表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第3章】ラーテル王国建国祭
35/214

Ep.32 建国祭三日目

武闘大会本戦でのお話がメイン。戦い自体はさほど詳しく書かない。

今日は武闘大会本戦の日。会場は既に生で見たいという人たちでいっぱいだ。早めに会場に行っていたことが大正解だったのか、無事に客席に座ることができた。

祭り初日に会場に来たときに、会場内部にあった特別観覧席がどこにあるかの把握は済んでいる。何ブロックか特別観覧席は設置されているが、一つだけとりわけ豪華な席が設置されていたブロックがあった。二日前もそこだけ誰も座っていなかった。その席は会場の観客席より一段高いところに設置されており、ガラス張りで屋内になっていた。

アルティオが観戦するならばあの席以外は考えづらい。少々賭けになるが、闘技場を挟んでその特別観覧席の反対側の席を取った。

今は目がかなりいいし、なんなら魔法で遠視もできるが、念のために会場入り口に売っていた双眼鏡を購入した。




人々の興奮が高まっていく中、会場中に声が響き渡る。

「さぁ!皆様!いよいよ、武闘大会本戦が始まるぜ!本日の実況もマーク・ロイスターが務めさせていただくぜ!!まずは国王様からのお言葉です!!」

その言葉を合図にして司会席に一人の男が入ってくる。もちろんその男はこの国の国王、アルティオだ。

アルティオは置いてあったマイクをとった。

「武闘大会を見ている諸君、今年もこの日がやってきた。国中が沸き上がるこの武闘大会の日が。彼らが一体どんな戦いを繰り広げてくれるのか、大変楽しみである。さぁ、私と一緒に見届けようじゃないか!」

会場内で大歓声が起こる。司会進行役のマークは少し落ち着くのを待ってから予定通り進行していく。第一試合の組を会場中のモニターに映し、各組の注目点を挙げていく。

参加者は初日で勝った五人に、去年度の優勝者と準優勝者、世界各地の武闘大会の優勝者四人とラーテル王国も含めた各国の推薦者五人を合わせた計十六人。意外にも祭り初日枠が少ない。

アルティオが席に着いたのを確認し、「それでは、第一試合を始めるぜ!」と叫ぶ。


会場がより沸き立つ中、夏翔はアルティオを見ていた。

一試合目が始めっても、興味があるのはアルティオで耳には何やら解説の声が聞こえるが、ただ聞こえるだけで、試合内容は一向に頭に入ってこなかった。

席に座るアルティオは試合を面白そうに見ている。そばには黒スーツのいかにもガードマンの格好をした男が複数人いる。その中の一人だけアルティオのそばに付きっ切りでガードマンらしからぬ飲み物を準備したりしていた。


アルティオが闘技場から目を離し、観客を見渡すようなそぶりを見せる。

その視線が正面の夏翔を見た瞬間止まった。アルティオの視線はそこから動かない。お互いに目が合う。また、心臓が大きく鼓動する。

しばらくお互いが真剣な表情で向かい合っていた。少しして、アルティオがフッと笑ったのがわかった。

それを見て、ハッと意識が返ってくる。

なぜか、夏翔は何もなかったように視線を試合の方に移し、楽しんでいる少年を装った。

なぜこんな行動をとったのかは自分でもわからなかった。ずっと視線を合わせていて恥ずかしくなったからだそうか。いや、なんで恥ずかしいんだ?

頭の中では別に変なことはしていないし、彼と再会できたことはいいことじゃないか。なんで目をそらせるんだ、と言っている自分がいる。

確かにその通りなんだが、理由のわからない恥ずかしさがそれをよしとはしなかった。




初めて試合をまともに見る。戦っているのは予選の第一試合で勝った、名前は確かエリュンド・コアルとどこかの国の推薦枠の鎧騎士であった。

決勝戦は使用防具・武器共に自由での戦いだ。

しかし、残念ながら実力差が明確でエリュンドがいくら攻撃を仕掛けても一向に届く気配はなかった。エリュンドもそれがわかっているようだ。だが、彼は笑っていた。彼は自身の持つ手札を惜しみなく出していた。鎧騎士はそれをすべて正面から受け止めている。エリュンドの方が手数は多いが、ダメージはエリュンドの方にしかない。

