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第2話:送還術!…って…ねえ、これクラス召喚の意味無くない?

あれから、国王達がわたしの生徒達の職業をみて勝手に一喜一憂してる様を

す こ ぉ し !!

イラッ☆としながら眺めて、その日は解散となったのでしれーっと隠密スキルで宗教関係者達とはさよならバイバイ♪して城内を探索する事にした。


うんうん、ケットシーらしいよね〜!

え?ケットシーと言うより子供っぽい??

……うん、なんかこの身体になってから妙にテンションが高いのよね。

種族特性かしら??


ともかく、この時間がチャンスね!!

帰りたい人は帰しましょうね♪それが教師としてのわたしの役目っ!!


という訳で各部屋をこっそり回り始めるよ!









先ずは女子寮!

場所はもちろん把握済み、とりあえずこの部屋から!


〔お邪魔しまぁ〜す……〕


「ひっく…ぐす…おとうさん…おかあさん……ぐす……


〔あやや…やっぱり……〕



この子は気弱で大人しい子ね、こうゆう子って意外と物語で重要な役割を担ったりするものだけど………

ええ、コレは現実よ。物語じゃない。


だからこんな悪夢からは覚めようね、相川さん。



『こんばんわ、相川さん。』


「ふえ…?その声……もしかして芽衣ちゃん先生!?」



あ、ちなみにわたし、姿は違えど声はそのままなのよね〜。

だから声だけなら怪しまれないはず。

隠密スキルは使用したままだから姿は見えないはず……、こんな姿だけどバレないわよね?



『ええ、貴女の担任の柏木です。』


「せ、せんせぇ〜!先生もここに居たの!?

姿が見えないけど、大丈夫なの!?」


『あはは♪相変わらず優しいね、相川さん。

そんな貴女を助けに来たわよ!』


「助けに…?」


『実はね、わたしは送還術が使えるのよ、だから、この世界での戦いを望まない子は帰してあげようと思って声をかけて回っているの。』


「えっ!?帰れるの!?」


『ええ♪それで、どうする?

貴女が最初だけれど、命が大事だから帰りたいのなら迷わずにね?

もちろん、貴女が帰ったとしても誰にも文句は言わせないからね。

と言うか逆神隠しになるだけだし……』


「な、なら帰りたい!お家に返して!!」


『了解♪なら貴女はお家に帰しましょう♪

【送還術】ッ!』


「あっ………ありが…と………



わたしが送還術を発動すると、相川さんは眠るように倒れ込み、姿が消えていった………

うん、感覚で分かるけどちゃんと帰せたわね。良かった。ちゃんと使えて。

さて!!この調子でどんどん行きましょう!!




そうして、女子15名、男子17名の内、女子11名、男子10名を送還した……

意外に残ったわね。

なんなら全員送還もあるかと思っていたのだけれど。


残った女子4名は……女子のクラス委員長さんである葉山さん、同じく生真面目で義勇に駆られてやる気のある剣道部の一ノ瀬さんね、それと、一ノ瀬さんの幼馴染みである音無さん、それとわたしの声にびっくりしてあわあわしていた花山さんね。



残った7人の男子生徒は男子のクラス委員長であり国王に対しても堂々としていた神野こうの君を筆頭に熊田(くまだ)君、猪頭(いがしら)君、大原(おおはら)君等、日本でも一緒に行動していた人達には何かしらの話合いがあったのか、揃って警戒されて、無視されるか怒鳴られるかして退散、一部のオタク趣味な子、榊原(さかきばら)くんがゲーム感覚で残る事を決めたりしていた。


…その子には『アイスたんの声!?』とか言われたわ、学生時代にもオタク趣味な友達からそう言われて、『まさか〜』とノリと勢いでアイスちゃんのセリフを真似て録音した声と聴き比べてみた事があるけど、

確かにとある経営&恋愛シュミレーションゲームに登場するアイスちゃん(を演じている時の声優さん)の声にそっくりなのよね……


それと……優弥ゆうやくん、きみも帰らなかったんだ…?

なんでも、『僕はミーコさんにまた会いたいから』なんだって。

もしかしてわたしのせい…?

なんか、ごめんね…??

だけど、それなら、わたしは君の味方でいるからね、何時でも頼ってよ優弥くん………


うーん……なんだろう?教師として、1人を特別扱いするのは良くないとは思うんだけど、元の世界では基本的に一人でいる優弥くんを気にはかけても特別扱いした事は無いはずだけど……


何故かこの世界では彼がものすごぉく気になるわね。

特別気にかけたくなっちゃう……もしかして、優弥くんってそうゆうスキルを持ってる??

