表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました  作者: 鳥山正人
2章 愛を取り戻せ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/100

34話 吉田メリー

今日も寝起きのいい朝。昨日品種改良したリンゴの木はどうなっているだろう。マイハウスの庭に出て畑を見ると赤のリンゴと青のリンゴがなっているのを確認。


『フジのリンゴと王林の青リンゴを手に入れました』


「すぐにアイテム変化をしたいところだけど、今はそこまでの時間はないな」


ボクは支度を整えメリーさんが待つクランハウスへ。


「おはようございます」

「おはようございます」


ほぼ同時に挨拶。


「あの、」

「あの、」


ほぼ同時に会話をしようとする。


「メリーさんからどうぞ」

「ハヤトさんからどうぞ」


お互いに譲り合う。


「………」

「………」


そして無言。


「……それじゃあボクから」

「……………」


良かったぁ、今度は被らなかった。一応ボクはここのクランリーダーだからメリーさんがボクの事を立ててくれたんだね。


「メリーさんがボクのクランを第2クランにしたキッカケってなんだろって思ったら、サンダーラムやサンダームートンの時だと思ったんです」


「はい、そうです」


「このゲームでの状態異常攻撃って遠距離攻撃の人ばかりで近距離攻撃の人ってほぼいないですよね。だからメリーさんはそこに着目したのかなって思った時にアイテム変化のレシピで良いモノを見つけたんです」


ボクはアイテム袋からタングステンを取り出しテーブルの上へ。


「これタングステンっていう素材で、今は加工方法がわからないアイテムなんですけど、アイテム変化でタングリスニというアイテムに変化して雷属性が付く素材になるんです」


「へー、そうなんですかー」


あれ?なんかピンときてない感じだ……


「もしかして、これじゃなかった感じ?」


「はい、すみません。でもそういうのも有りかもしれないですね」


有りかもしれないと言ってるが、メリーさんの表情を見る感じだと絶対にメリーさんにはボクの話はハマっていない。


「そ、それじゃあメリーさんの話お願いします」


「私が目をつけたのはお肉の方です。お肉によるステータスアップはそれなりに有能なアイテムですが、採取の手間を考えると割に合わないアイテムだったんですよ」


そう言われるとそうだな。採取スキルがないメリーさんが普通に採取すれば低品質か最低品質でしか採取出来ない。採取スキルを持つ人が採取しようとすると普通品質でしか採取出来ない。でもすごく手間がかかる。


