④惣領冬実先生の【ボーイフレンド】
『青春』とは何ぞや?
はい、ボーイフレンドです。
固定電話と公衆電話
しかない時代の
恋愛マンガです。
エモいです。
10巻です。
読後感が爽やかなマンガ
自分的ナンバーワンです。
このマンガのスゴいところは、
『引き込まれる群像劇』
『見たことない構図』
『光と水と“無音”の躍動感』
『瞬間を切り取るコマ割り』
です。
高校生の男女の物語を軸に、
その家族、友人、ライバルとの関係が
時にほんわか、時に辛辣に描かれます。
すごいのは、キャラクターやその背景に
リアルな日本の情景を感じる所です。
いつかの時代、日本のどこかで
実際にあった物語。
そんな現実感が味わえると思います。
それと、構図。
キャラクター視点で物語に引き込んでおいて、
スッ…と不思議な構図が
コマの中に自然と差し込まれます。
ぱっと見では違和感ないような場面も、
よく見れば鏡写しだったり、
ありえない角度の視点だったりします。
そういうのを見つけられるのも、
このマンガの楽しみ方の一つです。
不思議な構図、
なのに、違和感ないのが
すごいと思います。
全編通して、
光と水と“無音”の躍動感すごいです。
『海の場面』
『雨の場面』
『蛇口の水』
『夜のバイク』
『バスケットコート』
……
書き文字がないのに、
バッシュの“キュ!”が
聞こえそうな場面もあります。
マンガは光と水と“無音”を描けるようです。
『夜のバイク』必見です。
見たことないコマ割りで、
このマンガは『瞬間』を切り取ります。
というか、これは『コマ』なのか?
そういうページがたくさんあります。
バスケットボールの試合の場面は、
特にスゴいです。
瞬間を切り取るからこその、
あえての“無音”なのかもしれません。
『器に缶ビールを流し込みながら、
液体の動きを目で追う主人公』のカット。
一度見てみてください。
ページとページの間のカットとは
とても思えません。
読んだことない人はぜひ読んでみてください。
読んだことある人もぜひ読み返してみてください。
1980年代のマンガですが、
きっと新発見があるはずです。