……持ってそうね、猫人族ケットシーに対して効果があるマタタビ的なスキルとか。


ともかく、こうして異世界に召喚された1日目は過ぎていった………







事件が起こったのは、なんと翌日…2日目だった。

早くない??


あ、ちなみにわたしは例のごとく隠密中だから皆から姿は見えていないよー



「違う!!僕はやってない!!」


「アァッ!?テメェ以外に誰がんだよ!?」


「なんの騒ぎだい?」


「あっ…委員長…


「神野ッ!コイツが俺の彼女をどっかに隠したんだッ!!」


「……ふぅん…?それは穏やかじゃないね?」


「だからっ!なんでそんな話になるんだよっ!?」


「ウルセェッ!テメェだけなんだよ!!男子全員でこれからの事を話してた時にその場に居なかったのは!!」


「うっ…でもそれは、僕にだけ声がかけられなかったから知らなかっただけで……



どうやら、優弥くんが柔道部員君……熊田くまだ君からあらぬ疑いをかけられているようね??

と言うか熊田君が言う彼女ってのは花山はなやまさんの事かな??

今朝になってその花山さんと男子生徒1名をやっぱり怖くなってきたって呼び出しがあったから送還しちゃったんだけど……マズかったかなぁ………


と、委員長の神野君もそれは知らないからか、疑いの目を優弥くんに向ける。

あちゃぁ………助けがいるかな……??



「おや?おかしいね、僕は解散して直ぐに皆に声を掛けたはずだよ??」


「えっ…?」



えっ…?何言ってるの??

神野君は声掛けなんてしないで仲の良い友人達と一緒に男子寮へ案内されて戻っていったよね?

そもそも、男子生徒の集まりなんて話し、送還して回った時にも聞かなかったし、わたしも知らなかったんだけど??



「それに、今朝になってみたら妙にクラスメイトが少ないね。

……もしや、これも君が原因なのかな??」


「違うよっ!それは柏木先生が僕達を心配して送還術で元の世界に帰してくれたからー


「アァッ!?テメェあんな怪しい声が本当に柏木先生だとでも思ってんのか!?

いや、分かったぜ!!お前があの怪しい声を連れてきたんだな!?そうに決まってる!!」


「ぐっ!?」



ああっ!酷いっ!!

一方的な決めつけだけで投げ飛ばすなんて熊田君は頭まで筋肉で出来てるの!?

と言うか有段者が一般人に襲いかかっちゃダメって部活で習わなかった!?

あれ?でも優弥くんはケロりとしてる…?

あ、そっか!

元々高い防御ステータスを持ってるからかな??



「なんで無傷なんだよクソがっ!!」


「知らないよ!」


「…ハァ…埒が明かないね。

佐藤、君は協調性が無い上に早速問題を起こして何がしたいんだい??」


「僕は何もしてないっ!それに、集まりの事は君達が僕をのけー


「ウルセェぞクズがっ!!

この誘拐犯めッ!!美樹を返しやがれッ!!」


「だから!花山さんはきっと柏木先生が日本にー


「はぁーッ!?テメェ王様の話を聞いてたか!?

日本に帰る方法は魔王しか知らないって言ってただろうが!!」


「それは王様の嘘か勘違いだったんだよ!!

現に、ここに居ない皆は柏木せんー


有罪ギルティ。不敬罪だよ、佐藤。」


「ーせい…が……えっ?」


「ここは異世界で国王陛下が治める国だ。

その国家元首に向かって嘘つき呼ばわりは感心しないな。」


「でも…!!」


「それに、本当に柏木先生が居るというのなら、なぜ姿を見せないのかな?」


「っ…!それ……は………



あー……もしかして…裏目に出ちゃった…?

どうしよ……今姿を見せてもアバター(ミーコ)の姿だから説得力は皆無……

でも声かけくらいは…?

………悪化する、かも…でも黙って見ているだけじゃ優弥くんに申し訳ないしなぁ……うん、ダメで元々、声をかけよう…!



『ストップ!話は聞かせてもらったわよ!』


「柏木先生っ!」


「ハッ!また怪しい声かよ!!」


『そうは言ってもわたし、今は姿が見せれないのよ。

信じて欲しいって言うのは都合が良すぎるかもだけれど、それでもわたしは、貴方達の担任である柏木芽衣よ。』



意を決してそう声を上げた、けれど、喜んだのは優弥くんだけ。

熊田君も神野君も疑いの眼差しを優弥くんに向けたままだ。



「……ねぇ、柏木先生を名乗る不審な声。」


『だからわたしは柏木芽衣本人だってば!!』


「はいはい、それはそうと、いたずらにクラスメイト達に希望を与えて甘言かんげんで誘い神隠しにしたのはお前か?」


『神隠しじゃなくて送還術ね、それと、甘言じゃないしわたしは教師として事実を教えて出来ることをしただけだわ。

送還術で日本へ送り帰したのはわたしだけどね。』


「ハッ!語るに落ちたなこの誘拐犯がっ!!

