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第1話:クラスごと召喚系の勇者召喚に巻き込まれた教師(わたし)……のはずだよね!?

わたしの名前は柏木(かしわぎ)芽衣(めい)、23歳の新米女性教師……そう、新米教師よ。

研修も終わり、大学を卒業し、配属先もとある市立高校の2年生のクラスに決まって初めてのクラス担任を、副担任とはいえ任された……

そうしてクラスの皆からはメイちゃん、とかめーちゃんだとかで慕われていた……様な気安く絡まれていたような……な感じで仲良くなってきた秋の頃。



「さて、では今日の授業を始めますよー!!」


「待ってましたー!めーちゃん!!」


「そこっ!茶化さないのっ!!」


「めんごめんご♪」


「もう……じゃあ気を取り直しーッ!?」


『きゃぁぁあっ!?』


『なっ、なんだこの光ッ!!』


『うわぁぁぁぁあっ!?』


『何も見えなーー
















「ーよく来てくれた、勇者達よ!!」


『は…?』


「………はい??」



わたし、勇者召喚(クラス丸ごと召喚系)に巻き込まれました!!?

まって、普通こうゆうのって教師は巻き込まれなかったり、負荷に耐えきれずに死んじゃったりとかするものじゃないの!?

いや、死にたかった訳じゃないけどッ!!










【クラス召喚に巻き込まれた教師って普通死なない!?いや、死にたくは無かったけれども!!】















と、とにかく先ずは状況確認ね…!

大丈夫、大丈夫、わたしには、息抜きに読んでたライトノベルの知識とかはある………そこっ!そんなのが役に立つのか?とか言わないっ!!


とにかく、こうゆう時、大体、普通は、主人公って男子高校生のはずよね?


それで、ハズレスキルやハズレ職業と言われる様なものを授かり追い出されたりするものよ。

あとその後は大抵実はチートだったが定番ね!


そして、普通、担任は巻き込まれないか、召喚された時に負荷に耐えきれずに死んだりするか、別室へ案内されて監禁されたり殺されたり…………


って!!

わ た し が そ の ポ ジ シ ョ ン じ ゃ な い の よ !?

うぅ………何とかしてここは一旦離脱するべき…?

でも、生徒たちをほうって逃げ出すなんてわたしには………


って、あれ……?

なんだろ、今気づいたんだけどわたし、なんか服がおかしくない??

白い………ヒラヒラした服……ううん、これはもしかして修道着、と呼ばれるものでは…?

それにしては、どこかで見た事のある可愛い系のなんちゃって修道着って感じだけど……?

それに……髪……わたしの髪は日本人らしく黒髪だったはず………なのに、チラチラと見える前髪が何だかキラキラしている様な……?

と言うか……

わたし、ロングヘアーにしてもポニーテールにまとめていたはず……

なのに今は下ろしているし…………

えっ……?


わたしは髪をひと房目の前に持ってきてみる。

と…?



「……プラチナブロンド……?」



いわゆる、銀糸のような髪、というものになっていた……

待って、ここで騒いだらおかしな事になる。

と言うか、周りを観察してみれば、いわゆる中世ヨーロッパ風な事が分かる。

目の前にいる豪華な服装の人はきっと国王陛下よね?


うんうん、テンプレ。


じゃあこうゆう時って多分、宗教関係者が居るわよね??


あ、居たわね。幸い、わたしの近くだ。

それに服装が似ているからしれっと混ざれるかしら??


とりあえずササッと移動してみる。


うん、皆動揺してるし、宗教関係者達は生徒達に注目していて気付いていない。

とりあえずはヨシ。


わたしはさも宗教関係者側の人間ですよ〜って感じのすまし顔で様子見をすることにした……



しばらく、魔王がーとか我が国を救ってくれーだとか、そんなテンプレな話を聞かされ、動揺する人、泣く人、興奮する人、義勇に駆られる人、と我がクラスメイト達は様々な反応を見せた。

……どうせ、送還術は魔王がーって話になるんでしょうけどね!!



「失礼ですが、質問をしても良いでしょうか?」


「…うむ、許す。なんだね?」



あら、彼はクラス委員長の神野(こうの)君ね。

よくあるテンプレで、イケメン君で性格もよし、なんだけど………こうゆう時、こうゆう積極性のあるイケメン君は大抵黒幕側に加担したり本人が黒幕化したりするのよね。

現状では偏見だけど。



「我々は元の世界に帰れるのでしょうか?」


「ああ、魔王の城には勇者対策としての送還術に関する書物があると聞く。

それを読み解けば帰れるやもしれん。」


「……そうですか。」



あー…やっぱりね。

と言うか流石、遠回しな言い方で煙に巻いてるけど、意訳するなら『知らん、勝手に調べて帰れ、召喚はしたが送還までは世話を焼かん』ね。

つまり、送還に関して国王陛下達は責任を負わない、と言ってる。

最悪だわ。

わたしの大切な生徒達を利用するだけして後はポイするつもりね?


