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4話 青白金鉱石

東の王国に辿り着いたボク。東の王国には青の知恵と言う言葉があり、生産に特化した街。東の王国からさらに東のエリアは鉱石が沢山採取出来るエリア。


そこのエリアの最奥にある青龍の洞窟で採取出来るのがブループラチナメタル。青龍は死獣の中でも4大死獣と言われているボス。だが青龍の洞窟ではその姿は確認されていない謎のボス。


青龍の洞窟には青龍はいないが、ブルードラゴンと言われるコウモリがいる。このブルードラゴンから採取出来るブルードラゴンのシッポを使って製作出来るアイテムが熟練生産者の指輪。


オープンベータ版の時は大手クランのホワイトスネークが狩場を独占していたため、熟練生産者の指輪が市場に出回る事がなかった。


そこに郷を煮やしたのが大手クランのホワイトタートル。ホワイトスネークはクラブのマークで生産を主とし東の王国を主戦場にし、ホワイトタートルはダイヤのマークで遠距離攻撃を主として西の王国を主戦場としているクラン。


ホワイトタートルは西の王国でブルーアイズホワイトタイガーの狩場を独占して、ホワイトスネークの邪魔したのだ。


「東の王国に着いてゆっくり休みたいところだけど、すぐに青龍の洞窟に出発だ」


ボクは東の王国の街に入る事なく青龍の洞窟へ。青龍の洞窟に辿り着くまでには様々なエリアを通る。ミスリル鉱石が採取できる場所、プラチナ鉱石が採取出来る場所、アダマンタイト鉱石が採取出来る場所。


ミスリル、プラチナ、アダマンタイトは東の王国でしか採取出来ない鉱石。ミスリルは錬金で使う事は知られているが、他はまだ何に使うのか知られていない。


というのもミスリル以外の鉱石は採取しようとした時点でクズ品質になる。クズ品質になると使いモノにならないので捨てるしかない。


ブループラチナメタルは採取は出来るが、切削加工でクズ品質になる鉱石。青の知恵と言う言葉があるように切削加工するには知恵が必要と言われていて、攻略掲示板では様々な切削方法の案が出たがどれを試してみても上手くいく事はなかった。


だけどボクは様々な案の中で試されていない案がある事に気付いた。薬草を最高品質で採取出来る方法は攻略掲示板で出された案なのだが、あまりにも具体的すぎる案にこれは運営からのリークだと噂されている。


だからブループラチナメタルもリークされるのではないかと思って、ボクは1から掲示板をチェック。そしてスルーされていた情報を発見。その情報をようやく試せる時が来た。


「ここが青龍の洞窟かぁ」


青龍の洞窟から流れ出る水はドラゴンブルーと言われる綺麗な青色の水。この水は龍泉水と言われる消耗品アイテムで使い捨ての魔力水と言われている。


魔力水はミスリル鉱石があれば出来るのだが、採取出来るミスリル鉱石が最低品質や低品質ばかりで、質のいいポーションを作りたい時にはこの龍泉水を使って生産するしかない。


そんな龍泉水をわき目に見ながら奥に進むと目に飛び込んできたブルードラゴンの姿。コウモリと聞いてはいたが実際に目にするのは初めてで、その姿はゲームでよく見る飛ぶタイプのドラゴンの姿。


っていうかこれもゲームだよ、というツッコミを入れつつブルードラゴンもスルーしてボクは奥へ奥へ。


「ここでブループラチナメタルが採取出来るんだな」


最奥に辿り着くとそこは青く光る採掘場所。ボクはアイテム袋からハンマーとポンチを取り出し、青く光る場所を叩く。


カンッ


『ブループラチナメタルを採取出来ました』


手のひらサイズのブループラチナメタルは眩し過ぎるほどの光を放ち、普通では見えるはずの余計に付いている石が見えない。


「この光が原因で切削加工が上手くいかず、クズ鉱石になるんだな。それでみんな知恵を出し合うが上手く切削できる案が出なかった」


ボクもとりあえず目を細めてみたりして見ようとしたが、何も見えない。


「よし、早速だけどリークっぽいスルーされていた情報を試してみるか」


スルーされていた情報。「考えるな、感じろ」


この案が出た時、掲示板は荒れている時でもあって罵詈雑言の嵐でスルーされた。


「考えるな、感じろ」は有名な映画のセリフでこのセリフまでが特に有名だが、実はこの後に「それは月を指差すようなものだ」とセリフが続く。


月に生きると書いて青。だからボクはこのスルーされていた情報はなぜかリークされた情報だと確信していた。


ボクは感じるままに目を閉じて指先の感覚だけでブループラチナメタルを触り始めた。


「なんとなくだけど、ブループラチナメタルと余計に付いている石との違いがわかる気がする」


これだ!


「一点集中スキル・オン」

「切削加工作業・開始」


ボクは目を閉じて指先の感じる感覚のままに、ポンチとハンマーを持ってブループラチナメタルを叩いていく。


「切削加工作業・終了」

「一点集中スキル・オフ」

「どうだ、上手くいったのか……」


ブループラチナメタル、1%の最低品質。


「0%のクズ品質にならなくて良かった。でもなんでだ?上手く行くと思ったのに……」


この時ボクはあの有名な言葉に続きがある事を思い出す。


「考えるな、感じろ。それは月を指差すようなものだ。指に気をとられるんじゃない。そうしないと栄光はつかめないぞ」


ボクはガッツリと指に気を取られていたようだ。まぁ何はともあれクズ品質のブループラチナメタルになる事は避けられた。


「このブループラチナメタルはナイフにするか」


ブループラチナのナイフはブルーアイズホワイトタイガーの目を採取する際に必要な武器。


ブルーアイズホワイトタイガーはブループラチナメタルの青い光を認識出来ないため、ブループラチナのナイフがあれば簡単に討伐出来てブルーアイズホワイトタイガーの目を採取する事が出来る。


その他にブループラチナメタルは鍛冶場の温度計をグレードアップする際に使うのだが、最高品質のモノが必要。


だからボクは再びブループラチナメタルを採取して未加工の状態で持ち帰る事にした。未加工の状態では重さ制限の関係上、3つしか持ち帰る事が出来ない。


「なんだかんだでホワイトスネークがまた狩場を独占してブループラチナメタルを独占するはず。その時に市場に流せば一儲け出来るはずだ」


ボクはブループラチナメタルを3つ採取して、青龍の洞窟を後にした。


~~~


「ボク以外にチュートリアルを2回やった人がいると思っていなかったから、余裕ぶっこいて街に寄って買い物してたら、先を越されたな。でもそのおかげでブループラチナメタルの切削加工方法がわかったぞ」








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