テメェ!美樹をどこにやった!?」


『だから日本に帰したんだってば!!わたしは送還術を使える代わりに姿が見せられないのっ!

神様からそうゆう役割?を与えられたのかもしれないわ!』


「言葉だけならどうとでもなるぞ、自称柏木先生。」



うーん…やっぱり通じない、かぁ。

まぁ、なまじ他の子達より冷静だから懐疑心も警戒心も強いのよね……



『……話は平行線…ね。』


「そう思うなら姿を見せろ、自称柏木先生。」


『だからそれは無理なんだってば!!もぉ…分からないかなぁ…?』


「ははは、口調まで実によく擬態しているな、自称柏木先生。

だが、仮にお前が柏木先生本人だとしても、佐藤が国王陛下に不敬な発言をした事はここに居る兵士達が聞いている。

そんなに言うなら佐藤を日本に帰してやったらどうだ?」


「いや、それは困るんだよ、委員長。」


「何故だ?佐藤。」


「僕はまだ、ミーコさん…昨日のシスターさんに再会出来ていない…帰るのなら…挨拶くらいはしてから帰りたい。」


「ハァァ…?言い訳かぁ?にしてももっとマシな言い訳はねぇのかよ!!」


「愚かだな。昨日少し話しただけのシスターに会いたい?馬鹿も休み休み言え。」


「でも、ミーコさんは僕を待ってるはずなんだ…だから、帰るにしてもせめて声をかけるくらいはしたいんだよ。」


「ハッ!おめでたいヤツだな!?シスターが本当にお前みたいなハズレ職業のクズを待ってるとでも思ってんのか!?」


「その愚かさを後悔するんだな、佐藤。」


「………。」


『なに?佐藤君をどうするつもりなの?』


「当然、彼の不敬発言は国王陛下に報告が行っているはずだから拘束する。」


「テメェは死刑だな!クズ野郎!!」


「っ…!」


『そう……なら仕方ないわね。【送還術】。』


「は!?」

「なにっ!?」



送還術は

問 答 無 用 で

送還する術技だからね。

召喚された勇者である神野君も熊田君も対象に決まってるでしょ?


せっかくの貴重な体験ではあるから本人達の意思を尊重してたけど、こんな事になるなら先生は容赦しないよ!



『ふぅ……全く。

一方的な正義は悪と変わらないとはこの事ね。

全く聞く耳を持たない相手にはこっちだって聞く耳を持たないわよ………残念だけどね。』


「先生…?」


『あ、大丈夫だった?佐藤君。』


「うん…ごめんなさい。」


『いいのよ。だけどね佐藤君!?貴方も貴方よ!!

不容易な発言は自分の首を絞める事になるの、例えそれが真実でもね……』


「はい、先生。」


『ともかく……拘束されるのは避けれたけれど、不敬罪には変わらないかもしれないわ。

逃げましょ?』


「…先生。」


『なぁに?佐藤君。』


「先生はなんで僕を送還しなかったの?」


『シスターに会うんでしょう?

それに、神野君や熊田君は既に増長していたわ。』


「……うん、不敬罪はともかく、花山さんや皆の件については完全に言いがかりだったよ…。」


『ええ、それは分かってるわ。だからあの二人を送還したのよ。

このままだと自分達の気に入らない人をどんどん追い出したりしだしたでしょうしね。』


「先生は?」


『うん?』


「先生のそれは、委員長達とは違うの?」


『………同じかもね。佐藤君を助ける為、と大義名分を掲げてるだけで。

だけどわたしは、神野君と違ってこの世界で放り出すなんてしていない、元の世界に帰してあげただけ、は言い訳かしら?』


「言い訳だよ、先生。」


『くすくす♪辛辣ね。』


「さては気にしてないね先生。」


『さてね?』



実際、気にしてはいないわね。

繰り返すけれど、簡単に帰れる異世界召喚だなんてせっかくの貴重な体験だもの。

あくまでわたしとしては人生経験の1つになるなら良し、なスタンスで見守るつもりだったから、わたしがダメだと判断したら送還する事に躊躇いは無いし。

別に殺してる訳じゃなくて家に送り帰しているだけ……ただの教師判断による強制帰宅、って事だからね。


さて、これで女子3名男子4名ね。

一晩でこんなに減ったんだから王様もビックリだろうなぁ〜。






『送還術でクラスメイト全員を日本に帰して自身も帰還するべきでは?』と言うツッコミは無しでお願いします。

※実の所柏木先生も異世界召喚された事でテンション上がってる





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