ヒラクの本気
アルフィナを追い回していた襲撃者、クリナハは混乱していた。
原因は目の前の男。
ナイフを持った自分を相手取っているというのに、へらへらと薄気味の悪い笑顔を浮かべているこの男である。
「お前、何者だ」
慎重に、彼女は問いかけた。
「ヒラク=ロッテンブリング。ええと、アルフィナの、クラスメイトの」
すると男は、笑顔のまま質問に答える、が、謎は深まるばかりである。
まず、何故この男がアルフィナを庇うのかが分からない。
学園に入ってから出来た友人か? あのアルフィナがそんなものをすぐさま作れるとは思えない。
ならば体で誑し込んで……いや、もっとあり得ない。
「とりあえず落ち着いて。話を聞いてくれると助かるかなぁって」
「うるさい! 黙っていろ!」
言いながら、巻き付けられた鞭を引っ張る。
すると、相手は逆にそれを緩め、クリナハが逆に体勢を崩しかける羽目になった。
混乱の原因その2。この男がどんな使い手か分からない。
先ほど自分が引っかかった黒い液体、そして周囲の音が消えたのはおそらくこの男が唱えた妨害魔法だ。
ということは魔法使いか。いや、しかし今までの身のこなしを見ると、少なくとも肉体強化を2つは持っている。
この鞭捌きもギフトの賜物だろう。
いや、そんなことはどうでも良い。とにかくこれをほどいてあの娘を追わなければ。
だが、妙な結び目で巻き付いたロープにはおそらく魔法の力も加えられており、男の動向を気にしながらでは一向に外れない。
ならば! 縄をはずすことを諦めた彼女は、アルフィナが逃げていったのとは反対、男の方へと駆けだした。
否、駆け出そうとしたが、果たせなかった。
彼女が短い思考を終えロープから意識を向けなおした時、男の方が彼女へと突進してきたからである。
「なっ!?」
新たに武器を取り出す様子もない。丸腰も同然の姿。
ならば魔法かと身構えた彼女の前から、男の姿がふっとかき消える。
混乱していた頭に更なる混乱を重ねられ、一瞬頭が真っ白になるクリナハ。
しかしほとんど勘で後ろに下がったことが幸いし、姿勢を極端に下げた男が放つ足払いを、何とか避けることに成功した。
続いて体が伸び上がっての掌底。
距離が開いたため、これも見切ることに成功する。
クリナハが反撃に男へとナイフを振るうと、相手は「とっ、とっ」と、尻餅をつきそうなステップで背後に避けた。
素手で殴りにきた。それも、破れかぶれではなく何らかの心得がある動きである。
鞭のギフトではない。あれはあくまで鞭を介した戦闘用のギフトのはずだ。
となると格闘術……そんな魔物との戦いに使えないようなギフトを、取得する人間がいるのか。
「せいっ!」
思考がまとまらないまま、クリナハは更にナイフを繰り出す。
だが彼女の心が安定していないせいか、それとも男が体をくねらせるような変わった(あるいはおちょくった)避け方をするので当たらない。
もう少しで当たりそうなのに、という感触が更に彼女の焦りを募らせる。
「このっ!」
業を煮やした彼女は、手に持っていたナイフの片方を男めがけて投げつけた。
「ぐっ」
それは予想外だったのか、男がナイフをかわしながらも体勢を崩す。
好機と見た彼女が踏み込むと、男が鞭を握っているのとは反対の手を体の前で広げる。
命乞いか。いや、違う。
開かれた男の手から、丸い玉が数個、ぽろぽろと落ちた。
「ファイア!」
ほとんど同時に男が叫び、こぼれた玉にぽっと火が灯る。
そして――。
「くっ」
ぼわん、という音がして、クリナハの視界が突如現れた煙によって阻まれた。
「引っかかるか!」
しかし、これを食らうのも三度目である。
クリナハの動揺は小さかった。
むしろ男の種切れが察せられ、先ほどまでの混乱が引いていく。
