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出逢い
キーンコーンカーンコーン。
朝のチャイムがなって担任が知らない男子生徒を連れて教室に入ってきた。
金髪??
地毛だろうか??
その人工的には到底見えない男子生徒を珍しく数秒見つめてしまった。
でも、その男子生徒が朝言ってた転校生だと分かると彼から目を離し窓から見える空をボンヤリ眺めた。
ガタッ!
私の隣の席に座る音が聞こえて横を見ると、先ほどの転校生が微笑みながら話しかけてきた。
? 「初めまして。今日から転入してきた森宮樹と言うんだ。これから1年宜しくね?葛城さん。」
なんだろう?
この男の喋り方や柔らかい微笑が嘘くさい…
それとかすかにだけれど、私の好きな甘い薫りがする。
ホルマリン漬けを作る時に使う独特の甘い薫りを放つ薬品の。
摩耶 「宜しく。」
私は甘い薫りを振り払うかのように、短い挨拶をした。
森宮 「まだ引っ越してきたばかりだから、色々教えてもらえると嬉しいな?イロイロとね
…」
彼は最後のイロイロの部分だけ周りの生徒に聞こえないように囁いた。
そして一瞬口端を上げ、ニヤリと笑った。