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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第4章】初代勇者の学園生活►中等部編◄
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Ep.42 学園内探索

入学式の翌週から、早速授業は開始した。


服装だが、制服の上に防寒用の学校指定のセーターを着ている。もっと寒くなればこの上にブレザーを着る。入学式のときはマントを着ていたが、あれは所謂正装。全校集会とかそういう時にしか使わない。そのため、普段の生活で無理に着る必要はないのだ。


若干数着ている人もいるにはいるが、ナツトは堅苦しいのは好きではないので楽なセーターを着ている。



さて、授業が開始したといっても、初回であるため今日は午前で終わりだった。内容は各担当の先生の自己紹介であったり、授業の概要説明であった。そのため、今日はとても楽だった。


授業時間は中等部、高等部ともに一コマ五十分。休憩は十分。妥当な時間だと言えるだろう。


「ねぇ、あなた、ちょっといい?」


授業終わりに声をかけられた。それ自体はいいんだが、まさか相手から来るとは思っていなかった。


「!…王女様。何か御用でしょうか?」


「そんな敬語はいらないわ、普通に接して。イアノンと同じようにね」


おや、イアノンとはもう話していたのか。ああ、そういえば朝に登校してきたとき話していたのを見たな。


「じゃあ、チェルーティア姫?」


「姫もやめてよ、チェルーティアでいいわよ。あなた、名前、シャックであってる?」


「はい、いや…うん。あってるよ」


「じゃあ、よろしくシャック」


「こちらこそよろしく、チェルーティア」


王女から挨拶を求めてきた。ちょっとびっくりだ。だが、これ差し出されたら手を取らないと何が起こるか。絶対に握手しないといけないやつだ。彼女の容姿は誰が見ても可愛いや美しいというだろう。アルティオやミューカに似ているから、ナツトにとってはそこまでだが、少し緊張した。


そうそう、この世界は呼び捨てが基本だ。「さん」とか「君」とか「ちゃん」は付けない。千年前ナツトはこれに慣れるまで結構時間がかかったが、今では特に躊躇いなくできる。慣れとは恐ろしいものだ。


ナツトは授業終了後、学園内を見て回ることにしていた。

最初は一人でゆっくり歩き回るつもりであったが、イアノンが学園内を見ないか、と誘ってきたので一緒に行くことになった。

最終的に、それを聞いていたチェルーティア、加えてイアノンが誘ったノアラナチアとウルヴァロの計五人になった。


先ずはお昼だ。すでに食堂には多くの生徒で賑わっていた。しかし、ここにナツトにチェルーティア、イアノンと容姿が目立つ人間が三人もいたことで周囲の目線が一斉に自分たちに向いたかのような気がした。ナツトでも相当視線を感じたから、顔が知られているチェルーティアはもっと凄かったかもしれない。


さて、気になるメニューであるが、大体日本と似たり寄ったりと言っていいだろう。

パン、麺、ご飯などの炭水化物に、メインの日替わりメニュー。もちろん固定メニューもある。後はスープ等の汁物にお惣菜やサラダ、デザートなど。どれも各自が好きなように選ぶことができる。金額も学生向けの優しい価格だ。

和食というものは千年前から既にあった。というのも、ナツト自身が伝えていたものが残っていたというべきか。千年前の時点でどこから漏れたのか勇者が来た地球というところには和食というものがあるらしい、みたいな噂が結構広まっていた。ただ、ナツト自身、和食を知っていても作れるわけがない。そもそも料理人でも専門家でもないド素人もいいところの人間が知識でどうこう出来るわけがなかった。ここが、能力である『記憶』の弱点でもあるのだが、それは今はどうでもいい。

つまりは、千年前はナツトが言っていることから似せて作った模造品、到底和食とは言えない代物だった。尤もそんな知識だけで和食ができたら怖いぐらいだ。日本人が何世代も積み重ねてきたものを聞いただけで「はい出来ました!」はちょっと、いやかなり許せない。

まぁ、そういう訳で千年前は和食と言えるものは食べられなかったわけだ。米も「品種改良って何?」みたいな時代だったから美味しくなかったし。

しかし、学園内の料理を見るに和食っぽい料理が所々で見られる。ナツトの後にやって来た日本人がナツトにはできなかった和食を完成させたのだろうか。


とにかく、和食を完成させてくれた人に最大限の感謝を心の中で行い、初のメニューは秋刀魚のような細長い魚を塩焼きしたものにした。

焼きたてのものがちょうど出来上がっていたのでそれを取って専用のトレイに乗せて、列を進む。白米とお惣菜、ついでにサラダを取った。味噌汁は豚汁があったので迷わず取る。

この世界にも豚はいる。家畜用はもちろんのこと、自然には豚が魔物化したとされるオークとかいう大きな豚さんもいるが。

支払いは、学園から支給される生徒証ではない、学園内専用の支払いカードで行う。チャージ制のカードで学園内に散在する専用の機械でチャージできるようになっている。食堂以外でも、学園内にある筆記具やお菓子などを売っている店、要はコンビニエンスストアのようなものでも使用可だ。


