第4章:オウガ
翌朝、おいしそうな匂いにさそわれシードは目が覚めた。
「あれ?ここは・・・あ、そうだムスタさん家に泊めてもらったんだった」
隣のベッドではセージとアリミノがまだ寝ていた。
そっとシードは起き上がり1階へ降りていった。
「おはよう。よく眠れたかね?」ムスタさんだった。
「おはおうございます。はい。昨日は疲れちゃって・・本当にありがとうございます。」
「ははは。3人とも家につくと夕飯も食べずにすぐ眠っちゃうからビックリしたよ。」
「あら?おはよう。えっとシード君ね。私はカシス。ムスタの妻です。よろしくね。」
テーブルに料理を並べながらムスタさんの奥さんが話しかけてきた。
「昨日は突然おじゃましまして、すみませんでした。」そうシードが話していると
「おはようございまーす」2階からセージとアリミノが降りてきた。
「昨日はあぶないところを助けてもらって本当にありがとうございました。」
「ははは、無事でなによりだよ。今後は戦士も仲間に入れて動くんだよ。」
「じゃ、さっそくご飯にしましょうかね。」
「はーーーぃ。いただきまーす」
「あれ?そいえばムスタさん家息子さんがいらっしゃるんじゃ?」アリミノがたずねると
「おぉ、いるんだが来週学校の卒業試験でね。今はパートナー探しに君達の街まで
いっているはずだよ。
いいパートナーが見つかればいいが・・・」ムスタさんが少し心配そうに言った。
「パートナー?卒業試験ってこの街は戦士系の方達がおおいいから戦士同士の戦いじゃ
ないんですか?」アリミノが不思議そうにたずねた。
「この街の学校の卒業試験は3対3の対戦なんだよ。組み合わせは自由なのでやっぱり
魔法使いも必須になってくるわけなんだ。」
「へ~、私は仲間を探しにこの街にきたので・・じゃぁ、今なら見つけやすいのですね。」
「あぁ、3人とも卒業の証である指輪をしているのだから酒場に行けば探している人達を
見つけられると思うよ。」
「ただ、向うも卒業がかかってるから人選しているみたいだからね。今年の卒業している
君達の学校の生徒名なんかはもう知られているよ。」
「通常は卒業後1年くらいのうちに仲間が出来上がるから、今の時期に仲間の魔法使いを
見つけるには同時期に卒業した人達になるからね。」
「まぁ家の息子は噂より見てから決めるといって飛び出していったがな。」
「息子さんの名前なんていうんですか?」シードが興味を少し持って聞いてみた。
「あぁ、オウガという名前だから・・まぁ、気があうようだったら考えてくれ。」
食事も終わり後片付けをしていると来客がきた。
「シード君、ムスムリさんが着てくれたよ」
実はムスタさんが仕事の荷物の渡し先へ連絡を取っていてくれていた。
シードとセージは無事仕事を終わらせる事ができた。
3人はムスタとカシスへあらためて礼をいい家を出ようとしていた。
「あぁ、シード君達はこれからどうするんだい?」
アリミノがまず答えた。
「私はこれから酒場にいって早速仲間探しをしてみます」
「僕達は一度報告に街まで帰る予定です」
「おぉ、それじゃ街まで一緒にいかないか?昨日みたいな敵が出てきても私がガードできるから」
「うわぁ、ありがとうございます。すごく助かります。」
「いや、ちょっと馬鹿息子が心配になってね。」
シード達はアリミノと別れると早速街へ戻った。
「ムスタさんのおかげで安心してここまで戻れました。ありがとうございます。」
「いやいやこちらこそ。・・・まぁ、うちの馬鹿息子がもしも依頼してきたら考慮してくれ。」
「あはは、でもそれは無いと思いますよ。僕の魔法は飛ばないから。」
そういうとシードとセージは酒場へ報告に走って入っていった。
「飛ばない魔法か・・・フェイクみたいだな。」そうムスタはつぶやきながら酒場へ入っていった。
シードとアリミノは早速仕事の完了を報告すると報酬である契約書をもらった。
「うわぁ、これで新しい魔法覚えられるんだ。」セージがうれしそうに言った。
「セージはどれにする?うーん。わかんないから先生に聞いてみる。」
「あ、僕もそうしよっと。」2人はそういうと学校へ行った。
「サフラン先生~~」シードとセージがサフラン先生に声をかけた。
「あら2人とも久しぶりね。どうしたの?」
「今ね初めて仕事して魔法の契約書もらったんだけどどれ覚えようかと思って。」
「あぁ、そうねー火・水・土のlv2のどれかならセージは火がいいんじゃないかな。」
「あなたの魔法の威力は火属性が強いから向いていると思うよ。その後他のも覚えていくと
いいよ。但し、覚えられる魔法の数は個人個人で限界があるからまずは必要なのを覚えてね」
「はーぃ。じゃ、火のlv2で契約っと・・・。呪文を唱えると・・・セージの体が光った。」
「これファイアと少しだけ呪文がちがうね。覚えるの簡単でいい」セージは違う点で喜んでいた。
「先生、僕はどれがいいのかな?」
「そうねー、あ、そうそう、アニス校長がシード君を探していたので行って聞いてみるといいよ」
「はーぃ。じゃぁそうしてみます。」
「じゃぁセージ僕アニス校長先生のとこいってみるね。」
「うん。シードまた仕事一緒しようね~」セージはそういうと学校を出て行った。