それに例え視界が塞がれようが、相手はこのロープで繋がっているのだ。
先ほどと同じ轍を踏まないように、彼女は足でロープを踏みつけてから、体を折り曲げてロープを引っ張った。
「おわっ」
男の慌てる声。しかし彼女は急いで追撃したりはしなかった。
冷静に、煙が晴れるまで呼吸を整えて待つ。
同じ手を使ったからと言って、この軽薄で軟弱に見える男を侮ってはいけない。
先ほどの戦いの中で、彼女はそれを確信していた。
やがて、煙がうすうすと晴れていく。
彼女が駆け出そうとした校舎の床には、棘を上に向けた鋲がばらまかれていた。
「あはは、ええと、ごめんなさい」
そして、その先には尻餅をついた男。
姑息な策を見破られたその男が、気まずそうに笑う。
彼女が怒気を込め一歩前に進むと、男はバネ人形のように起きあがり、階段へと繋がる曲がり角の影へと逃げ込んだ。
やはり自分は相手を過大評価し過ぎていたのか。
評価が定まらないまま、クリナハは男をゆっくりと追う。
いや、先にこのロープを切るべきか。思いついてクリナハが自らの手へと視線を送ると。
「ご両親のことは気の毒だと思う! けど、彼女を狙うのは……!」
曲がり角の影から、男がそんな風に叫んだ。
「……両親の、事?」
男の突飛な言葉に、クリナハの体が止まる。
あの女、アルフィナはそんなことまで話したのか。
いや、それよりも。
「ご両親が死んだ件でアルフィナを狙ってるんじゃ……ないの?」
彼女が不思議そうな声を出すと、男もまた首を傾げて問い返す。
やはりそうだ。
この男の認識は……もしかしたらアルフィナの認識すら、事実からは違っている。
「その事は、もうとっくに忘れた……。あんなものは、事故だ」
我知らず絞り出すような声になりながらも、クリナハはそう答えた。
本当は、両親の死を忘れたことなどない。
だが、あれは不運が重なった出来事だ。
彼女とて同じ目に遭えば、声を抑えることは出来なかったかもしれない。
自分もそんなことは納得している。
生活の厳しい地上探索者として生きるには、個々としてではなく一塊の器官として生きなければならない。
自分たちは血を超えた一つの家族である。そんなことで、相手を責め続けたりはしない。
「じゃぁ、なんで……」
男が、不思議そうに、本当に不思議そうにクリナハへと問いかけてくる。
それを聞いて、クリナハは悟った。
この男は、そしてアルフィナは分かっていない。それどころか、彼女は、あの女は……。
「アルフィナは……あの娘は我らの部族を捨てたのだ!」
我慢しきれず、クリナハは叫んだ。
男は目を丸くしている。ということは、アルフィナはやはりそこまで話していなかったらしい。
それに気づくと、クリナハの頭は急に煮え立った。
「アルフィナが部族から突然姿を消したのは一年前。前触れも、書き置きもない唐突な失踪だった」
気づけば、彼女は会って間もない男に対して自らの事情について語っていた。
そんな義理はない。分かってはいても、彼女の口は止まらなかった。
「報酬の少ない我々にとって、パズラーは命綱だ。だが、パズラーの欠けた我が部族は、結局立ち行かなくなり解散した……」
喋るたび、彼女の脳裏に当時の記憶が蘇る。
解散を告げる族長の声。すすり泣く大人達。一番若いのが彼女であったのが、幸いと言えばそうだった。
「私は族長の口添えでこの学園へと入学することになった。そして皮肉にもこの場所で、あの娘と再会したのだ」
クリナハの話を聞く男の眉が、怪訝そうに顰められる。
確かに出来すぎた偶然だ。しかし、あの娘の技能を活かすなら迷宮しかない。そして、迷宮に関しては自分たちは素人同然だ。
地上探索者の再修行場所としてここは、うってつけであった。
いや、あるいはこれは、神が自らに与えたもう一つの贈り物かもしれない。
