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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第4章】初代勇者の学園生活►中等部編◄
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Ep.63 襲撃事件①

最初に言っておきます、本日三話更新です。戦闘終わりまで。

俺は雇われた暗殺集団のリーダーだ。それ以上でもそれ以下でもない。


今回の依頼はラーテル王国に留学中のネララバーグ王国の第一王子、イアノン・ネララバーグの暗殺依頼を遂行すべく、ラーテル王国に潜入した。


正直なところ、受ける気はなかったが、あれだけの報酬を用意されたら引き受けないわけにはいかない。


仲間の生活を工面してやるのもリーダーの務めだ。


しかし、受けたはいいもののその難易度は容易ではない。


そもそもの話、ラーテル王国はおかしい。明らかに世界のバランスに釣り合わない技術力。異世界の技術をも飲み込んだ上、それを魔法と組み合わせ生み出した未知数の科学力。


俺たちのような輩が仕事をやる上で一番避けるべき国だろう。


ここまでだけでもやばいが、今回のミッションとなると更に障壁が二つ立ち塞がる。

一つは、王子の護衛だ。留学と言っても一国の王子、護衛がついていないのはまず考えられないだろう。加えてラーテル王国の王女も同学年にいる。こいつの護衛も一緒に相手するのは避けたいところだ。


そしてもう一つ。本作戦の最大の障壁がラーテル王国の王妃にして、伝説の英雄の一人、ミューカ・ハピ・ラーテルがいる。

形容でもなくまさしく異次元の化け物である。


学園内では手出しは不可能。寮にも厳重な警備体制が敷かれ、突破は困難。唯一可能性があるのはこの修学旅行の間のみ。

とはいえ、いきなり仕掛けても無理なので数日かけて準備を整えた。


まず、初日は動向を調べた。可能な限りでどう動くのかを徹底的に調べ、その上でベースとなる作戦を立てた。

同時に護衛の数の特定も行った。


二日目は仕掛けるか少し迷ったが止めにした。色々とイレギュラーが起きたためだ。ターゲットがいるグループの中に転移魔法を使える者がいたことだ。そのお陰で偵察役が王子を見失ってしまった。しかし、これのお陰で王子の護衛の数を特定することができたのは朗報であった。数は二人だ。


三日目。この日を逃すと作戦は失敗に終わる。しかし、ここまで何も起きていなかったので連中の油断を狙える絶好のタイミングである。

作戦の第一段階は、街の各所で爆発を起こす。この爆発の場所だが、最初は王妃の近くと決めていた。狙いは王妃ではなく、街の住民だ。怪我人を出すことでそちらの対応に当たらせる。こいつをいかに引き離せるかが鍵になる。


俺は王子暗殺の任があるので爆発担当に任せ、報告待ちだ。

しかし、遠目から様子を見た感じ、初手の爆発は上手くいったようだ。続く二箇所目、三箇所目に行く前になにやら大規模な魔法の発動を感知したが、爆発は起きているので上手くいっていると信じることにした。


そんなとき仲間から連絡が入った。


「1、1。2、1」


「わかった」


最初の1は王妃のことで続く1は作戦通り怪我人の治療にあたっていることを示す。次の2は王子、王女二人の護衛についてであり、最後の1は作戦行動に支障なし、と言う意味だ。


つまり、行けるということである。


「来たな」


眼下には予定通り人の波が出来上がっていた。

俺は待機していた仲間三人に指でサインを送り人の波に潜り込んだ。


…そして、予定通り王子を全員で囲み、毒を塗ったナイフを四方から刺した。





…ハズだった。

視界に映る景色が一瞬にして変わった。先程までは煉瓦に囲まれた街中にいたのに、緑色の鮮やかな背が足首程度の草原に立っていた。目の前にいたターゲットはもとい、周囲にあんなに痛み大量の人も消えている。仲間たちも混乱し、動揺している。


