あったくナンバー1
私は、このママさんバレーチーム「いどばたストライカーズ」のエースアタッカー!
その名は 慎宮司 淑子と申します!
今日は、「かめやまマーメイズ」との決戦の日。
緊迫の一戦は現在互いに2セットを取って、遂に決勝ラウンドまでもつれこんだ!
その決勝ラウンドも点数は、13-14。ここで一点獲られれば私達の敗北が決まる。所謂正念場だ。
「よしこさん!」
メンバーで、やや小柄な小宮山さんが語りかける。
わかってる、そろそろ例のヤツを見せる時がやってきたのだ。
試合で、3回しか使えない私の究極の必殺アタック「A・オブ・デストラクション」だ。
物凄い威力で3回以上使えば、私の体は負荷に耐えきれず、最悪死に至るだろうだろう。
相手のサーブが綺麗な軌道を描く。
ボールは小宮山さんに弾かれて、田中さんに飛び、田中さんはそれを私にトスした。
時は来たり。
私は叫ぶ。必殺の球の名を!
「あったくおべべびすとぷ!? ぷぷ?」
緊張のあまりに、私は舌を噛んでしまった。
ボールも手をスカッと擦りぬけて地に落ちる。
13-15。
私達は敗北した。