神は自分に、あの娘を断罪せよと言っているのだ。
「私はあの娘を許さない! 部族を裏切った罪を償わせてやる!」
自らの考えに力を得たクリナハは、男へ殺気をぶつけた。これ以上邪魔をするのならばこの男も同罪である。
殺すつもりはなかったが、もう加減などするものか。
「君の事情は、分かった」
しかし、彼女にそんな怒気をぶつけられても男は動揺しない。
いや、それは先ほどまでの気弱な調子が消えた、驚くほど静かな声だった。
男が、曲がり角の影から体を晒す。
そうして彼は、足を軽く開いて彼女に立ちはだかった。
「やっぱり、今の状態で彼女に会わせるわけにはいかない」
「お前にそんなことを決められる謂われはない!」
ようやく姿を現した男に対し、クリナハは飛びかかった。
油断はしない。だが、ケリは即座につける。
考えながら、クリナハは男へとナイフを振るう。
しかし、男はそれを半身になるとスルリとかわした。
渾身の一撃が避けられた事に動揺を抑えながら次々のナイフを振るうが、やはり全て見切られてしまう。
しかも先ほどとは違い、男の動きは俊敏でナイフはまったく当たる気がしない。
いや、違う。男が早いのではない。自分の体が、妙に重い。
何故。クリナハが自問したと同時に、耳鳴りと目眩が体に襲いかかり、クリナハは膝をついた。
「な、ぁ……?」
体が言うことを聞かなくなる。それはまるで、首の付け根から力が抜けていくような、不快感と心地よさを混ぜたような感覚である。
「君が話している間に、僕が持っている魔法をありったけかけさせてもらった」
自らの不調に混乱している彼女を見下ろしながら、男が言った。
「な、なんだと……?」
「と言っても、攻撃魔法はオイルだけだから。ほとんどは弱体魔法だけど」
それでは先ほどまで彼女に語らせていたのは、時間稼ぎのためだったのか。
彼女が身の上話をしている間、この男はほくそ笑んでいたのであろう。
卑怯な。口から出かけた言葉を飲み込めるだけの力は、まだ彼女にも残っていた。
そんな言葉は、この手の輩には誉め言葉でしかないはずだ。
「身体能力低下、感覚鈍化、柔軟性阻害、魅了……」
一歩一歩踏みしめながら、男はまるでより深く呪いをかけるかのように、クリナハにかかっている魔法を挙げていく。
「魅了……催淫魔法だと……!?」
その中でも外道の極みのような名前が出、クリナハは耐えきれず声を上げてしまった。
そう言えば頬が熱く火照り、何やら底知れない甘い痺れが体を包んでいる。
「いや、そんな劇的な効果はないから……」
男は苦笑のような表情で呟くが、信じられる訳もない。
魅了などという魔法の使い道は、淫らなことに決まっているからだ。
「そんなものをかけられて、気づかないはずが……」
だが、ここまで不調になるほど魔法をかけられたのなら、動けなくなる前に体が知らせるはずだ。
しかし、この異変は先ほど彼女へと一気に襲いかかってきた。
これは、どういうことだ。
何とか体を動かそうとしながらクリナハが呟くと、男は「僕の魔法がそこまで強くないからもあるんだけど」と前置きしてから言葉を続けた。
「僕が三回目に使った煙幕玉。あの中の一つ、煙幕玉じゃない物が入っていた」
その言葉を聞いて、クリナハははっと思い出した。
確か自分は、この男の罠を警戒し、あの煙の中で呼吸を整えたはずだ。
ならばあれが……。
「なんだと。毒なら、なおさら……」
あれが毒だったのか。納得しかけたクリナハだったが、それならばもっと辻褄が合わない。
部族での生活の中で、クリナハは毒についての教えも受けていた。
魔物の中にはそういった物を使う輩もいる。
体の状態については、常に警戒をしていたはずだ。
