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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第5章】勇者不在の一千年間
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Ep.81 世界の管理方法

ダイジェストでドーゾ


と、ついでに書いていたら六千超えたので二つに分けました。

世界は平和にはならない。

平和にするとか、すべての命に手を差し伸べるとか口で言うのは簡単だが、そんなことは不可能である。

それを口にできる者はきっと何も知らないのだろう。


例え、絶対的な神がいたとしても多数の存在がその0場にいるのであれば、争いというものは必ずどこかで起きるのだろう。


救えないもの、救えない命は必ず存在する。


それを知った上で、私は私が救えるものを救う。自身が力を持てば、少しでもその数が増えると信じて。





ラーテル王国国王、アルティオ・オル・ラーテルの目からは光が無くなっていた。

傍から見れば普段通りの彼なのだが、親しい者達からすればその変化の差は一目瞭然であった。


だが、親しい彼らもアルティオに対して何も言えなかった。彼らも同様に心に大きな傷を負っていたからだ。


暗黒戦争の影響により主大陸で起きた大量の国の終焉。アルティオたちの元々の故郷と呼べる国は既に滅んでいた。更に、信頼関係を築いた同盟国も滅んだ。


ただ、世界に絶望を抱いたとしても、彼らには治めるべき国がある。外見上、彼らはまったく己らの気持ちが地の底に落ちていることを悟らせず、業務をこなしていた。

暗黒戦争後の世界は混乱の渦に飲み込まれていた。


残った国の数は、暗黒戦争以前と比べると圧倒的に少なく、滅んだ国の領域をいかにして管理するのかで大いに揉めた。しかし、長いこと放置してしまえば、いずれ魔物が住み着き人類が下手に手を出せなくなる場所になってしまう。


一先ず、国力が高い国が管理をするということで、問題を先送りにした。


ラーテル王国は暗黒戦争後、国力を更に向上させる政策を取った。その中の一つに軍事力の向上というものも当然あった。

世界が混乱に陥っていたこの時代でなければ、ラーテル王国のこの動きは世界に戦争を仕掛ける準備であると言われていたのかもしれない。

それほどまでに、ラーテル王国は飛躍的に技術を向上させていた。


ラーテル王国が目を付けたのは、「科学技術」であった。ナツトが話していた魔法のない世界での人々が築き上げたモノ。魔法のある世界ではあまり重要視されずにいたものだ。

アルティオたちは、この科学技術と魔法技術を組み合わせ、より高度なものを作り出すことに尽力することにしたのだ。


これと同時に、秘密裏に進めた政策があった。


転生者の確保である。

ナツトは生前、前世の知識を持つ存在がこの世に生まれる可能性を示唆していた。彼自身十分な根拠という根拠は示すことができなかったが、彼なりの勘というものだった。

アルティオたちは彼の考えと、それらが及ぼす影響について考え、念のため対策することにした。

杞憂に終わればそれでよし。

実際に転生者が生まれるのならば、それを他国に渡る前に抑えたい。彼らの知識はまだこの当時の世界には大きすぎるものであるからだ。


そして、これは科学技術とは少し離れるが、最も大きな成果ともいえる話だ。ミューカが、「魔素体になり、そしてそれを維持する条件」を導き出したのだ。暗黒戦争から僅か二年後の出来事だ。

その条件は、すべての人が魔素体になれるのではなく、かなり厳しいものであったが、アルティオたちは満たしていた。これにより、アルティオたちは魔素体を手に入れ、肉体から解放された。

魔素体は肉体に縛られないため、肉体では不可能だった演算やその処理が常時できるようになった。


だが、問題もいくつか発生した。

一番は、この魔素体の理論を完成させたミューカが真っ先に自信を実験体として試したことだ。これにより、彼女の中にいた子どももその影響を受け、その成長が著しく遅れることになった。


跡継ぎ問題というのは、王国のような国のトップに王を据える国には大きな問題となる。しかし、魔素体を習得することにより、不老ともいえるほど永い寿命を得た。


同じ王がずっと統治する。これは、良いか悪いかで言えば悪いだろう。言い方は悪いが独裁政治が王が居続ける限り続くわけだ。ただ、世代係に代わったとしても、次の代が前より良くなるというとは言えない。

