやがったよ。


「ごめんなさいニャー」


ごめんなさいニャーじゃねぇよ……まぁいい気を取り直して、もう一度作業指示を出そう。


ボクはスマホで金眼の現場猫に作業指示。


『保護手袋をして作業してください』

『保護メガネをして作業してください』

『保護メガネはメガネをかけてても、その上に装着してください』


「わかったニャー」


マイハウスの中で待機していた金眼の現場猫が動き出す。


「絶対時空領域・展開」


うっすらとした膜のようなモノが場を包み込む。


「まずは保護手袋をつけるニャー」


保護手袋をする金眼の現場猫。


「僕は近眼だからメガネをつけるニャー。そしてその上に保護メガネをつけるニャー」


金眼の現場猫は自分のメガネを取り出し、その上から保護メガネをつけて準備完了。


カンッ、カンッ、カンッ


「成功だニャー」


うっすらとした膜のようなモノは消え去った。


今度は上手くいったみたいだな。


「1日に覚える事が出来る作業は1つまでニャー」


今日の金眼の現場猫の育成はここまでのようだ。


金眼の現場猫に教える作業はまだまだある。次に教える作業は切削加工を終えた鉱石の整理整頓。それが終わったら次は鉱石の焼成作業。その次は成形作業。その次は錬金作業。


最低でもあと4日はかかる。金眼の現場猫に作業指示を出せるのは1日3回まで。なので下手をしたら4日以上の日数がかかってしまう。


この4日の間に第4章で使う船の材料集めをしよう。まずは船の帆の材料集め。


「この材料はメリーさんに頼むのは難しいから、シャドータイガーのカゲトラさんにお世話になるか」


船の帆に使う材料は夢見の風羽4枚、白ワシの風羽1枚、黒タカの風羽1枚、赤ハヤブサの風羽1枚、青トリの風羽1枚。


夢見の風羽をアイテム変化させて、夢幻の風羽にする。その夢幻の風羽とそれぞれの風羽をアイテム合成させる。その4つのアイテムをさらにアイテム合成すると船の帆が出来る。


白ワシの羽毛は移動アイテムに使うモノだが、羽毛は普通にモンスター討伐で採取出来るモノ。だが風羽は捕獲しなければ採取出来ないモノのため、集めるのに時間がかかる。


ボクはスマホを取り出して、カゲトラさんにメッセージ送信。


『お疲れ様です。早速ですが、依頼したい事があります。夢見の風羽4枚、白ワシの風羽1枚、黒タカの風羽1枚、赤ハヤブサの風羽1枚、青トリの風羽1枚をお願いします』


ピコン。スマホに通知音。すぐに返事が返ってきた。


『面倒な依頼だが了解した。いつまでに欲しいというのはあるか?』


『4日後までに素材があるとうれしいです』


『了解。材料集めの依頼料だが、2人で素材集めをするので、暇が出来たら2人分の武器をよろしく頼む』


『かしこまりました。その2人はどのような遠距離攻撃のタイプですか?』


『1人は全属性を扱う属性タイプ、もう1人は火力特化タイプだ』


『かしこまりました。それではよろしくお願いします』


『了解。こちらこそよろしく頼む』


よし、これで船の帆の材料集めは大丈夫だろう。


船の船尾の材料は第3章をクリアしないと採取出来ない素材。


本当だったら船の帆の材料は南の王国で採取出来るモノなので魔法使いに頼むのがセオリー。だけど今はマリナさんもアイナさんも忙しいので無理。近距離攻撃のメリーさんは空を飛ぶ鳥相手だと時間がかかりすぎる。それにメリーさんはネズミと馬の死獣を倒すのに忙しい。


