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物語が降ってきた日

どこまでも続く深遠なる宇宙空間に、ひときわ輝く光跡を残して進む大艦隊。

気が付けば僕は艦隊司令長官となっていた。



”ヒュゥゥゥゥ―――。。。”


ユーノスエンジンが独特のうなり音を上げて、ワープ速度へと急速に加速する。




『まもなく、ワープに入ります。総員、衝撃に備えてください。』


艦内放送の直後、僕の隣の席に、艦長のセルリアが慌ててやってきた。



「遅いぞ!」


「ごめんなさい!ギリギリまで会議をしていたら遅くなってしまって。。。

いよいよですね。次のワープを抜けたら、ようやく人類の故郷が見えますね。」


「あぁ、本当に。。。本当に長い旅だった。」


僕はこれまでの旅路を思い出し、様々な出来事を嚙みしめながら答える。


もうすぐだ。


もうすぐ、帰り着くことができる。


この世界が、僕が生まれた世界線と異なる世界であったとしても。




艦隊は白い光の残像を残しながら、最期のワープ空間へと消えて行った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『ドン!!・・・ズガン!!!』


前世の記憶は、6歳の誕生日会の真っ最中に突然降って来た。


屋敷の庭で楽しくバーベキューをしていたところ、文字通り目の前に「降って」来たのだ。



「びっくりした!・・・なんだ?この黒い石??」


表面がツルツルとした、正六面体。


どうやって加工したのか見当もつかない。

傷一つない表面が、わずかに光っているように見える。


その石は、周囲の地面を少しすり鉢型に吹き飛ばして、その中心に浮かんでいた。



「魔石か?・・・・・ウワッッ!!」


父が杖を構えながらそっと石に近づくが、すり鉢の縁で見えない壁に弾かれた。


「父上!?」


急いで父のもとに駆け付けようと、僕もすり鉢の中に一歩足を踏み入れた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」


すり鉢の縁に足をかけただけで、足元が崩れ、滑り落ちる。


まるで石に引き寄せられているような感覚を覚える。



『ゴツン!』


鈍い音が頭の中に響いた後、僕の目の前は真っ暗になった。。。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



自動車・研究室・ロケット・ミリタリーアニメ・バイト先のコンビニ・火星に立つ人類の姿・・・・・

急激に流れ去ってゆく光景。


僕は、なんとも不思議な夢を見た。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・くん・・・ドくん・・・・アスフォード君!」


「うーーーーん」


ふと目を開けると、目の前には大粒の涙を浮かべた幼馴染の姿が。



「セルリア??」


「死んじゃうかと思ったよーー!!!」


再びぎゅっと抱きしめられて、息苦しくなる。



「うーーー!離れて!離れてー!!」


何とか呼吸を確保して叫ぶと、セルリアは慌てて僕を離してくれた。



「あ、おでこから血が出てる!回復魔法かけておくね!」


彼女が手をかざすと、手のひらから緑の光があふれて、僕の額のキズを癒してゆく。


「ありがとう。」


自分の額を撫でてみるが、あっという間に傷が塞がってゆく。


セルリアの回復魔法も上達したものだ。



「大丈夫か!?」


父も慌てた様子で声をかけてくれた。


「父上、僕は大丈夫です。それよりも、あの黒い石は?」


「それは・・・目を離している間に消えてしまったのだ。」


「消えた??」



父の話によると、僕が足を滑らせて円錐の中に落下し、父とセルリアが慌てて駆けつけた時には、黒い石は消えていた。。。

という事らしい。


「ひとまずは無事でよかった。とりあえず、屋敷の中に入ろうか。」



黒い石が無くなり、すり鉢だけが残った大地を後にして、ひとまず僕らは屋敷の中に入るのだった。

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