表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第4章】初代勇者の学園生活►中等部編◄
52/214

Ep.46 使用する能力は___

「じゃあ、早速始めるけど、みんなが心配しているかもしれないことを先に解消しないとね」


そうニコレットは言った。


それは、各々の能力をカミングアウトするのか、ということだ。


思考がまだ年相応な方であるノアラナチアやウルヴァロはともかく、幼少期から英才教育を施され大人びた思考を持つチェルーティアやイアノンは能力がバレるのは抵抗があるかもしれない。

もう一人のガルノラルクは、知らん。


ナツトも、できたらバレるのは避けたい派だ。まだ全員信用に足るとは言い難いし、なんなら新顔もいる。この状況で何も考えずにカミングアウトするのは馬鹿でしかないだろう。


では、どうするのか。


「そこで、契約魔法を私を含めて全員にかけようか。効果は全員の能力に関することをこの七人以外への漏洩を行わない。もちろん、紙に書くこととか漏洩に関することすべてが禁止となる、というかそういう行為ができなくなるという、かなーり強力な契約魔法ね。期限はお互いが完全に信頼したときまでにしよっか」


なるほど、契約魔法か。お互いにバレるということは前提条件として、その後の第三者への漏洩をある期限まで防ぐものか。


「ホントは個別でやることも検討したけど、能力について教えることができる教員が私しかいなくてね。時間の都合上どうしても、ね。でも、メリットももちろんあるよ。それは能力保持者同士で戦闘訓練ができること。これは滅多にできないから、このメンバーに能力を明かすデメリットを引いても十分リターンがある。…私は、ミューカ学園長からみんなの能力について聞いているから、実は知っているんだけどね!」


なんだ、知っていたのか。まぁ、考えればそれもそうか。

そもそも、現在のこの世界は鑑定魔法が普及してそこそこ経っているし、これを基にした管理体制がすでに出来上がっている。現在この世界では出生後に鑑定を受けることを多くの国が義務化しているため、誰が能力所有しているのかは生まれたときから知られているのだ。

尤も、能力がどんな権限を有しているかは、更に精密な検査を受ける必要があるとミューカが前に言っていた。

学園のみならず、あらゆる方面に伝手を有してそうなミューカがそういった情報を掴んでいるのはある意味自然なことだろう。


ミューカ云々はとりあえず他所に置いておいて、今はこの契約魔法を受けるかどうかだな。


ナツト的には、「アリ」だ。ニコレットが言うように能力所有者同士で実践練習ができるのは大きい。

このラーテル王国はちょっと技術が進みすぎて忘れがちだが、この世界は魔物が普通に存在する。この都市部が平和なだけでラーテル王国内にも魔物は存在する。そのため、戦いの心得というものは現在のこの世界でも必須のスキルであるのだ。

それに海外に行けば盗賊やらもわんさかいる。

そういったことを考慮すれば、メリットの方が大きい、というのがナツトの考えだ。


それに、年齢が近い者同士で切磋琢磨できるしね。




それから、もう一度この契約魔法を受けるかどうか考える時間が与えられた。


全員既に腹が決まっていたのかニコレットが答えを聞いたら全員が「受ける」と答えた。


チェルーティアとイアノンが迷いなく、しかも率先して受けるといったのは正直驚きだった。


「じゃあ、先に契約魔法をかけるよ。全員私のそばに集まって。…よし、じゃあ行くね。…………我ら契約を絶対順守し、破ること決して非ず。今此処に契りを交わん___高度契約魔法(ハイディラジック)"約束(プロミス)"!」


ニコレットは緑に光る契約魔法を発動させた。実に素晴らしい腕前だ。まず、魔力で契約魔法陣を作り出し、そこにさらに詠唱魔法を組み合わせることで非常に複雑で強固な立体的魔法を構築した。

この魔法陣と詠唱魔法の組み合わせは当然相当なレベルの魔力操作が要求される。常人がやればその維持がとても難しく発動までにかなり時間がかかる。そのため実戦では普通は使われない。余程の余裕があるときぐらいだ。

それをなんなくこなす辺り、ニコレットは端的に言うと化物である。



「さてと、これで大丈夫。問題なく発動できたよ。そうだね…私から言おっか。私の能力は、『増幅』。できることを簡単に言うと魔法を強くできるよ~って感じかな?…………っていう具合にざっくりでいいから言っていこっか!じゃあ、次はチェリー行っとく?」


