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詩「夜の邂逅」

作者: 有原悠二

湯の中にたくさんの忘れ去られた夢が沈んで

いた その一つにどこか見覚えがあったので

拾おうと思った矢先に それは排水口に吸い

込まれてしまった またか と俺は思った

また俺はお前を救えなかったのか 俺は悲し

くて そのまま湯の中に溶け込んでしまった

 するとどうだ 声が聞こえたんだ


日付が変わる瞬間の

時計の針が昔から好きだった


「ありがとう

「じゃあね


閃光のように昨日が飛び散り

明日が音速でやってくる


いま

ふと


耳元でその声が聞こえた気がした

涙のようなその声が


まだ人生が永遠だと思っていた頃 祭りの露

店で値切った水晶を 数十年ぶりに光に当て

てみた 透き通るリンゴ かなづちの犬 匂

いのない煙が川を登っていくように 泡に反

射する影が今にも目を伏せて消えゆくように

 それは閃光 それは永遠という概念的な水

晶にきみを閉じ込めて


泣いていた自分に

かける言葉がようやく見つかった


「こんばんは


そして


「初めまして


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