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第2話 ここで再会するのか

俺は高校卒業後、地元から離れ都会の大学に進学した。はじめは大学について右も左も分からない状態だったし、勉強をついていくのも必死だった。ところが大学2年になると気持ちの余裕が出てきた。履修登録で興味本位の取る講義ほど難しいと感じた今日この頃。


 講義という90分の長い時間が終わり、辺りはガヤガヤしていた。講義でメモっていたPCを閉じて帰る準備をしていた。

「なぁ~嶺川、今日バイト?」

 中学から一緒だった夏野渉も同じ大学に入学した。

「いや?今日はないよ」

「あのさ、飲みに行かない?」

 そういえば夏野と同じ大学に入ってから、遊んでなかったなぁ。お互い20歳にもなったし、お酒飲んでもいいだろう。

「いいよ~、てか渉と初めて遊ぶわ」

 俺は、笑みを浮かべながらいった

「大学入ってからお前、忙しそうだったもんなぁ」

 夏野は、走馬灯のように記憶を蘇らせた。

「そりゃ、1人暮らし始めたし、バイトもはじめたし、サークルも入ったしで、気づいたら忙しくなってるよ。そっちこそ忙しそうじゃん?」

 バイトやりながら勉強しつつ、サークルも入って一人暮らししてる僕はある意味、人間の許容範囲を超えていた。周りから『忙しそうだね~』と言われるが、実際慣れたらそんなことはない。

「嶺川と比べたら暇だよ、ただバドミントンサークルには入ってて、よく誘われるんだ」

 夏野は、満面の笑みで言ってきた。楽しそうでなによりだ。

 そういえば、渉は中学のときバドミントンをひたむきに努力してたんだよな。運動神経は抜群だったけど中々努力が実らなかったせいなのか、最初は先輩や同級生にも負け続けてた。帰り際に夏野に会って、一緒に帰ってると悔し泣きをし始めた。一生懸命励まして、「辞めたい...」とか「僕には無理だよ...」と言ってた友人から地区予選準優勝、県大会優勝、全国大会優勝した。あの時の悔し涙を糧に成長したのが嬉しかったんだ。

「んで、話を戻すけど飲みに行くならどこがいい?」

「それなら俺が全部設定するから任せておくれ」

 スマホを出し予約アプリを開こうとしたが、渉がやってくれるみたいだ。

渉は、スマホを横ポケットから出して通知を見ていた。

「あいかわず仕事出来だな、友人でよかったよ」

「えっなにそれ?デレた?」

「なわけないだろ!」

「ごめんて」

「じゃあ、時間とか場所分かったらWINEで教えてね」

「おっけ~、わかったよん」

「頼むわ~」

 夏野と別れた後、部室にいった。

 

「さーて、ちゃちゃっと仕事しちゃいますかね~」

 独り言を言いながら、ノートパソコンを開いた。

 大学入学後、学生広報に入った。広報冊子の作成や冊子の添削、表紙のデザイン案などをやる。ほんとのところ、冊子の添削は3年生がやるらしいんだが、なぜか俺に抜擢された。

(ここは、こんな感じにすると見やすくなりますよと....)

「ん~キャッチコピーとかタイトルは、短くしたほう読み手としては興味がそそられるんだけどなぁ、どうするべきか」

 このようなことを3時間続いた。

 ブゥン…ブゥン…、嶺川のスマホがなった。電話?広報の夜見中よみなかさんじゃん。

 広報の夜見中さんは、大学の広報課の人で入学後すぐに学生広報をやってみないかと誘われた人だ。綺麗な女性で学生広報の責任者である。しかも20代で若い職員だった。若い人が責任者をやるって相当重たいんじゃない?

『もしもしお疲れです、嶺川です』

 恐る恐る電話に出た。

『もしもし嶺川君?相談したいことがあって、電話したんだけど』

『はい、なんでしょう?』

 学生広報でなんか問題あったのか?いや会議出てるけど、そんなミスは見当たらなかったぞ....

『広報冊子の4ページなんだけど…』

 大学の広報冊子でした。てか学生の俺にこんなことやらせるかね。

『はい、そこは…』

夜見中さんから相談された場所をPCで見ながら、見やすさ重視やデザインのバランスを考えながら説明する。バランスはなんだ...その...感だよ...

『ありがとう~!、本当に助かるわぁ!』

 心の底から安心するような声で夜見中さんは言った。きっと煮詰まってたんだろうなぁ...

『いえいえとんでもないです』

『またなんかあった連絡するね』

『了解いたしました』

 夜見中さんの電話を切り、渉からのWINEが届いていた。

「えと?駅前のセカイノ唄、20時,,,,集合場所は八重口駅東口ねか」

『りょーかい』っと....

 時刻は17時を回っていた。渉との飲み楽しみだなぁ。いったん自宅帰るか。

 大学から1人暮らしの家の最寄り駅までは快速電車で10分。家から八重口までは快速電車で20分ってところか。都会って本当便利だよな。

 帰宅後、家の諸々の準備をやってから八重口に向かう。


 19時40分、八重口駅東口に到着。予定20分早く着いたが、早い分には問題ない。

「蒼空くん?」

 懐かしい声で呼ばれたが気がして、声がした方向を見ると榊枝先輩だった。

「美桜先輩?」

 榊枝美桜…俺の1個上で容姿端麗で学校からマドンナって呼ばれた人であり、俺の7年前の初恋相手。そんな榊枝先輩は相も変らぬとても綺麗な人だった。

美桜先輩は、ポニーテールで白いパーカーにジーンズ、スニーカー履いていた。

「やっぱり蒼空くんだ」

 美桜は、目を丸くし、嶺川と会った嬉しさで思いっきり抱きついた。

「えっ!ちょっと?榊枝先輩?」

 突然、抱き着かれたから困惑する。しかも香水つけてるからフローラルないい匂いする。

「私のこと覚えてる?」

 忘れるわけねぇよ、中学時代の初恋相手だった人を、高嶺の花だと思ってたんだ。

「覚えてますよ、忘れるわけないじゃないですか」

「よかった、忘れてなくて、忘れてたらどうしようかなと思ったんだよ~」

 美桜は、手に胸を当て撫でおろした。

「美桜先輩はどうしてここに?」

そう言えば美桜先輩がなぜ、ここにいるんだろう?渉とサシ飲みだったはず。

「あれ?夏野君から聞いてなかったけ?20時から飲み」

 美桜はきょとんとした顔で言った。

「聞いてましたけど、あいつ俺とサシみたいな感じだったはずです」

「情報が不足してたね、今日は私と、夏野君、蒼空君と私の友達であり、夏野君の彼女の木阪真野きさか まのの4人だよ」

 おいまて、聞いてないよそこまで、急に人数増えるやん。

 え?あいつ、いつのまに彼女居たの?マジで?

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