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第12話:黒髪清楚なメスガキ顔の狐っ娘妹キャラ(性格は元気っ子)とかそんなのあり??

町ぶらデートを楽しんだわたしとゆーくんが宿に戻ってくると、既に彩人くんとサクラちゃんのペアが併設された酒場でのんびりしていた。

多分飲んでるのは水かジュースだよね…?

いくらこの世界では成人扱いでも。



「おや、おかえりなさい、柏木先生、佐藤君。」


「んっ。おかえり、先生、佐藤。」


「ただいまにゃ♪2人はもう帰ってたのね?」

「ただいま、大原君、葉山さん。」


「んっ。サクラが疲れたから。」


「僕もサクラも基本的にはインドア派ですからね。

ギルドでの冒険者登録を済ませた後は本屋で目的の本を購入して早々に切り上げてのんびり本を読んでました。」


「おー…ちなみにどんな本?」


「んっ。サクラのはこの世界の娯楽小説。」


「僕は戦術書ですね。こんな小さな町に売ってるのは意外でしたが。」



ちなみに本は例のごとくこの世界じゃ高級品。

王城でいただいたお金も有限だから無駄遣いはダメだぞ☆


とは言え、娯楽が少ないこの世界。

最初くらいは大目に見るよ。

多分、わたしやこの子達の実力ならすぐにお金稼げるだろうし。



なんて思っていたら…………



「せんせーい!!メイコ先生はいらっしゃいますかァァァッ!!」


「騒がしいよ透くんっ!!

ここは宿の酒場!公共施設!!まだわたし達しか居ないとは言えマナーやモラルは大切だよ!?」


「え、芽衣がそれ言うの…?」

「だまらっしゃいゆーくん!」


「うっ…!し、失礼しました…!

ですが先生!小生はそれどころじゃないのですぞっ!!」


「とりあえず、榊原君は落ち着いたらどうですか?」


「んっ。榊原うるさい。」


「ええぃ!とにかくこの子を見てくだされぃ!!」



そう言ってわたしの前に連れてきたのは……



「柏木先生…?えっ??このネコミミ巫女さんが柏木先生なの??巫女コスのアイスちゃんじゃなくて??」


「桔梗ちゃんが困惑するのも仕方ないでしょうがこの方は間違いなく小生達の担任の先生、柏木芽衣氏ですぞ!」


「えっと…?あの、いつも透おにーさんがお世話になっております…?」


「「「………。」」」

「んっ…狐のミミ、可愛いね。」



黒髪清楚な雰囲気なのにメスガキな顔してる狐っ娘でした。まる。



「「榊原君、こんな可愛い子、どこから誘拐してきた(のですか)?」」


「むっ。彩人?」

「にゃっ…!ゆーくんっ!?」


「違いますぞ!?

桔梗ちゃんは小生の幼馴染みの妹ですぞ!?

元々知り合いですぞ知り合いっ!!」


「はい!今はこんな姿をしてますがわたしは透おにーさんの幼馴染みで元人間、今は狐人族(フォクシー)の魔法剣士をしている【天原(あまはら)桔梗(ききょう)】っていいます!

先輩方!柏木先生!よろしくお願いしますっ!!」


「んっ。よろしく。サクラは葉山(はやま)サクラ。」


「……僕は大原彩人(おおはらさいと)です。」


「僕は佐藤優弥(さとうゆうや)。よろしく天原さん。」


「えっと…じゃあ改めて、わたしが皆の担任をしている…していた?元人間で、

今は猫人族(ケットシー)の聖女をしている柏木芽衣(かしわぎめい)です。

よろしくね?桔梗ちゃん。」


「はいっ!よろしくお願いしますっ!!柏木先生っ♪」



うん、この子(デフォルト)の表情がメスガキ顔なのに笑顔は可愛いし礼儀正しいのにそれでいて元気っ子だなぁ〜!!

ただ、ギャップ萌えと言うよりキャラクター迷子??

まぁ今のわたし(無表情毒舌ロリキャラの見た目をしたオタク気質のハイテンション高校教師)にはブーメランだけど!!


