似て異なる2人
屋上の扉を開けると彼はいた。
「来たね…」
皮肉げに彼は笑った。
多分これが素の時の顔なんだろうなぁ。
でも嫌いじゃない。
少し見惚れてしまったが、とりあえず気になっていた事を聞いた。
摩耶 「どうやって、あの場所を見つけたの?」
森宮 「君をつけたら、気持ち良さそうに眠っていたからさ。」
すごい爽やかな笑顔で問題発言してる(汗)
つけたの!?
摩耶 「そう…でっ?」
森宮 「〝でっ?〝とは?」
摩耶 「あの場所を見たんでしょう?普通の人間なら気持ち悪いんじゃない?」
森宮 「普通ならね…」
うん。
変な違和感を感じる。彼が普通じゃないのは薄々気付いていたけど私とは何かが違う…
彼と私とどう違うんだろう?。
普通じゃないのは、分かるけどその普通じゃない彼の部分がまだ分からない。
知りたいなぁ。
考えていると彼は笑いながら言った。
森宮 「僕は人殺しが大好きなんだ。現在進行形でね。
あぁ。
分かった。
さっきまでの気にしてた部分の謎が解けた。
彼は殺人鬼。
私は死体愛好者。」
私に近いと思っていたけど、彼は私に似ているようで似てない筈だ…
知りたい。
彼の事をもっと知りたい。
そして、彼なら私を現実の世界で私の夢を叶えてくれるかもしれないとこれから先の事を考えたら楽しみで仕方がなかった。
いつも死んだ目をしていた彼女が生きた目に変わった。
死んだ目も綺麗だけど、やっぱり君には生きてる目の方が綺麗だね。
僕に近くて遠い君の事をもっと知りたいよ…
誰もいない貸し切りの屋上で2人の考えている事は一緒だった。