その後、無事に五人分の席を抑えることができたナツト達は談笑しながら昼を楽しんだ。推薦入学の二人はご飯代の安さやバリエーションに驚いた。一方で王族組はこのような場で食事をすることに若干戸惑いながらも結果的に楽しそうに食事していた。

五人は各々が取ってきた料理を見比べて、それ美味しそうだなとかいうありきたりな会話やこれからどの順番で見て回るかや今はどういう風に生活しているかなどいろいろ話し合ったのだった。


「グラル学園マップ」

挿絵(By みてみん)

①北館:8階建て。中等部教室、購買部、実験施設等。  

②学習館:5階建て。1階に食堂、購買部、多目的ホール。2階~4階に図書館。5階に自習室と屋上テラス

③南館:4階建て。高等部教室。

④資料館:2階建て。ラーテル王国にまつわるものを展示している。入館無料。2階部分は自習スペース。

⑤大噴水:大きな噴水。

⑥外用着替室・サークル部室:外で体育の授業をする際に着替場として使う。運動系サークルの部室有。

⑦魔法訓練場:3階建て。その名の通りの施設。ワンフロアが縦も結構高い。3階建てだが南館より少し高い。

⑧総合体育館:地下に温水プール。1階にジム施設。2階に第一体育館。(第二は北館内にある。)

⑨学生寮:説明不要と判断。

⑩グラウンド:広いグラウンド。魔法の仕掛けが施されており、任意で芝生に切り替えが可能。

その他:門の隣の建物は警備員がいる。記述忘れだが地図上が北。西洋風の建築。細部までこだわった繊細な建築で白い校舎と群青色の屋根が特徴的。全体的に城のような印象。学習館は四角い塔で魔法訓練場は丸い塔である。グラウンド以外の地面はレンガが敷き詰められている。木々も多く、天気のいい日はキャンパスを歩くだけでリラックスできる。


昼食後、最初に向かったのはグラル学園が誇る三フロア分の図書館である。図書館はナツト達がいる食堂の上、つまり二階から四階にあるわけだ。よって、移動するのに一分もかからなかった。

入り口で生徒証の認証をして、入館する。二階は簡単な魔法書や小説等の普段の生活で活用するための本や楽しむための本が並ぶ。三階は初等部、中等部で学ぶようなことを取り扱っている本が並ぶ。四階は高等部以上のもの。五階は分厚い本が並んでいると言えばわかるだろう。


二階には本校舎にあたる北館と南館に繋がる渡り廊下がある。南館は高等部の生徒が主に使うので今はまだ、多く行くことはないだろう。尤も、ここのサークル活動は中等部から高等部までの生徒が一緒になって活動しているので南館の教室をいつも使っているサークルに入ると南館にお世話になるかもしれない。


今は、そこまで興味ないというのが全員の意見で統一したので、中等部が主に使う北館に向かった。

北館は生徒階(二から四階)より上は、自習ホールや多目的室、会議室、実験室に倉庫、音楽室、第二体育館などなど、とにかく思いつく限りの施設が詰まっている。

一階は理事長室や一番大きな職員室(何か所か職員室はある)、購買部などがある。



ここで外に出た。ちょうど中庭に出て、目の前に総合体育館があった。凄いことに、内部に二つの体育館

があり、地下には温水プール、果てにはジム施設まであるそうだ。

最早日本の大学の設備にも引けを取らないレベルである。



あとは、総合体育館の隣に広いグラウンドがあり、学園南側にラーテル王国の歴史を追うことができる資料館と学生寮があるといった感じである。


そうそう、探検中結構サークル勧誘された。午前授業なだけあって、今日学園内探索している生徒は多いようで、先輩方は学園中を歩き回っている新入生を引き込もうと躍起になっていた。

しかし、チェルーティアがいたのでナツト達グループに声をかけることは流石に勇気がいるのか、声をかけることができたサークルはそこまで多くなかった。


一通り見終わった後は、全員の仲は結構よくなっていたと思う。わかりやすい例だと推薦組の王族組と話すときの緊張感というものはなくなったように思える。

チェルーティアも満足そうだし、彼女の学園生活が初っ端から躓くってことは無事回避できたようだ。

今度アルティオに報告しておいてやるか。



……サークル、折角だし何かするか。考えておくか。




使うつもりはなかったのですが、説明面倒だったので挿絵として地図をぶち込みました。

読み手からしても、こっちの方が遥かにわかりやすいはずです。これぞまさに百聞は一見に如かず、ですね。


と同時にこの星、イストヴィラスの「簡単」な世界地図も作っておきましたので、そうですね……「登場人物まとめ&その他③」と「Ep.22」に貼っておきます。多分、これが投稿される二週間前から見ることができているので知っている人もいるかも…しれませんね。五分で描いたので画力は期待しないでください。あくまでイメージのためです。画力のない私に期待はしないでください。


では。

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