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プロローグ
昔々、人々は沢山世界におりましたが、やがて食べ物が無くなり争いを始めました。人は何年争い続け、気づくと六分の一まで世界人口は減り、多くの土地を争いで失いました。絶望する人々の元に、ある月の美しい夜、神様が現れました。神は平伏す人の前で命を奪い合う事の愚かさを説き、人々が手を取り合い生きていくように言いました。人々は二度と争わないと誓いました。その姿を見た神は一人の女の赤子を差し出しました。
「この娘は神の子。名をニルヴァーナと言う。この娘はそなたらがかつて望んだ人を一瞬で殺す力を持っておる。しかし、そなたらがニルヴァーナを悪用せず大切に育て、やがてニルヴァーナが真に人を愛し、またその者も真にニルヴァーナを愛し、その者がニルヴァーナに命がけの口付けを行えば、ニルヴァーナの神の力は解放され、大地を潤し空気を清浄し、かつての緑が戻るだろう」
人々は大切にニルヴァーナを育て、ニルヴァーナはやがて国の王子を愛し、命がけの口付けを行いました。そして、世界は清浄になりましたとさ。めでたしめでたし。