第一章
綺麗な死体。
色々なホルマリン漬け。
過去の殺人鬼達の事が記してある本。
キレイキレイ。
全てが揃っている。
あぁ、物言わぬ貴方達を愛してる。
大好きなモノに囲まれてウットリしていたら、突然視界がボンヤリし目を擦って次に目を開けたら白い天井と私の好きな音楽が大音量でなっていた。
♪♪♪♪~
ピッ!
「夢か…もう少しあの世界にいたかったなぁ。生きた人間が山程いる学校なんか行きたくないな…ハァ。」
私は毎朝の恒例となっている溜息を吐きながら学校に行く準備をして家を出て学校に向かった。
チラホラと私と同じ制服姿の生徒達が見え始めた頃に、後ろから誰かに話しかけられた。
? 「葛城さーーん!お早う♪」
憂鬱な気分で学校に向かっている私に話しかけてきたのは、友人でもなんでもないただのクラスメイトの吉川優と言う女生徒だった。
摩耶 「お早うございます。吉川さん・・・ですよね?確かお話しするのは初めてだった気がするんですが⁇」
吉川 「そうだね!たまたまクラスの有名人がいたから、つい挨拶しちゃった(笑)ってか、話した事が無いのに私の苗字覚えていてくれたんだ!?」
たまたま見つけた位で話しかけて欲しくなかったなぁ。
大体有名人ってどうせ私の赤い目の事だろう。
人と違う容姿だけで有名人にするのもどうだろう?
朝は極力生きた人に会いたくないのになぁ。
摩耶 「はい。一度クラス替えの時に皆の前で自己紹介をされていたので…」
吉川 「一度だけの自己紹介で覚えていてくれたんだ!葛城さん凄いね‼︎」
凄いのは貴方のその積極性ですよ…
私は普段人との関わりを持ちたくないから極力目立たず話さずを貫いてるのに。
吉川 「そう言えば!今日転入生が来るんだって!!。お金持ちの男の子らしいよ♪イケメンかなぁ?」
摩耶 「ごめんなさい。先を急いでるので…」
私は1人でマシンガントークをしている吉川さんに嘘を吐いてその場から早歩きで離れた。
転入生か…
確かにもうすぐ10月になるのに珍しいな。
でも私には関係の無い事だ。
私と同じ人間なんている筈がないんだから。
その時の私はそう思っていた。