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科学と魔法の狭間

誕生会を途中で切り上げて屋敷の中に戻ってきた僕らは、居間に集まることとなった。

参加してくれていた皆さんには、申し訳ないけれど、途中で帰っていただくことにした。


(執事とメイドの皆さん、せっかく準備してくれたのに、お手数おかけしてすみません。)

と心の中で謝っておいた。



「さて、アスフォードは、怪我や変わったことは無かったか?」


父が心配そうな顔で問いかける。


「怪我はありませんが、不思議なイメージを沢山見た気がします。」


僕は正直に、頭の中に浮かんだイメージの数々について、父に説明をしていった。


「うーん。。。不思議な夢だな。いずれにしても、大したことは無さそうで安心したよ。」


父にはどうやら”夢”と伝わった様で、不思議な夢を見た息子ということになったらしい。


僕は僕で、一気になだれ込んできたイメージの数々に、頭痛とめまいを感じて、その日は早々にベッドに入ることにしたのだった。



*****************************



その夜、僕は長い長い夢を見た。


”今の僕ではない誰か”が、生まれてから、その人生に幕を下ろすまでの物語。


見たこともないような大きな建物や、空を飛び交う巨大な船。


小さなころから、星空にあこがれて、「いつかは星へと行ってみたい」という夢を持つ。


何年も学校に通い、”空を飛ぶため”の科学という知識を学び、空のその先、夜空を彩る星々へと思いを馳せる日々。


長年苦労して発見した星を渡るための研究結果を、いよいよ発表するというその日。


会場へと向かう途中で、銃に打たれ、急速に意識を手放した。。。




*****************************



瞼の外に、朝の陽ざしを感じて、薄く目を開ける。


気づかないうちに、僕は泣いていたみたいだ。


目じりに伝う涙をぬぐってから、昨日のイメージと、夢の内容を思い返す。


僕のようで、僕ではない、誰かの記憶。

「前世」とでも言ったほうがいいのだろうか。



ぼんやりと考えながら、魔法でお湯を創り、顔を洗う。



それにしても、夢で見た「科学」という知識は、今まで聞いたことも見たこともないものだった。


空を飛ぶ道具なんて、今まで聞いたことがない。


魔法で空を飛ぶことはできるが、空に輝いている星に行ったなんて話は、物語の中でのことだと思っていた。


本当にできるのならば。

星空のその先へ行けるのならば。

いつか行ってみたい。


今まで感じたことがないようなワクワクした気持ちが、胸いっぱいに広がってきた。


まるで、自分が物語の主人公になったみたいだ。

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