と言うか、今軽く流しちゃったけどもしや…………




「ところで〜…、そのぅ…もしかして桔梗ちゃんって、()()()?」


「っ!?」


『!!』


「……貴女の様な勘のいい教師は嫌いですよ。」



そう言いつつ楽しそうにしているからネタのつもりで言ってるねこれ。

流石、透くんの幼馴染みだね?

と言ったところかにゃ。



「あ、やっぱり……人外してるからそうかなぁ…って。」


「あ、もしかして先生もですか?」


「ううん、わたしの場合は何故かバ美肉していたパターンよ。」


「元々美人女教師だったメイコ先生がバ(ーチャル)美(少女受)肉とは、これ如何に。

いや、成人女性が少女化する、と言う意味では合っているかもでしょうが。

あと正確にはリ美肉ですぞメイコ先生。」


「え?美人…だったかしら?

日本に居た頃のわたし。」


「無自覚ーっ!!というか反応する所はそこですかな先生!!それはもはや嫌味ですぞっ!?

我が親友・佐藤氏が顔で惚れた訳じゃ無いとは言えぞ!!」


「あ、うん、確かに僕は顔で先生に惚れた訳じゃないけど、それでも学校中で噂になるくらいには芽衣は美人女教師してたよ?

と言うか性格も良すぎて【聖女先生】とか【まじ聖職者】とか【完璧過ぎて裏の顔がありそうな女教師】とか【リアルア○ィてんてー】もしくは【リアルベ○スてんてー】とか一部の人は呼んでた。」


「初耳だにゃ!?と言うかア○ィてんてーやベ○スてんてー呼びは絶対オタク共だよにゃ!?」


「うん、僕や榊原君の友達だね。」




あのシュミレーションRPG界きっての美人女教師達に例えられるとか日本に居た時のわたし、そんなに女主人公してたかなぁっ!?



「芽衣がそれを知らないとするならそれは、高校教師に面と向かって恋愛感情向ける様な非常識(インモラル)は滅多にいなかったからかもかな。

でも、芽衣はよく告白されなかった??」


「全部若い女教師が珍しいからっていう感じの冗談か罰ゲームだと思ってたのにゃ!?」


「「「「あー…………。」」」」



実際、告白された時は本気で受け取ってこなかったから毎回『罰ゲームかな?うふふっ♪でも嬉しかったわよ。お友達によろしくね?』とか『あはははは♪ダメよ大人をからかっちゃ♪おませさんねー♡』みたいな感じでお断りしてたもの!!


え?じゃあなんでゆーくんはOKなのって??

……………?

なんでだろ…〖チリッ〗…まぁいっか♪

ケットシーは細かい事を気にしないのにゃ☆



「それはそれとして!」


「話をそらしますな?」


『…透、黙りやがれです。』


「ありがとうございまぁぁぁすっ!!」

「えっ!?アイスちゃん!?」


『桔梗、これはわたしの特技の様なモノなのです。心して聞きやがり下さいです。』


「ほぇ~…見た目も声もアイスちゃんをしてるなんて、ある意味凄いですね先生。」


『桔梗、“ある意味”は余計です。』


「あはは♪ごめんね?先生!」



うーん…ころころとよく笑う子だね。

と言うかこんないい子なのに【あの呪い】をかけたの??本当に??

それとも実はガチの隠れヤンデレ妹……?


※芽衣やサクラには既に優弥や彩人という恋人が居るという話を透から聞いていて、尚且つ当人達がいちゃラブしてる波動を感じてるから敵判定してないだけ


※2初対面で優弥の腕に抱きついている芽衣や彩人の膝の上に座ってるサクラを見た時点で芽衣やサクラに対する警戒は解いてる



「ふぅ……ともかく、それはそれとして、転生者、という事は日本に居た桔梗ちゃんは死んでしまったのよね?

