第4話:城下町RTA
という訳で!!
なんかあっさりと柏木芽衣としてのままでわたしは皆と合流し、城下町へと勇者ダッシュ(繰り返すがただの全力疾走)してやってきました!!城下町!!
なお、ノンビリと観光している暇なんて多分無いから通り抜けながら急いで見て回るよ!!
「じゃあ、組み合わせだけどー
「僕はサクラと組ませてもらいます。」
「んっ。サクラも彩人が良い。」
「早いわね?大原くん、葉山さん。」
「なら私は勿論瑠花だな。」
「アタシだって組むなら香蓮が良いわ!」
「一ノ瀬さんと音無さんも判断が早い。なら残ったわたし達3人でチームね?」
「小生、空気が読めるゆえ単独行動しますな?」
「なんで!?危ないわよ!?」
「いや……なんで、ではなかろうにメイコ先生。佐藤氏の手をガッシリ掴んでいらっしゃるじゃないですかやだー。」
「……うん。無意識かもしれないけど、さっきから僕の手をしっかり掴んでるよ、柏木先生。」
「………にゃぅ…。」
という訳で。
鑑定スキル持ちのわたしが優弥くんと武器屋へ。
普段から料理をするらしい一ノ瀬さんと音無さんが旅先での食料調達へ。
大原くんと葉山さんの知的コンビはアイテム調達へ。
榊原くんは遊撃。何かしら旅に役立ちそうな物を見繕ってくるとか?
一応、オタク趣味が高じてなのか、異世界旅の知識と言うかなんというか、が分かるらしいし。
あと、榊原くんは職業が忍者だから単独行動の方が都合がいいとか。
「では小生はこれにて御免!北門で落ち合いましょうぞ!」
「では先生、僕達も行きますね。」
「また後で。」
「めいちゃんまた後でね♪」
「私達もしっかり物資を調達してくるからな。」
「皆また後で!」
「気をつけてねー!」
こうして、皆バラバラに行動を開始した。
ちなみに、なんだかんだで全員に魔力アンカーを打ち込んであるからわたしと念話出来たりするのよねこれが。
なお、職業が【ハイウィザード】である音無さんも当然の様にこの念話魔力アンカーを使えたわ……
「さて、優弥くん?わたし達も行きましょ♡」
「先生、また猫なで声になってるよ?」
「うにゃぁぁっ!?」
「かわい……んんっ!頭撫でたい。」
「はにゃ…?ふにゃぁぁん……♡」
「はっ!?僕は何を!!」
~佐藤優弥のレベルが上がった!~
「なんで!?」
「…優弥くん…?もっとなでなでしてほしいのにゃ……
「うっ…ぐぅ…!ま、また、後でね?先生。」
「ふにぃ……優弥くんは仕方ないご主人だにゃあ……それに〜、優弥くんには芽衣って、名前で呼んで欲しいかにゃぁ〜?」
(なんか、先生が一気に猫人族化してない??
元の世界に戻った時に問題無いのかなぁ…??)
……あれ?なんだかわたしの口調、おかしくなってきた気がするにゃ?
……きっと気のせいね。
「さて、気を取り直して行きましょ!ゆーくん!!」
「…………あー、うん。」
(呼び方ぁ………!あぁもうっ!!ただでさえ、最初から、芽衣だった時から気になってたのに!!
“ミーコ”になってからの柏木先生が可愛すぎてもう無理!しんどいっ!!!あぁもう!!!なんなのこの可愛い生き物!!!!)
「ふんふふーん♪にゃんにゃーん♪」
うん、ゆーくんと手を繋いでると心がポカポカして楽しくなってくるわね!
〔……苦行かな??はぁ……でも、今告白してもマタタビ的スキルのせいで成功率100%っぽいのがなぁ……〕
「うにゃ?ゆーくんはなにをブツブツと言っているのかしら??」
「…なんでもないよ、先生。」
さて。
とにかく目的の武具屋にはナビのおかげで直ぐに到着!!
皆に合わせた既製品防具を買っていくよ!!
ちなみに資金は城からくすねたモノでーす。
ええ、支度金代わりに頂きましたよ?