戦闘中に死んでもよし、仮に魔王を倒せても送還術は魔王しか知らないの一点張りでかわせると思ってる??

生徒達がまだ高校生だからって舐めてるのかしら?

おそらく中世ヨーロッパ風なこの世界では16歳から成人のはずなのにね。



「さて、ではそろそろ君たちのステータスを見たい。

各々、『ステータスオープン』と唱えてステータスを閲覧えつらんせよ。」



来たわね、勇者召喚系の最初のイベント、ステータスチェック。

おそらく、テンプレ展開になるはず。

わたしはどう動くべきか………


そも、ステータスオープン?国王陛下達にも見せろ、と?

わたしは一応、今は宗教関係者側のフリをしてるからここでステータスオープンなんかしたら目立つわね。

けど、抜け道はありそうね。



(ステータスチェック)



先ずはそう心の中で唱えてみる。



(あっ、開いた。)



周りの人達は無反応な所を見るに、

目論見通り、自分にしか見えないステータスが開いたわね。

ステータスウィンドウはテンプレな透明な板、と言った感じ。

さて、肝心のわたしのステータスは……?




(!)ステータス偽装中(!)

名前:ミーコ(柏木芽衣)

種族:猫人族(ケットシー)

職業:修道女(異界の聖女)

Lv.255(Lv.MAX)


能力

力:E(A)

魔力:C(S)

防御:D(A)

対魔力:B(EX)

俊敏:D(EX)

幸運:EX


スキル

剣術 C(S)

└装備顕現(剣)

→装備登録中の剣を装備する

現在の登録武器:炎の聖剣イフリーテ

└オーラブレード

└ダブルスラッシュ

└etc...


杖術 A(S)

└装備顕現(杖)

→装備登録中のバトルスタッフかキャストスタッフを装備する

現在の登録武器:銀のバトルスタッフ【見た目装備:ブルースターロッド】

└刺突

└受け流し

└etc...


治癒術 B(EX)

└ヒール

└エリアヒール

└アンチドート

└アンチカース

└etc...


光魔法 B(EX)

└ライトボール

└シャイニングバインド

└etc...


水魔法 C(S)

└ウォーターボール

└シャンパーニュ

└etc...


精神異常耐性 C(EX)

└魅了、洗脳、混乱、錯乱、恐怖、ダウナー、堕落等の精神異常系の状態異常に対する耐性を持つ、EXランクでは無効化する


毒耐性 D(EX)

└毒に対する耐性を持つ、EXランクでは無効化する


呪耐性 A(EX)

└呪いに対する耐性を持つ、EXランクでは無効化する


鑑定 B(EX)

└対象物を調べられる、EXランクではあらゆるモノを詳しく調べられる。

EXランク未満の鑑定遮断系スキルを貫通する。


騎乗 B

隠密 A

淑女 A

説法 B

料理 A

家事 B


職業スキル

聖女の微笑み EX

└周囲の人々を魅了して落ち着かせる、EXランクでは他者に魅了・洗脳されている人々すら魅了を上書きして正気に戻す。

なお、ここで言う魅了は精神状態異常攻撃では無く自身に対する好意を向けさせる程度であり、意志力で跳ね返せる。


女神の加護 EX

└女神様からの加護、即死を無効化する他、精神異常系の攻撃を無効化し、EXランクなので凄く幸運になる。

付与された加護は精神異常耐性のスキルとしても現れる。


ユニークスキル

送還術

└対象を元の世界に還す術、幽霊や悪霊をアストラル界へ、悪魔を魔界へ、天使を天界へ、召喚獣を元の世界へ、等召喚された者を元の世界へと送還出来る。

(!)召喚された勇者も送還可能、自身へも使えるが、その場合は『自己召喚スキル』の扱いになる


天使化

└一定の資質を持つ聖女が持つスキル、自身を天使兵化させて身体能力を著しく上昇させ、一時的に翼を持ち飛翔能力も得る、が、使い過ぎると人間らしさを失っていく。




…………え、なんなのこれ。チート??

と言うか、このステータス、名前と種族、職業なんかはわたしがやってたネトゲのアバター…?

あのゲームだと聖女ってただの上位ヒーラー職だったけど……異界の聖女、ねぇ…?物は言いようね。

ちなみにそのゲームだと男性は聖人って表記になるわ。

どどのつまり、わたしがチートなの…?

なにこれ、わたしが居れば魔王を倒せるんじゃないかしら?

……まぁ、そもそも、この世界の魔王が悪人とはまだ決まってないけれど。


実は王国側がクズで悪だった、なんてのもテンプレだしね。


ともかく、こんなステータスバレたら一巻の終わりだわ。

元々宗教関係者側に擬態していたし、そのまま聖女として祭り上げられでもしたらわたしの人生が教会に拘束されてしまう。

あるいは獣人って世界観によっては差別や嫌悪の対象だから色々と酷い目に遭うかも………


いえ、それより何より、わたし………

送 還 術 持 っ て る わ ?