辛いかもしれないけど、死因は…?」


「何でそんな事を聞くの?先生。」


「………もしかしたら、()()()()()()んじゃないかしら。と思ってね。」


「っ…!」


『!!!』


「なん……で………?」



わたしがそう言った瞬間、桔梗ちゃんの顔はこわばり、体は震え、足からは力が抜けてしまった。

隣にいた透くんが体を支えなければその場にへたり込んでいたかもしれない。


黙り込んでしまった桔梗ちゃんに代わり、透くんがわたしに訊いてくる。



「矢…つまり猪頭の仕業だとお考えのようですな。

何故、そう思ったのですかな?」


「自殺した訳じゃないのなら、あまりにもタイミングが良すぎるからよ。

それに、送還術を連発していたあの時期に死んでしまったのだとしたら、送還術が逆に作用して、日本とこの異世界の壁が緩くなっていた可能性もあるわ。

結果的に、桔梗ちゃんは異世界転生した、と考えるべきじゃないかしら?」


「大分ガバガバ理論ですな?」


「そうね、でもまだ異世界に来て体感で2日目よ?

日本との時間差は知らないけれど、

その段階で透くんが行方不明と言うだけで(死ぬ程愛していたにしても)自殺するのは早すぎるわよ。」


「ですがなぁ……



………ところで透くん。

キミは無意識かつ咄嗟に桔梗ちゃんを支えたのかもだけど………



「ところで透くん。」


「なんですかな?」


「桔梗ちゃんのお胸の感触はどうなのかにゃ〜?」(ニマニマ)


「はて?

……………。

…………!?」



あ、やっぱり無意識だったんだ。

桔梗ちゃんを支える時に咄嗟に体へ腕を回して後ろから抱きしめるように支えて、

そのまま人形を抱えるように両腕を胸の下に回すようにしてかかえていたから腕が桔梗ちゃんのおっきなお胸に埋もれてたのよねー。

ハハッ。


ちょっと妬けるわその大きな胸。

もはやエロゲヒロイン並みじゃない。

と言うか、メスガキ顔なのを除けば最早狐耳付けた才城か○んじゃないかしら。桔梗ちゃん。

あのエロゲ、攻略対象全員巨乳がウリだったし。


閑話休題。


ともかく、わたしにそう指摘された透くんは、顔を真っ赤にしたものの、いきなり手を離したりはしなかった。


まぁ、桔梗ちゃんのあの巨乳じゃ余程特殊な抱きとめ方しない限りどうしても胸に触れるのは確定だから意地悪だったかも?


それに桔梗ちゃんなら透くんに対しては拒否感無さそうだし。



「せせせ先生!これは不可抗力でしてな!?」


「あっははー。ウブー。」


「からかうなですぞっ!?」


「普段の仕返し?」


「メイコ先生ーっ!!」


「にゃふふふふふ♪」



さて、重たい空気は飛んだかにゃ?

ウッカリ空気を重くしちゃったしとりあえず仕切り直しだにゃ!



「それでね?

多分だけど日本とはそれなりの時間差があると思うのよ。」


「いきなり話を戻しますな!?

……はぁ。はい、それで?」



ん?あれ?なんでゆーくんはわたしを後ろから抱きしめてくるの?まぁいっか、ゆーくんだし。



「うん、だからもしかしたら桔梗ちゃんは透くんを探している時に日本に帰しちゃった猪頭の乱射する矢に射抜かれてしまった可能性があるのよね。」



ちなみに桔梗ちゃんはまだフリーズしている。

けど自力で立って背中を透くんに預ける様にもたれかかってるし、顔は恍惚としてるからコレ単純に透くんに抱きしめられてトリップしてるだけだよね。

あと透くん?キミ、これまた無意識なのか知らないけど桔梗ちゃんの胸を下からすくい上げるようにして支えてなぁい?

変態なのか紳士なのか。

まぁいいや、話が逸れるから突っ込むまい。



「なるほど。

だけど芽衣?それなら天原さん以外もこっちに転生してる可能性もあるよ。」


「そうだねゆーくん。

けどそれに関してはドーナツの穴を穴だけで取り出せない、な話だよ。」


「…?あぁ。【悪魔の証明】、とでも言いたいのかな??

教師なのにそんな語彙力で大丈夫かい??」


「だいじょぶだ、もんだいないっ!