変化があるのがいいのか、無いのがいいのか。結局のところ答えというものは見つからないものだ。



ラーテル王国が全く違う方向でその力を付けていく中、主大陸では「魔法」に焦点を当てて発展させようとする動きが進んでいた。


人類が唯一扱えるとされる「陣魔法」即ち魔法陣を行使した魔法に特に焦点が当たった。魔法陣には、魔法語と呼ばれる、どの言語にも当てはまらない言葉を知らなければならない。古代の遺跡で発見されたそれは、研究者たちの興味をそそる対象の筆頭だ。


そして、魔法を研究する彼らが最も重要視したのが、「即死魔法」と呼ばれる系統の陣魔法である。普通の詠唱魔法にも対象を即死させるような魔法がない訳ではないが、汎用性が低いのだ。


最初は魔物を倒すために研究されていたその「即死魔法」であったが、これがいつしか人に対する「即死魔法」に方向が変わったことは言うまでもないだろう。



それはさておき、暗黒戦争から数年後、世界で大きな動きがあった。

『冒険者ギルド総括管理指令組織』つまり、冒険者ギルドの設立である。


創始者は、ティアメシア・サーラ・アーティアゴ。そう、暗黒戦争時ラーテル王国に社会勉強に来ていた少女である。彼女は成人したのと同時にこの組織を結成したことになる。


暗黒戦争前後から変わらず、人類が手を出せずにいる領域が存在する。

それは『消失の樹海』『未開の樹林』『魔の領域』の三つである。魔物が蔓延るこの領域は力足らずの者が入れば一時間と経たずに死ぬという。それだけ、強力な魔物が生息し、恐れられているのだ。


この内、『魔の領域』のすぐ隣にこの冒険者ギルドは本部を構え、魔物に対する警戒と敵意を示す。


冒険者ギルドを設立するにあたり、ラーテル王国は全力でバックアップしている。


暗黒戦争時、彼女と、彼女の護衛として付いてきていた護衛を除いてエルフは絶滅した。もしかすると、どこかにまだ残っているのかもしれないが、いたとしてもごく少数であるだろう。


亡くなったサーラ女王に代わり彼女を見届けるというのも多少バックアップの理由にはなるかもしれないが、一番大きな理由は「ギルドカード」にある。

所属するものを管理するために作られるギルドカードの存在を聞いた時、これをもっとうまく使えないのか、アルティオたちは考えた。


今後、いかにして世界を管理していくのか、各国の頭は考えなければならない。アルティオたちは、このギルドカードを世界の管理体制に使えないか考えた。ギルドカードを作る際、最低限登録者の魔力をカードに登録する必要がある。これが使えると考えた。

各国で国民の魔力を登録させ、ギルドと共有する。理想は出生後に国民の義務として制度化することだ。当然ギルドはこの情報を秘匿することが絶対であるとして、ギルドを各国が投資という形で支援することでギルドを中立組織として確立させる。


例え、ギルドカード発行時に住所を書かなかったり、偽名であったとしても、ギルドカードの魔力情報がギルドが控えている各国から渡された魔力のデータと紐付けられ、個人の特定が可能である。


魔力の波長が一人ひとり違うことを利用したシステムである。


そして、これはナツトを見つけることに大きな足掛かりとなる。転生魔法が成功していたとしても、ナツトがいつどこで転生を果たすのかわからない。そして、彼ならきっと情報を集め、ギルドカードを登録するだろう。そのとき、カードに登録された魔力の波長が、アルティオたちが生前実験のためにナツトから取った彼の魔力の波長と一致すれば、それ即ち彼であるという証明になる。


転生により、魔力の波長が変化する可能性もあるが、そのときは仕方ないが別の方法で探すしかない。だが、ナツトも記憶を失っていない限り、ラーテル王国に来ると信じている。そしてきっとその時、彼は何かしらのヒントを与えてくれるはずだ。


まあ、一番面倒なのは、彼がどこかの国の王子などに生まれて動き辛くなることなのだが、その時はまたその時考えるとしよう。


さて、この管理システムだが、結論から言えばラーテル王国やその他の強国が押し込んだ形になる。悲しい話だが、この時代は発言力の強い国が言うだけで意見が通ってしまうという脆弱性が実に問題であった。





あ、データ飛んだ。もう一話分書き直しだ。頑張るか。


連絡ですが、Ep,22の内容と差異があったので今回の内容に沿うように若干変更しましたが、大した問題はないのでご心配なく。

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