「はい。私の能力は『変換』。まだ完全に制御できていないので、すべてを把握できていないけど物事を何か別のものに変える能力です」


へぇ、「あれ」関連じゃないんだ。いや、流石にそこは遺伝しないか。あ、あれって言うのはアルティオとミューカの持っている能力にある、とある共通点のこと。今は端折るけど、いずれ触れよう。


次はミューカの隣にいたノアラナチアだ。


「私の能力は、『省略』です!…でも、何ができるかまだよくわかってないです…」


そう言ったノアラナチアは少し気まずそうだ。そんな彼女を見てすぐさまニコレットがサポートに入り、「最初はみんなそんなものよ」と言っている。


「あ、俺の番か。えっと、俺の能力は『細工』。ノアラナチアと同じでいまいち何ができるのかわかってないです」


ノアラナチアの隣にいたウルヴァロが流れで答える。これにより流れができて必然的に次はその隣の人物になる。隣にいたのはイアノンだった。


「私は『集中』の能力を有している。何かに一心不乱になりたいときは集中力を意図的に操作したり、魔法をどこかに集中させることもできる」


なるほど、強いな。というか自分で集中力を調整できるのが強い。作業とか雑念無しでできるってことだ。つまりは常にゾーンということか。執務作業とかそういう仕事がとても捗りそうだ。王族にとっては最高の能力なんじゃないだろうか。


そして、ナツトを除けば最後のガルノラルク。


「俺の能力はッ!『遠隔』です!遠くからいろいろできます!」


ほう、これはまたまた、お強そうなのが来たね。ガルノラルクの能力もかなり便利なものかもしれないな。




そして、最後、か。この能力開示にあたって、先ほどミューカから説明がされていた。





「で、ナツト。貴方の能力は『記憶』の方で登録されているわ。もう一つの『誘導』の方は、秘匿されているわ」


学園長室でコーヒーを飲んでいた時こう言われたのだ。その理由は、千年前ナツトが全面的に使用していたのがこの『誘導』の方であった。『記憶』の方は主にサポートで使っていたので表に出てくることはほとんどなかった。

時代が進んで現代となった今でも、千年前から名前違えど残っている国がいくつかあるので、世界のそこそこ多く場所に千年前の記録が残っているそうだ。国によっては、ナツト達初代勇者パーティーの能力を含めた戦闘力についてどこまでかは不明だが記録してあるものが存在する可能性があるらしい。

そのため、特にマークされるであろうナツトの『誘導』はできる限り隠しておくのがいいというわけだ。


『記憶』の方も一部の人間には存在が知られていたが、それは当時のサタナル王国、つまりアルティオの国の上層部の人達で、加えて信頼のおける者達だったそうだ。王族命令で何かに記録しないように命じられていた上、長い歴史の中でサタナル王国は完全に滅亡した。そのため、『記憶』の方については資料はほとんど残っていないと考えられるそうだ。


それに表に出ず体内で完結できることが多い『記憶』であれば、誤魔化しもしやすいだろうという狙いもあった。


ミューカは担当教師は勇者であったナツトの能力は知らないので、安心して『記憶』を使ってね、と締めくくった。





というわけで、僕が今後メインとして使う能力は_____


「僕の能力は『記憶』です。見たもの聞いたものすべて覚えます」


正直に言うと、僕の能力が戦闘という観点から考えれば一番パッとしないかもしれない。それに、世の中にはこんな能力なくても記憶力お化けの人たちはいるし、努力して身につける人もいる。それなら完全に死に能力ではないのか、と思われるかもしれない。が、そうではないことをナツト自身が一番わかっている。


能力の出力が下がった理由も不明なので、これを通して存分に解明することにしよう。







メリークリスマス!

もうすぐ2021も終わりですね。私的には早いものです。


察しました。この作品、想定よりきっと長くなる。頭の中の構成を考える上でどうあがいてもこれぐらいで終わりたいなぁ~って思っているぐらいの話数では収まらないんですね。この第四章がまったく進んでいないのに既に十数話ある時点でお察しなんですがね。


ちなみに、主人公の年齢が上がるにつれて戦闘が増えますね、おそらく。


さて、来年も更新頑張りますか!


次回更新予定日は元日になっているので、皆さん、よいお年を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