…簡単な言葉すら忘れてしまったけど!!」


「ドーナツホールっぽい言い回しで逃げないでね?」


「ドーナツの穴だけに?」


「…なるほど?

それで、柏木先生は天原さんが猪頭君に殺されたと考えたのでしょうか。」


「彩人くんに流されたーっ!?」


「芽衣、茶化さないで。

ケットシー脳になってかなりハイになってるみたいだけど。」


「はぁ〜い……ハイだけに。」


「芽衣。」(ペシッ)


「にゃっ!!」



あぅ〜…ゆーくんに軽く叩かれたぁ〜………



「これはもしやでぃーぶぃかにゃ!?」


「真面目な話をふざけながらするならもう口をきかないよ、芽衣。」


「ごめんにゃしゃぁぁぁいっ!嫌わないでぇぇぇっ!?」


「…んっ。これじゃ、どちらが歳上なのか。」


「んにゃっ!芽衣さんはゆーくんのにゃんこなの♡」


「… 芽 衣 さ ん ?」


「ハイッ!真面目に話しますぅぅぅっ!?」



笑顔なのに目が笑ってないよゆーくんっ!?

よ、よーし!芽衣さん真面目モードだよっ!!


スンッ。



「…ともかく。

わたしとしては送還術の高頻度使用、誘拐2日目にして透くんの幼馴染みが既に転生者としてここに居る事、その桔梗ちゃんが透くんに執着している事。

それらをかんがみるに……恐らく日本では1週間以上は経過していると見てるんだけど、どう?」



わたしは、今もまだふにゃふにゃと夢見心地な桔梗ちゃんに問いかけてみる。

すると、桔梗ちゃんは自身を抱き留める透くんの腕、その右腕を愛おしそうに胸に抱き込むとニコリと微笑んだ。



「うん。

最後に覚えてる時点での日本で、透おにーさん達は行方不明になって2週間目になってたよ。

だからわたしは、おにーさんを見つけたくて、まだ死んだって決まった訳じゃないと言い聞かせて、毎日街をさまよってた。」


「……そして、事件が起きた…?」


「うん。その日、追加で3人の行方不明者が学校で見つかったって報道されたんだ。

それを聞いてわたしは、透おにーさんが帰ってきてるかもって夜の学校に行ってみたんだ。」


「何故そんな危険な事を!!

桔梗ちゃんだって通ってる学校だ!!

翌朝にボクのクラスに見に来ればよかったじゃないか!!」



おや?透くん、口調が違うよ??

もしやそっちが“”??


対する桔梗ちゃんも涙目になって慟哭する。



「そんなの!いてもたっても居られなかったからに決まってるでしょ!?

だってわたしは!!まだおにーさんに彼女にしてもらってなかったんだから!!!」


「うっ…!でも、ボクが誘拐されたそれは不可抗力だし……


「そんなの分かんないよっ!!

だってわたしからしたら!

おにーさんは答えを出す前に突然消えちゃったんだから!!」



そんな悲痛な叫びが酒場に響く。

それを聞いた透くんは…………



「…ごめん、()()。」


「おにー…さ…んんっ…!?」


「わぉ。」

「大胆。」

「ほう…?」

「やるじゃないか、榊原君。」



抱きしめていた桔梗ちゃんの体を回して自分の方に向けさせ、その口を自身の口で塞いだ。

つまりキスだね。

いきなりの事に驚いた桔梗ちゃんは、目を大きく見開いて固まった。

そんな桔梗ちゃんに、透くんは………



「ごめん、桔梗。

ボクはもう逃げないよ。

キミともう二度と会えないかもしれないと思うと、胸が辛くなったんだ。」


「おにーさん…。」


「キミが好きだ。ボクの、彼女になってくれないか?」


「おにーさん!!うん…!うんっ…!よろこんでっ!!

わたしもおにーさんがだいすきっ!!」



そう言って本当に嬉しそうに透くんに抱きついた桔梗ちゃん……

尊いね……



〔でもそうなると透くんはこっちに残留決定かにゃ?〕


〔いや空気読もう?〕


〔だからゆーくんにだけ聞こえるように言ったのにゃ。〕



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