シードは早速アニス校長を訪ねた。
「やぁ、シード帰ってきたね。探してたんだよ。これを君に渡さないとと思ってね。」
渡された物は3枚の魔法の契約書だった。
「校長先生これ・・・。」
「昨日君のお父さんと話す機会があってね。卒業したので渡してかまわないといわれてね。」
「普通の魔法使いでは手に入れられない魔法の契約書だから・・・。」
「そ、そんな大切なもの・・。お父さんが僕にって?」
アニス校長は優しく微笑みながらうなずいた。
「そ・そうだ校長先生僕ね、今日仕事はじめてしてきて火・水・土のlv2のどれかの
契約書をもらえるんだけどどれがいいかと思って・・。」
「あぁ、簡単にいうね。魔法使いといってもみんなそれぞれ属性がある。
例えば私は水の属性が強い、かといって火が弱いわけでもないが火よりも水が強く使える
その逆もまたある。魔法使いの中で火・水・土・そして光の属性が主にある。
ただ、光の属性の魔法使いはこの街には残念だが居ない。他国にはいるんだけどね。
君の属性はその中で土の属性になる。主には状態変化形魔法になる。」
「僕、土なんですね。それが原因で魔法がとばないんですか?」
「属性が土でも普通は魔法は飛ばせるんだが、君の場合お父さん同様属性が強すぎるんだよ」
「ただこれは悪い事じゃないんだ。それをどう使うかは今後学ぶといいよ。」
「さて質問の件だがなやまずにここは土のlv2でいいよ。ちなみに土のlv1は、君は既に
覚えているよ。卒業試験で使ってたトランスという魔法がそうだよ。」
「土の注意点は、lv1の契約書を手に入れるのが難しい為需要が殆ど無い。
その為、lv3以降の契約書は殆ど出回っていない。
更に・・契約書を手に入れる方法が難しすぎてね。」
「さて、この君に今日渡した契約書についての説明だが土のlv3・4・5の契約書になる」
「え・・・、それってさっき殆ど出回ってないって」
「そうだ。これを使える魔法使いは殆ど居ない。」
「魔法名はlv3フェイクミラーlv4がアブソルlv5がインパクトになる」
「フェイクミラーは相手からこちらへの視界を不良にし命中率を下げる事ができる」
「アブソルは相手へ与えたダメージ分の体力を吸収することができる」
「インパクトは相手の体力を全てダメージとして与えられる」
「ちなみにlv2はハンドという魔法で相手を捕まえる魔法だ。ただしダメージは与えられない。」
「さて、これらの契約書は持ち歩かれてもこまるのでね。今すぐ契約をすませておきなさい。」
「え、でもサフラン先生が魔法の数のこといってたけど・・・。」
「君の属性魔法だから優先的に覚えるべき魔法だよ。安心しなさい。」
シードは早速契約書をもち呪文を唱えた。
シードの体が光り、土属性の魔法を覚えた。
「これからの君の成長をねがっているよ。」
「アニス校長先生どうもありがとうございました。」
シードはそういうとキャラウェイに会いに酒場へ向かった。
酒場に入るとキャラウェイがムスタさんと親しげに話しているのが見えた。
あれ?ムスタさんと知り合いなのかな?そう不思議におもっていると
「あら?シードこっちおいで」とキャラウェイが気づき声をかけてくれた。
「キャラウェイさんムスタさんとお知り合いなんですか?」
「え?シードこそムスタ知ってるのかい?」
シードはこれまでの事をキャラウェイに話した。
「ははは、そうかいそうかい。ムスタはフェイクの仲間だよ。」
「え!!お父さんの?。あ!!そういえば水晶で見た中に・・」
「いやいや、こっちもびっくりだよ。魔法が飛ばないっていってたからフェイクみたいな子だなと
思ってたら、フェイクの子だったなんてな。」
「お、きたきた。おい、オウガこっちこい。」
「なんだよ親父。」
「これが家の息子でオウガだ。ほらオウガちゃんと挨拶しな。」
「オウガだ。よ、よろしくな。」乱暴で不器用そうなタイプに見えた。
「シードです。よろしく。」シードはにっこり笑った。
「ところでお前仲間になってくれる魔法使いは見つかったのか?」
「それが親父まだ見つかんなくてよーー。このままじゃ来週の試験3対1になっちゃうよ。」
「さすがに俺様でも少しだけそれは難しい・・・。」自信家のようだった・・。
「じゃぁ、このシードにお願いすればいい。」キャラウェイがシードの頭をぽんぽんと
たたきながら言った。
「シード・・シード・・。いや、今年の有力魔法使い名簿にその名はなかった。」
ボカッっとムスタがオウガを叩いた。
「お前自分の目でみて判断するとかいっときながら噂重視かよ。」ムスタさんが怒っていた。
「あ、でも確かにそうですよ。僕の魔法とばないから。」シードがフォローを入れた。
「そだセージの魔法強力だし今日lv2の魔法も覚えたからいいんじゃ?」
「おぉ、じゃぁお前とセットで頼めるかな。3人のほうが数は有利だから」
ボカッ・・・ムスタさんにまた叩かれていた。
「だ、大丈夫ですよ。じゃあセージさそって試験前日までにムスタさん家にいきますね。」
「おぉ、シード君うちの馬鹿息子がむちゃくちゃいってすまないがよろしく頼むよ。」
来週シードとセージは一緒にオウガの卒業試験を手伝うことになった。




