第5話:そういえばまだパーティー組んで無かったね?
ひとまず城下町からの脱出も成功。
まぁ、買い物しつつ兵士たちから逃げれた辺り、無能な兵士達だったのかしらね??(辛辣)
で、今はナビが示す方へ歩いているわけだけど。
「そういえば、わたし達まだパーティー登録してなかったわね?」
「おぉっ!ゲームでよくあるやつですな!
この世界はそうゆうものなのですかな?」
「そうね。だから皆と勇者パーティーを結成するわよ!」
やり方は簡単!ステータスウィンドウからパーティー登録をするだけ!!
ねっ?簡単でしょう。
「リーダーは勿論柏木先生ですよね?」
「え、彩人くんでも良いのよ?軍師だし。」
「軍師だからこそ、ですよ。
そうでなくとも僕にはNo.2が分相応でお似合いです。」
「あー…言われてみれば日本でもクラス委員長は神野君に譲っていたものね?貴方。」
「ええ、僕は別に、クラスカースト内で自分自身がNo.1である必要性を感じませんから。」
「んっ…!でもサクラにとっては彩人がNo.1でオンリーワン。」
「ありがとうございます、サクラにとっての1番であるなら、僕はそれで十分です。」
「んふ〜♪ならサクラを褒めるといいよ、彩人。」
「はい、ありがとうございます、サクラ。」
「んふふ〜♪彩人すきー♡」
「…ごちそうさまにゃ。ゆーくん、頭撫でて?」
「事ある毎に要求するのそれ!?
まぁ、無事に脱出できた今は良いけどさ。」
そう言って苦笑いしながらもゆーくんが優しく頭を撫でてくれる……ふにゃぁぁ〜ん♡
「うにゃうにゃ……わたし満足にゃ♪」
「バカップルですの?呆れますわよね香蓮。」
「……そうか?」
「香蓮もナチュラルにアタシの頭に手をやらないでくれる!?バカが移りましたの!?」
「瑠花が嫌なら止めるが。」
「…香蓮になら別にいいですけど。」
「おんやぁ…?この空間。
独り身の小生にはキツイですぞぅ!?」
「あ、なら榊原くんもわたしの頭撫でる?」
「え。良いのですかメイコ先生。」
あれ?なんでそこでゆーくんをチラ見するのかしら…?
別にゆーくんとは……ええ、ただの教師と生徒よね?
…………いまはまだ。
「いいわよ?貴方も大切な生徒だもの、貴方にとっての大切な人が出来るまでなら教師として体を張りましょう!」
「…何か違う気もしますが…では少しだけ。
ほほぅ…?これはこれは……中々の毛並みですな……ふむぅ…。」
「毛並みを褒めてくれてどうも～♪……はい、おしまい♪」
「うむ、ありがとうございました!メイコ先生!」
「…………芽衣先生?」
「うにゃ?」
なぁんて、寂しそうな榊原くんに頭を撫でさせてあげてたら、ゆーくんからなんだか黒いオーラが…?
「教え子相手だとしても誰にでも頭撫でさせるの禁止。」
「にゃにゃっ!?わたしは教師で猫人族なのに!?」
「教師は止めたって言ってなかった?」
「やっぱり止めるのを止めたわ!」
「そう、でも芽衣先生の頭を撫でるのは僕だけだよ?」
「えーっ!?じゃあじゃあ!香蓮さんや瑠花ちゃん、サクラちゃん相手なら!?」
「……………女の子相手ならギリギリOK。」
「佐藤氏が嫉妬心丸出しで草。」
「うるさいなぁ榊原君……
「いやしかし佐藤氏。メイコ先生は皆の先生ですぞ?
ねぇ、メイコ先生。」
「そうよ、先生は皆の先生だにゃっ♪いいこと言うね榊原くんっ!」
「メイコ先生の方は口調が安定しなくて大草原。」
んぅ…?でもゆーくんは納得してなさそう………
「なによぅ…わたしの名前を呼ぶ気概はないくせに…………
「は?あぁうん、分かった。なら呼べば止めるんだね?“芽衣”。」
「はにゃっ!?」
「んっ?どうしたのかな?芽衣。」
「ふにゃぁぁん!♡
えっ!?そんなアッサリ行けたの!?」
「………うん、僕の羞恥心より、芽衣が他の人に…特に他の男にデレるのが嫌だからね。」
「にゃにゃっ!?ゆーくんがついにデレた〜!♡
ゆーくんゆーくん!!ならもっとわたしの頭撫で撫でして〜!!」
「はいはい。」
「にゃぁぁぁぁんっ♡」
やったー!ゆーくんがわたしの頭なでなでしてくれてるぅ〜♡
きもちぃぃ〜♪
「草ァァァァッ!!小生、もしかしなくともカップル爆誕のお手伝いしてしまいましたかな!?
………草ァ…。
しかし、正体はメイコ先生だとは分かっていますが、見た目がアイスたん故にフクザツですな。
BSSみがありまする。」
「びーえすえす?とはなんだ、榊原。」
「既にアタシという恋人が居る香蓮は知らなくていい世界ですわ!」
「…そうか。まぁ、瑠花がそう言うなら、そこまで気にしていないから良いが。」
「ぬぅ…小生も彼女がほしいですなぁ…。」
「あれ?でも榊原君は隣のクラスに仲のいい幼馴染みがいなかったかしら?
確か名前はー
「はっwはっwはっw何を言うか音無氏w
……あやつは既に彼氏持ちですぞ。
あのラブコメ主人公め…出会って半年で厨二病で恋愛朴念仁だったあやつを落とすとは…。」
「え、なんかごめん。」
「いや……お気になさるな……小生、元々あやつからは男として見られてなかったでしょうしな。」
え、榊原くん、意外にもラブコメに巻き込まれてる質の人だったの??
一体何があったのかしらね……
「ん～……榊原くん。」
「む?なんですかなメイコ先生。」
「コレはわたしの直感だけど……貴方、この世界でなら彼女が出来るわよ?
そう……例えば狐っ娘…とか。」
「えらい具体的なですな?
まぁ、期待せずに頭の片隅にでも置いておきますぞ!!
慰め、ありがとうございます、先生……。」
まぁ。本当に直感…だからね。
なんだろうなぁ…猫人族としての本能が告げてるんだけど…執着心が強そうな狐っ娘の気配がするのよね?
……ラブコメに巻き込まれてる質の榊原くんだし、もしや、日本でお狐様に対してフラグを立ててないかしら??
「あ。それよりパーティーだよ!皆!!」
「もう終わってますよ、柏木先生。」
「ああ、先生達が馬鹿やっている間にな。
後は先生と佐藤だけだぞ。」
「……にゃう。」
締まらないなぁ～……アハハハハ………
と、苦笑するしかないよね、もう。