想像だが、彼は今あの鎧騎士の胸を借りる思いで戦っているのかもしれない。全力で当たっても、一向に攻撃が届かない。だが、相手の攻撃は自分にあたる。自分に足りないところはどこか。それを必死で模索し見つけようとしているように見える。


お互いが最後の攻撃を仕掛ける。エリュンドは吹き飛ばされて場外に出て負けになった。しかし、彼の最後の一撃は鎧騎士の鎧に傷を付けた。エリュンドは衝撃で気絶しているが、満足そうな表情をしていた。最後に何かつかめたのかもしれないな。




二試合目からは、一試合目と異なり実力が近しい者同士の熾烈な争いが繰り広げられていた。少なくとも、Sランク並みの実力を有す者達だろう。人々は滅多に見ることができない最高峰の戦いを食い入るように見ていた。


やはり、これぐらいのレベルになってくると、彼らの持つ技術一つとっても素晴らしいの一言だ。例えメインが剣を使う前衛でもそこいらの魔法使いを凌駕するレベルの魔法制御を有している。

それに、能力らしき力を扱っている者も少なくない。互いの実力、互いの手札の数だけ戦いは複雑に面白いものとなる。互いが極限の集中を維持し、もし一瞬でも隙をさらすものならそれを起点としてあっという間に試合が終了してしまう。

そんな手に汗握る戦いが続いたのであった。



八試合が終わった。これで出場者が半分になったわけだ。今は少し休憩時間になっている。

試合の途中に何度かアルティオの方に視線をやったが、なぜか見るたび視線が合った。


本当に今日で全試合行うの、と疑問に思っていたが先ほどアナウンスが入り、今日はあと四試合で終わりということになった。


早速と言わんばかりに試合が再開した。出場者たちの傷はどうするんだと一瞬考えたが、その心配は杞憂であった。試合で負っていたはずの傷は完全に無くなっていた上に動きも問題は見られなかった。

先ほどの休憩時間で裏で回復を行ったんだとわかるが、体力まで戻せていたとは回復にあたっている術師はやはり相当な腕前だ。


ここまで何試合もあったわけだが、一つ気になる点があった。解説実況を行っているマークだ。今もそうだが繰り広げられている戦いは、ここにいるほとんどの観客の知っている戦いとは次元が違うのだ。簡単な例は出場者達の移動スピードやたまに繰り出される大魔法。スピードは速すぎて常人はまず目で追えない。魔法は牽制として出すものはまだわかるが、個人でアレンジを加えていたりする魔法はパッと見ではどんな魔法か普通は理解できない。


しかし、このマークはほとんど完璧に戦いの状況を観客達にわかりやすく解説していた。凄い魔法が出てきたと思ったら、すぐに彼がそれを解説してくれる。観客達からすればとてもありがたい存在だろう。何が起きているかわからなくても彼がちゃんと解説してくれる。お陰で飽きることなく観戦できる環境ができていた。今思えば不思議な話であった。普通解説席には実況と解説の最低この二人がいるはずだ。しかし、この武闘大会には解説はおらず、マークが一人で両方の役を担っている。

このことはマークが戦闘に精通していることの証明だ。それも、かなり上の実力だ。

流石はラーテル王国主催の武闘大会というべきか。得体のしれない人達でいっぱいだ。


三章終われば、二・三章分の纏めを入れるか悩んでいるところ。入れるとしても、今後も出てくる可能性濃厚な人物紹介ぐらい?かな。

まぁ、その辺は気分でやるやらないを決めます。


あと、今回から一部表記の仕方の変更を行います。今回はあまり関係ありませんが、以後は”~。」”から”~」”になります。どうやらこちらの方がなろうでは一般的なようで。

追記(2022.2/6)≫これより前の話すべて”」”に置換しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