「毒じゃない。どっちかって言えば薬だよ。一時的に毒や疲れによる不調を麻痺させて、その間に患者を運ぶ応急薬だ」
しかし、そんな彼女をあざ笑う。というよりは自嘲めいた表情で、男は笑う。
「ただし煙状にしたら効果は薄い。そっちの効果が切れて、今は弱体化だけが表れているって感じかな」
その笑みが、今は逆に不気味である。男に対して感じている恐怖を魔法のせいだと振り払いながら、気力を振り絞ってクリナハは男を睨み続ける。
「詠唱破棄も連続して使うことになったから、魔力に関しては袖口からポーションを接種して、魔力を回復させてもらった。回復の効率は悪いけどね」
言って、男は自らの制服袖を掲げてみせた。
そこには緑色の染みが広がっており、まるでマナーの悪い子供のようになっている。
そんな間抜けで卑怯な男の姿だが、今、膝をついているのは自分の方だ。
この男は、明らかに人間と戦い慣れている。
「お前、何者だ」
クリナハは、もう一度男に尋ねた。
彼女を見下ろす男の笑顔は、まるで魔王のようにも見える。
「ヒラク=ロッテンブリング。ええと、さっき自己紹介しなかったっけ?」
言いながら、男が鞭を手に巻き取っていく。
その仕草に、クリナハは胃の奥がせり上がるほどの重圧を感じた。
「僕が本気で戦うってなると、どうしてもこういう卑怯な手段になっちゃうんだよね。だからリスィには見せたくないんだ」
クリナハがそんなプレッシャーに耐えている間に、男は彼女に聞かせているのか愚痴なのか分からない調子で呟く。
更に男は、未だに動けないクリナハの背後に回ると、彼女の体にロープを巻き付け始めた。
「な、何をするつもりだ! 慰みものにされるぐらいなら……」
「いや、縛るだけだから。……本当に、僕の魅了って、ちょっと動悸を激しくするぐらいしか効果がないんだけど」
困った人間を相手にするような口調そう返しながら、男はロープを二重三重に結ぶと、彼女の手を体の後ろに回して縛り上げていく。
その手並みはやけに手慣れており、クリナハの動悸は高まっていった。
「……君はアルフィナに対して、部族を出て行ったこと以外に恨みはなかった。そうだね?」
そんな中、念を押すように、男はクリナハへと問いかける。
「あ、あぁ……」
後ろ髪にかかる息の感触に落ち着かない気分になりながら、クリナハはそう答えた。
そして、素直に答えてしまった自分に歯噛みする。
「じゃぁアルフィナのこと、元々はどう思ってたの?」
「……寡黙だが、きちんと仕事はする奴だと、信頼していた」
改めて聞かれ、クリナハは半ばやけになってそう答えた。
しかし返答自体は彼女の本音だ。
すると、何やら背後の男が押し黙った。
「な、どうした?」
不安が許容量を超え、クリナハはめいっぱい首を巡らせて背後を見る。
すると男は頭痛でもするかのようにこめかみを指で抑えて沈痛な面もちをしていた。
「……えええと、その話、普段からアルフィナにしてた?」
そうして、奴は軽く頭を振るとクリナハに問いかけてくる。
「そんな話、本人に出来るか」
問われ、クリナハはぷいと前をむき直した。
そんなことは、言われずとも察することだ。
そもそも、両親を亡くした自分が彼女を励ましても、それは彼女を傷つけるだけでは無かろうか。
だが、そんな彼女の様子に、男は呆れたようにため息をついた。
「……そんな風に思っていても、言われなきゃ分からないよ」
そうして、幼児にでも言い含めるように、ゆっくりと息を吐きながら、そう囁いた。
「お、お前に何が分かる」
まるで自分にされた仕打ちを嘆いているような男の口調。
クリナハは慌てて言い返したが、そう言われるとなんだか自分が今までちょっとした勘違いでとんでもないことをしてきたような気分になってくる。
