38 初クリア
「ぐあぁあっはっはっは!!!よくぞここまで辿り着いたな勇者よ!」
アトラクション最終ステージの魔王編
道中ザコ敵から魔王四天王までのバトルをなんなくクリアした3人はついに最終局面へと辿り着いた。
「皆ここが正念場だ!必ず魔王を倒すぞ!」
「えぇ!私のメテオ・ブラックで跡形もなく消し去ってあげるわ!」
「皆さんのフォローは任せてください。たとえ死んでも死なせません!」
CGとは思えない大迫力の魔王を目の前にして気合を入れる3人。アトラクションだという事はもはや忘れ去り世界を救うために旅に出た3人がそこにいた。
「たとえ人類が束になろうと我に敵わぬ!死ね!『メテオ・ブラック』!」
全てを塵に変える程の灼熱魔法。
「私だって!『メテオ・ブラック!トリプル!』」
「なにぃいいい!?」
魔王が放ったメテオ・ブラックが相殺され残り2つのメテオ・ブラックが魔王を襲う。
「ぐわぁあああああああああ!!!!」
「今よ!アキラ君!」
「兄さん!今です!パーフェクト・ヒューマン!」
ミウがMPを全て使う代わりに対象者のステータスを10倍にする秘奥義を使う。もちろん対象者は勇者である俺だ
「ヒカリ、ミウ!ありがとう!うぉぉおおおおお!!!」
今ある俺のありったけをこの一撃に!!!!
「くらえ!魔王!!これが俺達の全力だぁああ!!!」
「なにぃいい??!?!?」
「必殺!エクスカリバァ!!!!!!」
全てを飲み込む一撃が魔王へ繰り出される
「ぐぁあぁあああああああああああああああああああああああ」
エクスカリバァの一撃により光の粒子になり消滅していく魔王
「はぁ…はぁ…やっ…ったのか?」
「すごいよアキラ君!魔王を倒したわ!」
「兄さん…///」
ヒカリとミウが羨望の眼差しで俺を見てきた。
「ウッ…み、皆の力で倒せたんだ俺だけの力じゃない」
ミウに見つめられドキっと心拍数が跳ね上がると同時に
「コングラッチュレーション!!!「異世界転生したから無双する!」初クリアおめでとうございます!!!」
乗り物が出口へ向かいその出口に大勢の人たちが拍手で俺達を迎えた。
「えっ初クリア??」
「兄さん…すごい///」
(ウッ…ミウあんまり見つめないでくれ…)
大勢のスタッフに出迎えられながらアトラクションを終えた俺達は初クリア者として別室へと移動した。3人は豪華なソファへと座り眼の前には最初に案内してくれた受付嬢が座っている。
「あらためまして、アキラ様、ヒカリ様、ミウ様。「異世界転生したら無双する!」初クリアおめでとうございます」
深々とお辞儀をして栄誉を称える仕草をされムズ痒い気持ちになる。そんな空気に耐えきれずアキラは疑問に思っていたことを口にする。
「えっと…どうして俺達をここへ?」
「このアトラクションの初クリア者だけに送られる豪華プレゼントがございます!ぜひこのチケットをお受け取りください!」
豪華な装飾が施された宝箱が出される
「こちらは創設者達が集うパーティーに参加できるチケットでございます!このゲームをクリアした人達にとの事で承っていましたが全然クリア者が出ないので忘れていました!」
「えっと…パーティーなんて俺達には荷が重いというか…」
ミウとヒカリに目配せすると二人共ウンウンと頷く
「せっかくのありがたい申し出なんですが…」
あまりにもありがたい申し出だが俺達が出ても肩身が狭い思いするだけだと思い断ろうとすると…
「受け取らなければ私がクビになってしまいます」
笑顔を崩さない受付嬢がポツリと言葉を漏らす
「「「えっ???」」」
「ですから創設者様からクリア者が参加するようにとこのチケットをわざわざ用意されたのです。ですが断ります。なんて言われた日には私が責任を取ることになり恐らくクビになります」
ウルウルの瞳でアキラを見つめる受付嬢
「は…はぁ…」
「こんなかわいい乙女が露頭に迷って良いというのですか?」
ちらりと二人に目配せするとブンブンとクビを横にふっている
「じゃ、じゃあありがたく頂戴致します!」
豪華な宝箱を受け取るとにっこりと笑う受付嬢に目をほんの少し奪われると左右から脇腹に肘鉄が食らわされるアキラであった。
遅くなり申し訳ないです。
ラストスパートいきます。




