EP4 束の間の休息
各キャラクターのスキルコードについて書きまとめておきます。
作中ではスキルコードは基本的に能力と呼ばれます。
桐生 鏡弥
スキルコードは風。
風の力をそのまま放出し、移動や回避としても使える他、風の衝撃をそのまま相手にぶつけて大きなダメージを与えることも可能。
また、成功率は低いものの、集中力を研ぎ澄ますことで刃や針の形に生成することもでき、武器として使用することもできる。
弱点は連続して使えるのは3回まで。チャージに何秒か時間を要する。
緋星 時歌
スキルコードは飛行。
明言されてはいないものの、箒などを用いて飛行する。
戦闘能力を持たない能力であるが、人命救助にも非常に役に立つ能力。
EP1では鏡弥を連れて飛んでいるあたりから、数人程度なら一緒に飛ぶことはできる。
弱点は15分経つと効果が切れて飛べなくなること。またすぐに飛ぶことができるものの、一度着地する必要がある。
才架 未来
スキルコードはトリプルエレメント。
炎、氷、雷といった三つの種類の能力を扱う非常に稀有な能力。
未来自身の才能も相まって戦闘時には無類の強さを発揮する。
弱点は一度に異常なまでの体力を要すること。
彼女は女性なので、無理をしてもあまり連発することはできない。
隼水 澪
スキルコードは神速。
最速でマッハ15を超えるスピードを出すことができる能力。
未来ですら認識不可能なスピードで動くことができるものの、澪自身があまり能力を制御することに関心を持っていないため、あまり上手く使いこなすことができない。
弱点はそのスピードに対する身体の負荷からの筋肉痛。彼はその能力の恩恵からか、体力回復が早いものの、それでも治るのに1日はかかる。
鋼河 星
スキルコードは強化。
肉体を限界まで強化させることにより、強力な力を手に入れる能力。
しかし15秒間しか持たないという致命的な弱点を持っていて、彼曰くこっそり制御とは別に強化時間を伸ばす努力はしているらしい。
メインキャラクターが出揃い、これから物語が大きく揺れ動きます。
詳しくは後書きでまた。
夢を見た。
これは、昔の夢。
「おれたちはのうりょくをもったとくしゅなそんざい?」
小さな子供…鏡弥が首をかしげる。
「そう、貴方達はとても凄い力を持ってるの。
だけどそれはね、危険なものなの。
いろんな人に怪我をさせてしまうもの。
だから、怪我をさせないためにも、みんなでその能力を使えるようにならないといけない。
わかった?」
鏡弥を含むたくさんの子供達がはーいと言い、手を挙げる。
まだ3歳だった子供達が一体どれほどその言葉を理解していたのかはわからない。
だけどこれが、暁月の赤子たちが能力を制御することを覚え始めた最初の出来事だった。
---------------------
「また思い出してしまった…。全く、もうあの時の俺じゃないというのに」
いつもの見慣れた部屋で彼は目覚めた。
生活に必要なものと、彼の趣味である読書のための小説が幾つか置いてあるだけの殺風景な部屋。
彼は就寝用の服から、翠栄国の制服に着替えて、外に出た。
ここ1ヶ月、翠栄国にも、宇宙開拓チームにも、夜明けの空にも目立った動きはない。
学園祭も無事に終わり、平和な日々が戻ってきた。
今日は特にすることもなく、言わばオフの日。
何気なく翠栄国の街を歩いていると、見慣れた長い髪をたなびかせて歩く少女の姿がそこにあった。
「時歌か。何してるんだろうか…」
声をかけようと思ったものの、どこか足取りよく歩いていたので気分を損ねてしまうのもよくないと思い、開きかけた口を閉じた。
「まぁ、俺は俺で適当に回るか」
鏡弥は時歌とは別方向に進んでいった。
とはいえ、やはりやりたいことが思いつくわけもなく、買い食いをしながらとりあえず時間を潰すということしかできなかった。
するとそこに少し背の低い元気な少女…未来が、鏡弥を見つける。
「やっほー、鏡弥。何してるの?」
「特に何もしていない。時間を潰しているだけだ」
「本当に何か話題がないと素っ気ないなー。
…あ、ね。暇してるなら付き合って?」
「……は?」
鏡弥は未来からの誘いに一瞬硬直した。
---------------------
「これどうかな!」
「似合ってるんじゃないか、というか俺はなぜこんなことを?」
「いや〜、時歌ちゃんは何か機嫌よかったから誘いにくくて…。
星とか澪はこういうのに乗らないだろうし、なんだかんだ付き合ってくれる鏡弥ならーって」
未来は試着室から出ると、可憐な衣装に身を包んで鏡弥に感想を問いかけた。
鏡弥は未来の買い物の荷物持ちとして付き合わされている。
男としては付き合って、という言葉に心が揺らいでしまうものではあるが、割と付き合いの長い鏡弥にとってはまぁこんなところだろうという推測は既にあった。
「うーん、これ買おっかなぁ」
「買えばいいんじゃないか?」
うーんと言いながら値札とにらめっこする未来を見て、鏡弥は仕方ないという顔をして。
「仕方ない。高いんだろ?買ってやるさ」
「本当!?わーい、ありがとー!」
勢いから抱きつかれてしまい、流石の鏡弥も少し赤面してしまった。
「人目があるんだから離れてくれ」
「あっ、ごめんね」
てへっと言わんばかりの表情でこちらを見つめてくる未来。
彼女は有名人な上にスタイルも良く、美少女からも美少女と呼ばれるほどの美少女。
こうして見ると確かにそう言われる理由もわかるかもしれない。
その後、買い物を終えると、そこには時歌の姿があった。
「あ、鏡弥くんに未来ちゃん!」
「時歌ちゃん」
「はぁはぁ、あっ」
こちらを見るに一目散に走る時歌だったが、どこでつまづいたのか、転びそうになっていた。
それを見た瞬間、鏡弥は風の力を微力ながらも開放。転びそうになっていた時歌を風の力で押し上げた。
「ふー、助かったよ。鏡弥くん」
「危なっかしいんだから気をつけろよ」
あはは、とこちらを見る時歌。
彼女ももちろん容姿、スタイルともに良い。
つまり美少女に囲まれたハーレム状態ということなのだが、それに気づいた瞬間周りの視線が怖くなったので鏡弥は考えることを放棄した。
---------------------
そして平和な日々を過ごしていた鏡弥たちの裏で…。
「瑞樹少佐。彼らについてはどうだ」
「今のところは問題ありません。雨車中将」
雨車 総士-うるま そうじ-翠栄国軍の中将であり、現段階では最も高い権力を持つ。
「あちらが動き出している。赤子たちも戦いに巻き込まれるかもしれない」
重苦しい表情で雨車は語る。
「私たちではもう…」
「戦闘に入ったところで全滅がオチだろうな」
そんな…と辛い表情をする瑞樹。
雨車のいう、あちらとは…。
平和な日々は再び終わりを迎える。そして、戦いが始まる…。
続く
後書き
前書きと後書き。
この機能に慣れるために、今回は本編を短くさせていただきました。
次回から、戦いが始まります。
以前出てきたドールが敵となるのか、それとも…。
今後とも頑張りますので、これからも読んでいただければ幸いです。