テイマーちゃん戦闘訓練に行く その1
王家所有の別荘をもらい、引っ越しを済ませたエクレール達は午後からの戦闘訓練に備え、朝から準備のため武具店に来ていた。
「うーん、どれを買えば良いのかよく分からないです。」
「主よ、武具はいつも何を使っているのだ?」
「私はあまり戦闘は得意ではないんです、でも、出来れば杖がいいんですけど」
店主「おう、嬢ちゃんなにかお困りかい?」
「あの、えっと、杖を探しているのですが」
店主「それなら、この杖なんてどうだい?初心者向けに作ってあるぜ。」
そう言われて渡されたのは赤い宝石が付いた小さな杖だった
「魔力を流してみても良いですか?」
「おう、やってみてくれ。」
そう言われ魔力を流してみると宝石は粉々に砕けてしまった。
「はうぅ、ごめんなさい」
「ふむ、どうやら主の魔力が強すぎたようだな」
店主「あー、構わねぇようちは趣味でやってるからな、それにしてもどうやら嬢ちゃんは凄い素質を持ってるみたいだな、嬢ちゃんにならあれを使いこなせるかもしれないなちょっと待っててくれ。」
そういって店主は店の奥に消えた。
「うむ、あの店主ならば可能かもしれぬな。」
ニールはそういって部分的に竜化して鱗を数枚取っていた
店主「待たせたな、こいつは俺の傑作なんだが、必要魔力量が多くてな、誰も使いこなせなかったんだ、だが、嬢ちゃんなら使いこなせるかもしれない、まあ、試しに魔力を流してみてくれ。」
そう言われて渡されたのは大きな翠玉の付いた錫杖だった。
「あの、えっと、わかりました」
そういって魔力を流すと手に馴染む不思議な感覚がした。
店主「お、問題は無さそうだな、それと、そっちの姉さんはなにが欲しいんだ?見たところ、ただ者じゃあないだろ。」
「お主ならば、任せられそうだな我に合う剣が欲しいのだが、それとは別に、この鱗を用いて主の防具を作ってくれぬか?
余ったものはお主にやろう。」
「ほえっ!ニールさん?」
店主「ほう、ドラゴンの鱗か、成る程な、合点がいったそれなら、お代は結構だぜ、ただし、オーダーメイドとなると時間はかかっちまう、1月程時間をくれ、これは一生もんの仕事だぜ!」
「えっと、あの、良いんですか?」
店主「おうよ、こんな貴重な経験させてもらえるんだ、感謝の品と思って受け取ってくれ。」
「店主名はなんと言う」
店主「俺はジャック、師匠と喧嘩して破門にされた身だが、熱意だけは誰にも負けねぇと自負してるぜ。」
「覚えておこう。」
「あ、あの、ありがとうございました。」
店主「武器のメンテが必要ならいつでも来てくれ。」
こうして、エクレール達はジャックの武具店を後にしたのだった。
====ラスティ王国、迷宮入り口====
ライオス「全員集まったようだな、これより戦闘訓練を開始する。訓練内容は、この迷宮の下層に居るゴーレムの討伐だ。
訓練とはいえ、実践だくれぐれも油断するなよ。」
そして、訓練は始まった。
====迷宮、上層====
入り口からしばらく進むとウルフの群れに遭遇した
「来るぞ、主!」
正面から3体程ウルフが向かってきたので
「炎よ、敵を穿て!「ファイアアロー」」
エクレールは炎の初級魔法を放った
「「「ギャ!!」」」
炎は、勢いよく燃えウルフは力尽きたのだった
冒険者A「おいおい、あいつら何者だ?」
冒険者B「あの、戦士の姉ちゃんただ者じゃないぞ。」
冒険者C「あの嬢ちゃんも強いぜ本当に、冒険者になったばっかりなのか?」
冒険者D「凄いわ、あの一瞬であれだけのウルフを...。」
冒険者E「平民の癖に僕より目立つなんて、でも、利用出来そうだ。」
後続の冒険者達の感嘆の声の中で小さな悪意が芽生えた。
続く...。