僕はどこに行くんだ。
1話
朝起きる。食べる。家を出る。学校に行く。
帰る。夜になる。食べる。お風呂入る。寝る。
そんないつもの日常に飽き飽きしている。
別に特に悪い日々でもないが、良い日々でもない。刺激がない。欲する。諦める。
こんな人生を誰かもらってくれないだろうか。
不幸で嘆く人生でも良かった。
自分が他の人と違う人生を歩んでいるという優越感に浸りたかった。
ただそれも虚しく、
神は普通に生きろと言わんばかりの環境を僕に提供した。
それは他の人にとったら幸せなのかもしれない。ただ、俺にとっては苦痛でしかなかった。
息を吸って吐く過程で俺は刺激的なことを
常に求め続けていた。それは今でも。
「暇だし、ネットショッピングでもするか。ん?なんだこれは。」
パソコンに電源を入れた途端、画面にあるものが表示された。
〈退屈な人生をおくっている貴方へ
刺激的な世界へ転生してみませんか?
それは貴方が見た事もない世界。
しかし刺激的な世界に入ったら、今過ごしている世界の貴方は消滅します。
さて、貴方は人生をどう過ごしますか?
もし刺激的な世界に行きたいのなら
1ヶ月以内に回答してください。
しなければこの話は無かったことにします。ご了承下さい。〉
俺はこれを見て、
誰かが俺を監視しているのではないかという怖さもあったが、
それよりもやっと退屈から抜け出せるという
解放感の方が強かった。
俺には家族や友達とも上辺な関係しか保てなかった。
体裁を気にする母、仕事を言い訳にする父、引きこもりの妹、
ノートを見せてほしいときだけ近づく友達、
別にそれが苦痛ではない。
ただこんな偽物など全ていらない。
それが俺の今の気持ちだ。
捨ててしまえ、その言葉が脳裏に浮かんだ。
ただ、それは少し抵抗がある自分がいるのも確かだ。
しかし、今こそ人生を捨てる決断をするべきだ。そう思った。
そして、俺は刺激的な世界に飛び込んでいった。