どこだここは…。

周辺をくまなくと見回すとどこか見覚えのある景色だと気付いた。

そうだ、ここは偵察の時に来た先程の場所のちかくにある公園だ。


「リーダー」


後ろから聞こえた仲間の声に現実に戻され、仲間を見ると、視線で十数メートル先を見るよう促された。


そこには、ターゲットであるイアノンとそのグループの仲間たちが立っていた。


「ねぇ、おじさんたち、なんか用?」


そして、昨日転移魔法を使っていた少年がそう俺たちに問いた。









…と言ったものの彼らの用事の内容は概ね把握してある。


おそらく、イアノンの殺害だろう。それが何に繋がるかは知らないが、イアノンは一国の王子だし、何かと都合のいいことがあるんだろう、きっと。


「なぁ、シャック。あのマント一行は誰なんだ?」


ガルノラルクが質問してきた。


「おそらくイアノンを暗殺するための集団だ。四方からこれを刺そうとしていたし」


そう言って、ナツトはみんなに連中が所持していたナイフを見せた。

何か塗られている…毒だろうな。

それを見た全員の反応は二つに分かれた。敵はナイフがこちらにあることに気付き、少し動揺を、味方はイアノン暗殺のことを聞き深刻そうな表情になった。


「シャック、ありがとう」


イアノンが礼を言った。


「気にしないで、それよりまずは…」


「ああ、そうだな」


そう、例は後。今はこいつらを何とかするのが先だ。


「さて、戦う準備をしようか。みんな、魔法の準備して。…それとウル、これ、武器」


ナツトは収納に入れておいた片手剣をウルヴァロに渡す。

このメンバーの中でまともな武器を持っていなのはウルヴァロのみである。他は持っているから渡す必要はない。


ナツトは右手を体の前へ水を受けるように差し出した。


すると、ナツトの掌の十センチほど上に半径三十センチメートル程の光る魔法陣が展開され出す。


ほんの数秒で魔法陣は完成し、ナツトは出来上がった魔法陣を地面に向かって貼り付けるように勢いよく投げ付けた。


「さてと」


次いでナツトはすぐに上空高くに赤い花火のような魔法を撃った。

それを見た連中は表情が激変した。何やらどうするか魔法で話していたようだが、それどころではないといった様子だ。

それもそのはず、今のは騎士団を呼ぶための魔法。爆発事故で少しは遅れるかもしれないが、直にここに騎士団が到着する。


連中は、収納魔法かどこからかは知らないが、新たなナイフをその手に持ち、こちらにむかって走り出した。


……爆発の影響でこの公園に人が全然いなくてよかった。巻き込み等々は考えなくて良さそうだ。


ナツトは自身の収納から掌に収まる程度の大きさの魔石を取り出し、地面に押しつけた魔法陣の中心に向かって落とした。


「来るよ。やることは一つ。とにかく時間を稼ぐだけ。直に騎士団が来るからそれまでなんとしても耐えろ」


魔石は魔法陣に触れるとまるで氷が解けるかのように魔法陣に吸い込まれ跡形もなく消えた。代わりに魔法陣は薄っすら緑色に輝き出した。


瞬間、魔法陣を中心に巨大な結界が展開された。それは瞬時にナツトたちを包み、半径百メートルはある半球状の緑に光るドームを作り出した。


これには敵も驚いたのか、一瞬足を止めた。…が、脅威はないと分析したのか、またすぐに走り出した。



…色々ともたついてくれて助かった。素直に感謝だな。


ナツトは自身の周囲に五つのそれぞれ色の違う光球を浮かべ、片手剣を構えた。




ふと思えば、初投稿から一年経過してるのか…。もうそんなに経つのか、早い早い。

一周年おめ!

…ということでなのか今回は三話更新です。元々、この①だけ今週の予定だったのですが、なんか①更新までに②&③が書けちゃったので、もう出しちゃえ…ということで。これ毎週出してたら三週かかってたしこれでいいんでしょう。


しっかし、前座に一年以上かけることになるとは…。それもまだ終わってないし笑。


五章どうするかなぁ…悩む。

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