「……彼女は過去の出来事が原因で、それを自分のせいだと思いこんで、恨まれてると思いこんで、口を閉ざして、自分の仕事が評価余計な事をしないようにって決め込んで生きてきたわけだよ? しかも十年単位で。未だにだよ?」
そんな彼女に対し、男はその通りですと言わんばかり、懇切丁寧に今までのアルフィナの状態について語り続ける。
それは責めるというよりも、信じられない出来事を吐き出して整理しようとしているかのようだった。
その言葉が、男が唱えていたという数々の呪文のようにクリナハの体を重くする。
この男は何も知らないのだ。そう体に言い聞かせようとするのだが、あの催淫魔法が良くなかったのか、先ほどまでの憎悪がみるみる萎れていてしまう。
「……君は話すべきだ。彼女を大切に思っている気持ちも。彼女がいなくなって、悲しいと思った気持ちも」
そんな彼女に対し、男はまるで雨が大地に染み込むような声音で、しっとりと言い聞かせる。
「それで、彼女にも何で急に部族を出て行ったか話してもらおう」
「そんなことで、解決するはずが……!」
背後で立ち上がる気配がし、クリナハは振り返りながら言い返した。
胸の内を晒したぐらいで事が収まるなら、争いごとなど無くなるはずだ。
「しないかもしれないけど、やれるだけはやってみようよ。ね?」
しかし、振り返った彼女に対し、男は困り顔で笑いかける。
その表情は何やらくたびれており、十代の少年とは思えない。
だが渋みがあるかと言えばそうではなく、どう見ても軟弱である。
そして何かを悟りきったような高潔さもなく、どこか諦めきれないような未練がましさを感じさせる。
――そんな男の笑顔を見て、クリナハの胸が、トクン、と鳴った。
文脈が繋がっていない。自分で自分の体につっこみを入れるが、しかし確かに心臓が高鳴った。
度重なる緊張と動揺と混乱。
男――ヒラクへの評価の乱下降。
そして彼にかけられた数々の魔法により、クリナハの精神は既に彼女の制御を離れ、未知の領域へと翼を広げつつあった。
「あ、あの、大丈夫?」
――茫然自失といった様子を見せるクリナハに、ヒラクはおそるおそる声をかけた。
さすがに言い過ぎたかと思ったが、どうにも彼女の様子はそれだけが原因では無いようにも見える。
ヒラクがほとほと困って思案に暮れていると――。
「ヒラク様!」
そんな声とともに、何か懐かしい気さえする声が、廊下に響いた。
そして、小さな妖精、リスィがこちらへと飛んでくる。
ヒラクがそちらへと体を向けると、更にその後ろからは何やら気まずそうに俯いたアルフィナが歩いてくる。
そして、彼女の隣には、胸板の厚い初老の男性が付き添っていた。
「どなた?」
突進してきたリスィを受け止めたヒラクが問いかけると、彼女は言い辛そうに口をもにょもにょと動かす。
そんな彼らを余所に、正気に返ったらしいクリナハが、驚きの表情とともに大きな声を上げた。
「校長!」
呼びかけられた男性は、非常に軽薄に「やは」と手を挙げた。
催淫魔法
魅了魔法のカテゴリの中に存在はする。
もちろん魔物には効果がないので、探索者が取るギフトではない。
だが、魅了魔法は動物の調教、繁殖に使用されるので、所持者は社会的に需要がないわけではない。
ただし商品の不正な取引等の犯罪にも使用されるので、大抵は持っているだけで白眼視される。
もう一つの贈り物
神から与えられる力に対し、下手にギフトなどと名付けてしまったせいで、「君は僕にとってもう一つの贈り物だよ」などという恥ずかしいセリフは季節を問わず恋人達の中で恥ずかしげもなく幾多もかわされている。
ただしこれらの言い回しは大分古典的にもなっており、宴会の席や新人歓迎会などでこれを言うと激しく白けられる。
つまり事情を知っていると、とても素面では言えないセリフ。