興味
かなりマイナーな歴史の人物名が出てきます。
キーンコーンカーンコーン。
チャイムの音で目が覚め携帯で時間を調べると夕方になっていた。
またやってしまった…
この場所を見つけてから居心地が良くつい授業をサボってしまう。
仕方ないので帰るかと思いお気に入りにキスをして倉庫を出た。
側から見たら異常に見えるかもしれないが、私とってはとても普通の事。
内鍵が出来ないのが難点だなぁ。
まぁ、こんな場所に好き好んで誰も近寄らないだろうけど。
ガチャガチャ。
鍵を閉めて、私は教室に鞄を取りに行って下駄箱の前で男子生徒に話しかけられた。
? 「あの‼︎葛城さん。少し時間良いですか?」
摩耶「良いけどなんですか?」
? 「俺佐伯って言います。前から佐伯さんが好きでした。付き合ってください。」
あぁ、またか…
どうやら私の容姿は世間的に綺麗に入るらしい。
赤い目に黒髪なんて稀有の存在の何者でもないのにね。
小さい頃は気持ち悪がられ、大きくなれば手の平を返して愛を囁く。
自分勝手。
それが人間の本質なのだろう。
摩耶「無理です」
佐伯「なんでですか!?ずっと葛城さんの事を見ていたけど彼氏とかいないですよね?」
摩耶「私ね。“生きてる“人には興味がないんだ。」
佐伯「どういう事?」
佐伯くんは心底分からないと言うような表情をしていた。
摩耶「分からないなら良いんだ。とにかく付き合えない。」
私は戸惑っている佐伯くんを無視してその場から離れた。
そう生きている人には興味がない。
もし私が生きている人を好きになるなら、死体を愛したエド・ゲインや300人以上殺害したと言われるヘンリー・ルーカスのような過去の異常殺人鬼のような人が現れた時だ。
もしそんな人がいたら、それこそ身も心も捧げるだろうな…
でも、実際は私がいる国は日本と言う安全国で犯罪者が近くにいる訳がない。
だから私は誰とも付き合わない。
でも…
あの森宮樹と言う男は、今まで出会ってきた人たちとは違う気がする。
あの人に関われば何かが変わるんだろうか?
そんな事を考えながら家に帰った。