サンダーラムのお肉を採取した時はボクが皮を剥ぎ取りして、メリーさんがそのあと採取して高品質のお肉をゲット出来た。


この採取方法に気づいている人はおそらくいないはず。


「ボクとメリーさんで一緒にお肉を採取すれば、すごく効率よく採取出来るという事ですね」


「はい、そうです。サンダーラムのお肉はスピードアップ出来るバフアイテムで、私の才能を伸ばせるアイテムでもあります」


メリーさんはスピード重視タイプの魔法剣士。スピードがあるため狙ったところにダメージを与える事が出来るタイプ。


「それにサンダーラムの皮は生産3種の神器の1つでもあるため、確実に売れるモノでもあります」


たしかに今後のクラン運営を考えるなら、有りかもしれないな。


「なので、今日はサンダーラムの乱獲したいなと思っています」


「わかりました」


ボクとメリーさんは西の王国の羊の館へ。


「羊の館へ、ようこそ」


「サンダーラムのいるエリアに行きたいのですが」


「かしこまりした。右手側にある扉へお入りになるとサンダーラムのいるエリアに到着いたします」


「ありがとうございます」


ボク達はサンダーラムのいるエリアへ。


「ハヤトさんの手際の良さを考えると、私も全速力でいかないと追いつかれると思いますので、ポーションがぶ飲みでいかせてもらいますね」


「お、お願いします」


「強身スキル・オールアップ・発動」

「魔法スキル・ウォーターアップ・発動」


メリーさんの身体は光り輝き、水のエフェクトが全身を包み込む。


「強身スキル・スピードアップ・発動」

「アイテム使用・サンダーラムのお肉」


メリーさんの足が黄金色に輝き出し、サンダーラムのエフェクトも発現。


「それでは行きます」


最高速度で動くメリーさんのゴールドスリーソードの一撃は首の部分へ。その一撃で動かなくなるサンダーラム。


今回はパーティーを組んでいるので、すぐにサンダーラムから毛皮を採取。


「一点集中スキル・オン」

「剥ぎ取り採取作業・開始」


サンダーラムの身体にアダマンタイトのナイフを入れていき、皮を剥いでいく。


「剥ぎ取り採取作業・終了」


サンダーラムの毛皮、99%の最高品質。


「まずは1匹目」


作業を終えてメリーさんの方を見ると、メリーさんはすでに2匹目を倒していた。


「早っ!でもここからはメリーさんもお肉を採取しながら倒しながらの戦いになる。遅れを取らないように頑張るぞ」


「剥ぎ取り採取作業・開始」


サンダーラムの身体にアダマンタイトのナイフを入れていき、皮を剥いでいく。


「剥ぎ取り採取作業・終了」


サンダーラムの毛皮、99%の最高品質。


「2匹目!」


メリーさんの方を見ると、ちょうどゴールドスリーソードを振り下ろすところだった。


「これがメリーさんの実力なのか……」


~~~


「10匹目」

「11匹メ~」

「12匹メ~」


~~~


「羊が100匹」

「羊が101匹」

「羊が102匹」


~~~


「羊が……羊が167匹」

「羊が……羊が167匹」

「羊が……羊が168匹」

「羊が…………」


バンっ


「ちょっと何寝てるんですか!」


どうやらメリーさんに叩き起こされたようだ。


「す、すみません!!」


「結構倒したから集中力が途切れたみたいですね。そろそろ終わりにしますか?」


「そうですね。あっ、最後の1匹は自分で解体して採取してもいいですか?お肉採取ってほとんどやった事ないんですよ」


「私は別に構いません。どうぞ」


「それでは始めます」

「剥ぎ取り採取作業・開始」


サンダーラムの身体にアダマンタイトのナイフを入れていき、皮を剥いでいく。


サンダーラムの毛皮、99%の最高品質。


「次はお肉の採取だ」


皮を剥がされたサンダーラムの筋肉の部分に輝く点が線となって見える。


「いくら輝く点が見えるといっても解体の順序というモノがある」


まずはサンダーラムの手足を切り離す。そして次は……


「これで終わりだ」

「剥ぎ取り採取作業・終了」

「一点集中スキル・オフ」


サンダーラムのお肉、99%の最高品質。スピードアップ効果(中)、状態異常・麻痺(中)


「あっ、最高品質だと状態異常・麻痺(中)ってなるんですね」


「高品質でも麻痺(中)ですよ」


「えっ、そうなんですか?」


「あれ?私言ってませんでした?」


「聞いてないですよ」


「まぁでも近距離攻撃は状態異常とは縁がないですからね」


ボクの見立てでは近距離攻撃でも状態異常攻撃は有能なはずだ。今まではそれが出来なかっただけ。サンダーラムのお肉で麻痺(中)の効果が付与出来るなら、近距離攻撃での状態異常の認識は変わるはずだ。


そうなるとまずはその武器作りだな。


「メリーさんはこのあとは何か用事ありますか?」


「えっ?私はクランハウスに帰ろうと思ってますけど、ハヤトさんは帰らないんですか?」


「ちょっとやりたい事が出来ましたので、先に帰っててください」


「わかりました。明日にはきっとマリナさん達も帰ってきて、忙しくなると思いますので、ほどほどにしておいた方がいいですよ」


「わかりました」


「それではまた明日お会いしましょう。お疲れ様でした」


「お疲れ様でした」


メリーさんは入ってきた扉から外に出ていなくなった。


「これでメリーの武器も決まったな」


メリーさんに武器をプレゼントした時は、まだボクのクランに入っていなかったので、リュウイチさんに配慮して、メリーさんの武器はゴールドスリーソードにした。


でもメリーさんは今ボクのクランに入ってる。だからボクがどんな武器を持たせようと自由なはずだ。


アイナさんに新しい武器を作るのに、クランメンバーのメリーさんに武器を作ってあげないというのはおかしな話。


これからその武器に使う鉱石採取へ行く。その場所は太陽の塔があるエリア。羊の館の隣にあるエリアだ。


ボクは入ってきた扉を出て、太陽の塔のエリアへ向かった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