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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第1章】千年前の戦い
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Ep.6 初陣

「それでは、作戦開始!」

アルティオの一声で夏翔たちは行動を起こす。夏翔とアルティオは結界侵入のための魔法陣を構築し、内部で発動させておく魔法の詠唱を完了させ、突入準備を整える。

そして、遠く離れた主戦場では、ミューカ、オルウェル、マーヤの三名が派手な魔法を味方に当たらないよう注意しながら打ち込む。ミューカは上空から避難が遅れそうな兵士に最低限動けるようになる程度の回復魔法を打ち込みながら大魔法を構築する器用さまで見せる。最低限のとは言っても、そこいらの回復術師を凌駕するレベルの回復魔法である。ミューカは器用さでいうとパーティー最強である。繊細な仕事は彼女の大好物である。普段パーティーで談笑するとき以外完全クールな彼女もこのような繊細なことをするときはなぜか少し微笑んでいる。メンバーはあえていつも見ないふりをしている。この行為により、彼女を困らせる出来事が起こるのだが、それは夏翔たちにはあまり関係のない話。


「向こうは、うまくやってるみたいだね」

アルティオは少し先にいる慌ただしくしている敵魔術師たちを見て、思考共有で言った。彼らはうまくやったようだ。彼らには指揮官を優先的に狙うように言っておいたから、敵は突然前衛と連絡が切れ、相当焦っているだろう。

「みたいだね。多分、そろそろあれ来るよ」

と、夏翔が言った瞬間それは飛んできた。


「完璧だね」


それは夏翔は道中仕掛けておいた時限式設置型魔法である。時間が来たら、この結界へ飛んでいくように仕掛けておいたものだ。魔法陣自体は単純なものだ。それは単なる火の魔法。火の槍が飛んでくるだけ。ただし、ちょっと細工して、何かに当たると派手に発行し爆発するというもの。普段はこんな結界に対して牽制にもならない魔法だが、今は違う。予定通り、結界に衝突した瞬間大きな光と音を立てる火の槍。連中は、もともとパニックだった。それに追い打ちで今の魔法だ。彼らは今の魔法を見て、自分たちの場所がばれたと思ったはずだ。それに加え、前衛と連絡がつかない。

となれば、彼らがどうなるか。想像に難くない。目の前はとてつもない焦り、緊張の感情で埋め尽くされている。魔術師たちがすぐさま何人かでグループになり詠唱を始めた。どれもかなりの規模だ。連中、かなり動揺している。この規模じゃ戦場の見方も巻きこみかねないほどの大魔法だな。

「よし、来たな。これを利用するぞ。詠唱中に結界内に侵入。そして、発射と同時に叩き込むぞ」


「了解」

アルティオの命令後すぐにばれないように結界内に侵入。そして、全体を狙いやすい地点に迅速に移動。そして、敵が術を発動するのをただ息をひそめて待つ。


「撃てぇ!」

魔術師の一人が合図を出し、一斉に放たれる魔法の数々。あの魔法は、ミューカ達のところに飛んでいくが間違っても当たるようなへまはしないだろう。

「よし、ナツト!今だ!」


「了解!」

そして夏翔たちもそれに合わせて、魔法を放つ。二人の魔法が相まって大きな爆発が結界内に展開する。この結界内には、武器や火薬のストックもあったんだろう。次々と連鎖爆発が起きていた。本来の目的である、敵魔術師隊の撃退と武器の補給を砕くことに成功した。

「任務完了!直ちに撤退しろ!」


夏翔はアルティオの命令を聞き、すぐさま飛んでその場を離脱。そのまま、ミューカたちが待つ人間の砦へ急行する。




「まずは、お疲れ様!」

帰ってきてすぐマーヤが声をかけてきた。

「ありがとう、そっちもナイス陽動」


「でしょ!まあ、ミューカの指示のおかげだよ」


そう、ミューカもアルティオには及ばないが相当優秀な指揮者である。夏翔やオルウェル、マーヤの所謂庶民組には大変ありがたい存在である。


その後すぐ、全員が集まった。この戦場は、敵魔術師隊をつぶしたことで形勢が完全に人間側に傾きいた。加え、ついに勇者一行がやってきたというわけで人間側はこれまで以上に活気だっている。油断せず、人数差で押せばほぼ負けはしないだろう。となると、後の不安要素は…。


「残るは敵幹部のみだ。想定通りならここに来るはずだ。しかし、それでは、見方も巻き込みかねない。だから、理想としてはもう少し離れたところへ誘導し、全力でたたく。これで行く」

アルティオの言葉に全員が頷く。

「よし、じゃあ、作戦会議を…。ッ!この魔力反応は!流石に悠長にはしないか…。仕方ない!すぐに戦闘準備だ。できるだけ手前で戦闘を開始する!」

アルティオの話の途中、遠方より飛来する魔力反応が探知された。かなり巨大な反応だ。方角は先ほどまで夏翔達がいた方角。殺気も物凄い飛ばしている。間違いなく敵だ。それもこれまで遭遇したことのないほどの。


ほんの数十秒後。一人の黒い翼をはやした屈強な男が飛んできた。彼は夏翔達の大体百メートルほど前の空中で止まった。夏翔はそんな彼を見て、以前アルティオに聞いた話を思い出していた。







「最上位魔族?」


「そう、魔族の中でもとりわけ強く、魔力が多いもののみが成る魔族の頂点だ」


「へえ」


「魔族は主に三つの階級がある。一つは一般的に魔族と言われる階級。もちろんこの階級がほとんどだ。見た目も人族とほとんど変わらない。違いと言えば、平均的な魔力量が人族より少し多いというぐらいだ。次が上位魔族。魔力が高く、屈強な魔族が極稀に成る魔族の完全上位互換だ。敵幹部もこの階級だ。後は、そうだな、角が生えている。形はいろいろだが。…そして、それを上回る存在が最上位魔族だ」


「なるほど。それが魔王ってわけか」


「…いや、実はもう一人いる。さっき幹部は上位魔族と言ったが、一人だけ、魔王の右腕と呼ばれるモラゾールという者は最上位魔族だ」


「ああ…二人いるのね。あ、そうだ見分け方ってある?」


「あ、すまない忘れていた。最大の特徴は羽だ。立派な。上位までは羽はない。これが明確な差だ。羽のおかげで一般魔族には不可能な長時間飛行を可能としている。後、上位同様角がある。特徴としたらこれぐらいだね」






改めて、目の前の男にはそれはもう立派な羽がある。加えて、山羊の角のようなものまで。ここまで来れば、ほぼ確定である。


「お前らか?我が魔法軍を崩壊させたのは?」

男が殺意を含んだ声でそう夏翔達に問うた。


「いかにも」

アルティオがそれに答える。

「驚きだ。まさかここまでの実力を持つものが人族にいたなど」


「こちらこそ、驚いたよ。まさかここで相まみえるとは。魔王軍、魔王の右手モラゾール・トートラス」




主人公に人を指揮する能力皆無なため、自然な流れで本来ならば主人公がしゃべるセリフ全部アルティオにもっていかれているという悲劇笑。

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