魔王しか知らないなんてやっぱり嘘じゃないのよ!!


ますます王国側が黒幕説が高まってきたわ………というか、送還術が使えるなら戦う意思の無い生徒を元の世界に帰えせるわね。

まぁ、今すぐ実行したら目立つし、拘束されて処刑まであるだろうからやらないけど。


何とかして生徒達にこっそり接触できないかしら……?


あ、ステータスを見たり考え込んでたらいつの間にか生徒達のステータスチェックが始まってたわ……あぶないあぶない…見逃すところだったわね。

あ、多分上役であろう人に促されたし、わたしもステータスチェックに回らないと………

しめしめ、これなら堂々と接触出来るわね。


さて、わたしの担当は……あら?

佐藤君ね?……この手のラノベ主人公っぽい中肉中背であまり他者と関わっていない感じの子……さて、彼のステータスは…?



名前:佐藤(さとう) 優弥(ゆうや)

種族:人間

職業:盾使い(シールダー)

Lv.1


能力

力:C

魔力:E

防御:A(A+)

対魔力:B

俊敏:D

幸運:D


スキル


盾術D(素質:EX)

└装備顕現(盾)

→装備登録中の盾を装備する

現在の登録武器:ウッドシールド

└シールドバッシュ

→構えた盾による強い打撃、軽い相手なら弾き飛ばせる

└かばう

→味方の前に割り込んで攻撃を代わりに受ける

└防御強化

→防御ステータスを常に1段階上昇させる

現在効果…防御:A→A+

└??????????(エラースキル:現在使用不可)

→???を顕現させて味方全員に???を付与する。


職業スキル

武具固定(盾)

└盾以外の武器を装備出来なくなる

(防具は自由に装備可能)


サンクチュアリ

└魔物が入り込めない神聖なる結界を張る、聖女と共に発動すると結界に触れた魔物を浄化する

(※現在無効化されているので芽衣にしか見えていない)



ユニークスキル

(※現在無効化されているので芽衣にしか見えていない)


猫好き

└猫を撫でると体力が回復する、猫人族とパーティーを組むと全ステータスが1段階強化される


猫の騎士

└猫人族とパーティーを組むと攻撃スキル【キャットクロウ】を習得し、防御ステータスに更に補正がかかる、また、【かばう】が変化し【猫の守護者】になる

└【キャットクロウ】

魔力で擬似的に作り出した猫の爪による斬撃、思いつく限りのあらゆる状態異常を付与可能。

└【猫の守護者】

猫人族や猫を【かばう】時のみ、あらゆる攻撃を無効化して防ぐ、【防御貫通】や【無敵貫通】も無効化して防御可能

(猫人族や猫以外には普通の【かばう】が発動する)



あー………

この子、主人公っぽくない??

と言うか……()()()()()()()()()()()辺りになんか作為を感じるわね。

それにしてもこの子、この後冤罪かけられるなり無能の烙印押されるなりして追い出されそうだわ。


事実、周りの一部の生徒はくすくすと笑ってるし、国王達は冷めた目になってる。

…そして、こうゆう時、大抵問題児がパッと見凄そうな職業なのよね。

で、こうゆうパッと見ハズレ職業の子に絡んだりするのよ。


………ええ、つまりわたしはこの子…佐藤君とパーティーを組む事になりそうね。

わざわざ今この隠しスキルを見せると逆に『なんで分かるんだ?』って話になりそうだし。

……仕方無い…わね。

ごめんね?佐藤君…けどこの後はお詫びとして存分にナデナデさせてあげるから。

スキルになる程だからかなりの猫好きでしょうし。


さて、とりあえずこのまま様子見ね。

その前に……わたしは佐藤君へ耳打ちで囁く。




〔優弥くん。驚かずに聞いてね?〕


「えっ…?」


〔わたしはミーコ、猫人族ケットシーのミーコ。

あなたにマーキングをしておくから、もしも辛い目にあったなら、わたしを望んでね?〕


「…?うん。」



とりあえず納得してくれたかな?

というより照れてるだけかも?

耳元で囁かれるのはこそばゆいだろうし……

ともかくマーキングをしないとね。


ぺろり


「っ!?」



わたしは佐藤君…ううん、優弥くんの耳をぺろりとひと舐めしてわたしの魔力によるアンカーを打ち込んだ。

なんとなぁくやり方が分かったしやっとくべきって思ったからね。


優弥くんを嘲笑していた生徒達がザワリとしたけど、わたしは気にならなかった。

…本来なら羞恥心に苛まれるはずのこの行為、だけどわたしは不思議と『成すべき事』と感じられたからね。


……その後…わたしは、その時なんとなくでやったこの行動に本当にやってて良かったと安堵することになるんだけど、それはまた別のお話し、かな。


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