勝手にわたし達を使おうとしたんだから当然だよにゃあ??(ケットシー脳)
ちなみに。皆の職業や身体は鑑定スキルで把握済み。
だから本人が居なくとも問題ナッシング♪
「ゆーくんゆーくん!」
「何かな柏木先生。」
「芽衣って呼んで?」
「……………何かな、芽衣先生。」
「むぅ…今はそれで許すよ。
それよりゆーくん!
とりあえずゆーくんにはこれなんてどう??」
「……鉄製の軽鎧?」
「ゆーくんは盾使いだからね、だけど最初だから軽めの防具で様子見かな。」
「なるほど。」
「さて、侍の香蓮さんにはこれ(鎖帷子)、ハイウィザードの瑠花ちゃんにはこれ(マジックローブ)かしらね。」
「軍師の大原君にはこれ(軍服)なんか良さそうじゃないかな、芽衣先生。」
「うーん…それもいいけど、機能的にはこっち(騎士服)も捨て難いわね…。
あっ、サクラちゃんはビショップだし、わたしと同じシスター服が良さそう………って、なんで武具屋にあるのよ??」
「職人さんすごいね。」
「そうねー……あっ、忍者にピッタリな黒装束まであるわ!」
「榊原君が喜びそう。」
「よし、こんなところかしら?」
「後はとりあえず予備品として武器を何個か買っておこうよ芽衣先生。」
「そうね!
えっと……刀と杖と剣や短剣……………
…………………………………………………………
……………………………………………
……………………………
そんなこんなで買い物をサクッと済ませて北門へ………
皆、何事も無く合流できたわ!
中でも意外な大活躍をしたのは榊原くんだったわね!
「フハハハハ!
蚤市で魔物避けの結界やマジックスクロールやマジックバッグやらを格安で入手してきましたぞ!!
品質はちゃんと小生が鑑定しながら購入しましたので安心してくだされ!!」
「………確かに品質は間違いないわね?
凄いじゃない榊原くん!」
「ありがとうございますメイコ先生!!」
榊原くんも鑑定Aのスキルを持ってるのよね……もしやわたしは、皆と被っているスキルが結構ある辺り、送還術を除けば器用貧乏なのかしら…?
隠密スキルだって榊原くんはEXランクで所持しているし。
はぁ、やめやめ!
皆は大切な生徒達で仲間なんだから!
それにぃ……
「先生…?」
わたしはゆーくんが居てくれたらそれでいいにゃ♡(ケットシー脳)
「ゆーくんゆーくん!頭撫でて?」
「…………後で、ね?」
「にゃ~…つれないなぁ〜?」
「……なあ、瑠花。柏木先生のケットシー化が半端ない気がするんだが?」
「ほぼ猫ですわね、今のめいちゃん。」
「んっ……彩人。サクラも頭撫でて欲しい。」
「そうゆうことは後でやりましょうねサクラ。」
「……んっ。」
「はぁ……わかりました、今はこれで勘弁してください…。」
そう言った彩人くんは、先へ行きながら通りすがりにサクラちゃんの頭をぽんぽんと撫でて行った……
「んふー♪サクラ、満足。」
そうされたサクラちゃんは嬉しそうに彩人くんの後を追いかけてく……
って!
「にゃっ!?サクラちゃんずるいのにゃ!!ゆーくんも!ゆーくんもわたしの頭をぽんぽんするのにゃ!!」
「………いいから行くよ?柏木先生。」
「にゃー!!芽衣って呼ぶのにゃ!!待つのにゃゆーくん!!」
もぉ〜!ゆーくんは意地悪だね!
頭をぽんぽんするくらい良いじゃないのよ!!
ゆーくん!まちなさぁぁぁい!!
「草ァァァ!!メイコ先生キャラ変わりすぎで草ァァァッ!!
いや、買い物してる間に何がありましたかな!?変わりすぎでは!?小生驚きましたぞ!?」
「……本当にな。まぁそれはそうと榊原も早く行こうか。置いてかれるぞ。」
「ですな一ノ瀬氏。
皆様お待ちくだされ〜!小生達を置いていかないでくれですぞ〜!」
よーし!ここからどこへ行こうかなぁ〜!!
皆となら、きっと楽しい旅になるよ!!