帆の材料も船尾の材料もシャドータイガーに頼む事になるのは貸しを作る事になるが、対価として武器作りを依頼されるのであれば、生産職のボクとしてもやりやすい。


船の帆と船尾はシャドータイガーに頼んだ。残る竜骨についてはボクが集めないといけない素材。


竜骨を作るためには青龍を復活させないといけない。


青龍を復活させるためには3つの素材が必要。


1つ目の素材。東の王国の青龍の洞窟から採取できる龍泉水と不死のリンゴを使って桃の木を品種改良して出来る素材、龍泉桃。これで龍の肉体、青龍の実像が出来上がる。


2つ目の素材。東の王国のオオカミエリアから採取出来るとされている幻の素材、水月鏡花という花。これで龍の精神、青龍の虚像が出来上がる。


3つ目の素材。東の王国のウサギエリアにあるイースターバニーの宝玉。これで龍の魂、青龍の心臓が出来上がる。


3つの像、実像と虚像と心臓の3つがあって青龍が復活。それで竜骨を手に入れる事が出来る。


今日これからやるのは1つ目の素材に使う龍泉水の採取。


久しぶりに青龍の洞窟に行く事になる。正式リリース初日だったため、誰もいなかったが、今行ったらどのくらい人がいるんだろう。


そんな思いを秘めながら、東の王国から東に向かい、青龍の洞窟に到着。


オープンベータ版の時は大手生産クランが独占していたため、青龍の洞窟には大手クランの人しかいなかったが、ストーリーも進んだ今では多くの人が行列を作り、青龍の洞窟の外にまで人が溢れていた。


「これ全部ブループラチナメタルの採取の行列なんだよね」


龍泉水はちょっと質のいい魔力水として使われていたが、今では誰でもミスリル鉱石を最高品質で採取出来るようになったので、龍泉水を採取する人はいなくなった。


だから龍泉水を採取しに来ましたって言いながら洞窟の中に入ろうとしても、ブループラチナメタルの採取の横入りにしか見えないだろう。


どうしようかな。最高品質の龍泉水が採取出来るのはブループラチナメタルが採取出来る最奥付近。


どうしようかな。そう思っていると1人の男性が青龍の洞窟から出てきた。


「あっ、お疲れ様です。カゲトラさんはブループラチナメタルの採取ですか?」


さっきメッセージのやり取りをしていたカゲトラさんとまさかの出会い。


「カゲトラさんはっていう言い方だと君は違う用でここに来たのかい?」


「えぇ、まぁ、はい」


「そうか……っていうかブループラチナメタルの採取じゃないなら、普通に中に入ればいいだろ。何でこんなところでウロウロしてんだ?」


「今の状況だとここの洞窟ってブループラチナメタル採取以外の用事ってないから、違う用事で来ましたって言ったところで誰も信じてくれないと思ってですね……」


「じゃあ俺についてこいよ。ここにいるヤツらは遠距離攻撃のヤツらも多い。さっきまで俺が中にいた事はほとんどのヤツらが知ってるから、俺がまた中に入ったところで誰も何も言わねえよ」


「あ、ありがとうございます」


結局ここでもシャドータイガーのカゲトラさんにお世話になる事になってしまったな。


カゲトラさんの後を付いていき、最奥付近に到着。みんなブループラチナメタルの採取待ちをしている中での龍泉水の採取。


みんな不思議そうな顔をしながら、カゲトラさんとボクの事を交互に見てる。


「カゲトラさん、本当に何から何までお世話になりました」


「いや、困った時はお互い様だ。だから俺が困った時はよろしく頼むぞ。って事で帰るとするか」


ボクは再びカゲトラさんの後を付いていき、入り口付近まで来た。


「頑張るのいいけど、ほどほどにしておけよ。次の章になったらリュウイチにこき使われるのが目に見えてわかってるからな」


リュウイチさんにこき使われる前にすでに次の章の準備してますって言ったら驚かれるかな?まぁ今は言うつもりはないけどね。


「はい、ほどほどにしておきます」


「それじゃあお疲れ様」


「お疲れ様でした」


ボクはマイハウスに戻り、本日最後の作業に取り掛かる。


「一点集中スキル・オン」

「アイテム合成・成形作業・開始」


先程採取してきた龍泉水と不死のリンゴを作業台の上へ。龍泉水はフタのついたペットボトル型の容器に入っており、その上に不死のリンゴを置いて、魔力を通す。アイテム合成では何の材料でも柔らかくなっているので2つの材料をコネコネしてよく混ぜ合わせる。


「アイテム合成・成形作業・終了」

「一点集中スキル・オフ」


不死の龍泉水、99%の最高品質。


「よし、あとはマーケットで買った桃の木を品種改良用の畑に植えて、不死の龍泉水を与えれば今日の作業は終了だ」


ボクは庭の畑に桃の木を植えて、不死の龍泉水を与えた。


「これで明日には生命の実、龍泉桃をゲット出来るぞ」


ボクはマイハウスの中に戻り、超フカフカのベッドに横になり、眠りについた。






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