前日談
文才がなく、読みづらかったらすいません
「アイリーン!マリアに対する誘拐を企てた罪で、婚約破棄、並びにお前の公爵令嬢としての身分を剥奪する!!」
お城のとある一室
私の目の前にいる顔だけが取り柄の猿、もといこの国の王位第一継承者、エルメス・バートルイス殿下はそうおっしゃいました
あっ!自己紹介が遅れました。アイリーン・アストガード。この国の公爵令嬢です!よくある、トラック転生を果たしました。因みにこの世界が乙女ゲームかどうかはよくわかりませんが、婚約破棄されているならそうなのでしょうね。まあ私は誘拐なんて企ててないし、十中八九マリアさんの自作自演でしょうね
「かしこまりました。では御機嫌よう」
だが!!肯定する!!
こんな馬鹿と婚約してられるか!この世界に転生してからというもの振り回されるわ、フォローしなきゃいけないわ精神やられるわ!
あと、貴族って面倒くさい!終始笑顔で、人がミスしたらヒソヒソヒソヒソ!魔法ぶっ放してやろうかと思ったわ
「待て!!マリアに謝っていけ」
「申し訳ございません」
「え、あっはい」
「それでは」
よし、トントン拍子に話が進んでよかった!彼女もびっくりだろう、罪押し付けようとしたら、受け入れるんだもん
早速回れ右して出口から出て行く
お父様や陛下に話が行く前に早く逃げなきゃ!婚約破棄をされたとなれば二人とも飛んでくるだろう。
優雅にそれでいて早足で廊下を歩いている。城にいる人たちは、働きながらも横目で私を見るがそこはプロ、興味よりも仕事優先。流石ね
「はぁはぁ、お嬢様!お待ちください!」
「よく追いついたわね」
急ぐ私に声をかけてきたのは、私付きのメイドである、アリサだ。王太子妃になる為、王家から付けられたメイドだが歳も近く仲はそれなりにいい
「なぜ、はぁはぁ、否定しない、のですか?」
何故って、前世で読んだ小説で予想付いてたし。魔法で冒険者無双したいし…なんて言えるわけない…よし逃げよう
「闇よ、我が身を隠せ。『影絵』」
「あ!お嬢様!」
許して、アリサ!私の冒険者ライフの為に!
「今一瞬影が?」
「やだ、幽霊?」
魔法のおかげで、私を見てもみんな影が一瞬通り過ぎたようにしか感じない。
幽霊騒ぎになっている混乱に乗じて城から脱出し、城の近くにある公爵家に忍び込んで、自分のタンスから庶民服を引っ張り出した。
アリサにはお忍びの為って言ったけど、こんなドレスじゃ冒険者になれないし、このぐらいなら貰ってもいいよね…
よし!準備は整った!!
向かう場所は王都から遠い冒険者の街、グレンタス!
そこで冒険者になって庶民として暮らそう!!
さよなら!貴族ライフ!