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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第2章】王国に向けて
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Ep.24 友のいる場所に向かって…

これまでなにかと避けてきましたが、一日二十四時間制にします。

ただし、一秒の定義が地球と同じではないので二十四時間が地球と必ず同じであるということではありません。ただ一日を時間という面で二十四分割しているだけです。

さて、ルドバギッシュ王国に着いたわけであるが、ラーテル王国に行くための船を確保しなければならないわけなんだが…。


絶対にわかりきっていることは、今いる場所から港まではきっととんでもなく遠いのだろうということだ。できることなら、最短ルートで港に向かいたいのだが、今日初めて来る国の地形など把握できるわけもなく、適当に進んでも路頭に迷うだけであろう。


ならば、道にたまに設置されている案内板を頼りに進むのがもっとも現実的だろう。



暫く標識を辿っていくと、なんと港と書いてあるものがあった。

なんだ、意外とあっけなかったな。この標識通りに道をたどればいいわけだな。お、ご丁寧に距離を書いてくれているな。えーとこの単位は確かキロメートルに直すと、大体…百、キロメートル……。


歩く距離じゃないな。今は昼過ぎ。なにかいい移動手段はないものか。

すると、標識に別の施設の表示があることに気付く。それは「冒険者ギルド ルドバギッシュ支部」だった。

夏翔は収納から以前貰ったギルドのパンフレットを取り出し、受付についてという項目を見た。


ギルドの受付は、依頼受注のほかに登録や登録解除ができるぞ。他にも、ちょっとした相談も無料で受け付けてくれるのだ。


よし、ギルドに行こう。


今更だが、ルドバギッシュの街並みは白い模様入りの道に赤系統の壁で黒やこげ茶色の屋根の建物が並んでいる。建物の素材は主に木材のようだ。近くで見てみると木材に何か赤いものを塗り込んでいるように見える。

ギルドの支部も周りの建物と同様の見た目であった。大きさは全然異なっていたが。


ギルドに到着し、早速入る。入った瞬間、中にいた人たちに睨まれるが無視して受付に向かう。昼時だからか、ギルド内は予想より人が少なかった。


「ようこそ、ルドバギッシュ支部へ。本日はどんな用事かな?」


やはりこの子ども姿では、受付の人の口調は砕けるのだろうか。と、そんなどうでもいい思考は端に追いやり、港に行ってラーテル王国行きの船に乗りたいと伝え、どういうルートが一番おすすめか尋ねる。


「それならね、これに乗るといいわ」


と言って、受付の女性は地図と、一枚のパンフレットを引っ張り出した。

女性が指さす地図を見ると、どうやらこのルドバギッシュはいくつもの大きな川と、それから分岐したりした川が多く存在していて、たいていの川に人々を運ぶ船があるということだった。

女性が言うには、夏翔が乗りたいラーテル王国行きの船が出ている港はさっきの標識にあったの港ではなくだいたいこのギルドから百二十キロメートル先にある港の方だと言った。

そしてこの川の船に乗ると大体四時間で港に着くことができるようだった。

パンフレットの方にはその船の運航ダイヤが印刷されていて、地図と一緒にパンフレットも渡された。


受付の女性に礼を言い、ギルドを出る。


パンフレットによるとその船は今日はあと二本しか出ない。少し急ぎ目でその川に向かう。


小走りで走っていると確かによく川を越えるために橋を渡る。どの川にも船が通っていて、人力のものもあれば機械で動いているものもあった。しばらく走り、目的の川に到着する。

その川はこれまで通ったどの川より太く、視線の先にパンフレットの表紙に張り付けられている船と同じものが止まっている。

時間的にあれが今日の最終の船だ。よかった、目の前で出発されるという悲劇は避けることができた。


階段を下りて乗り場に向かう。乗り場には人々が既に何人か並んでいた。その列に並び、近くにあった看板に記されていた船の料金の支払い方法を確認する。


どうやら船の前に置いてある発券機で自分が乗る場所までの料金を先払いし、チケットを購入。それを船内入り口のゲートに通して、降りるときも再度ゲートに通す仕組みになっていた。

あれだな、電車と同じだな。

隣に料金表があるので確認する。自分が降りる場所は、終点だな。料金は…一万ソートか。結構とるな。まぁ、でも百二十キロメートルだしな。


暫くして、列が動き出した。乗り込みが始まった。


夏翔は焦ることなく一万ソートを投入し、チケットを手に入れる。

それをそのまま入り口ゲートに通して、船内へ入る。


前の方に並んでいたので船の前方の窓側の席に座ることができた。

夏翔が座ったところは一応二人席であったが、誰も座ることなく船が動き出した。大体席の八割ほどが埋まっているだろうか。


意外と静かなエンジン音だった。この程度の音なら音が気になって眠れないという人もいないだろう。

造船技術が高いと聞いていたが、成程確かにこれは相当なものだ。それにてっきり人力が主流化と思っていたがちゃんと機械の技術もある。時代の進歩を感じるというものだ。


暫く窓の外の景色を眺めていたが、いつの間にか船の振れで眠くなり、眠ってしまっていた。


船内の間もなく終点です、というアナウンスで起きたころには外はすっかり夕方になっていた。また昼を食べ損ねたな、と思った。乗っていた乗客は見たときにはかなり減っていて、船内の席の一割ほどの人数まで減っていた。




船が終点に着き、次々と船外へ乗客が降りていく。夏翔もそれに続き船を降りた。

降りるとすぐに潮風が流れてくる。ふと目をやると向こうに群青色の海が見えた。そして、そこに大きな客船が停泊していた。


近くにあった標識に船のチケット購入はこちらです、と書いてあったのでそれに従い歩く。

少し歩くと大きな建物に行きつく。周囲には別のそれらしい建物もないし、看板はここを指しているようで間違いないようだ。

中に入るといくつか受付があり、その中に「ラーテル王国行き」とある受付に向かった。


ラーテル王国行きの船はどうやら港にあったあの大きな客船のようで三日に一回出港しているそうだ。


ラッキーなことに明日出港予であり、まだ空きがあった。一番安い部屋で八万ソート。聞けば二日で到着するとのこと。一日目は昼、夜付きで二日目は三食付き。ちょっと高い気もするが、今のこの世界の相場なんて知らないし、諦めよう。

一番安い空き部屋を取り、予約を完了させる。

出港は明日の朝九時ごろ。遅れないように気を付けてくださいと念を押される。


乗船券を収納にしまっておき、食事処を探す。

すると、なんと海鮮丼を発見したので、とりあえず堪能してきた。


まさか生の魚をこんなところでいただけるとは。それに今食べた店の米はいつか食べたホテルの米の数倍美味しかった気がした。


その後、格安の寝るためだけの所謂カプセルホテルがあったのでそこで一泊した。ここにもシャワーがあったのだが、あのホテルとは異なり一括払いができた。あのホテルが悪質だったことが証明された。


翌朝、早くに目が覚めた夏翔はパンをかじりながら港に向かった。問題なく乗船でき、取った部屋に向かう。

流石に一番安い部屋だと言っても、そこそこの広さでベッド以外のスペースがかなりあった。椅子と机もある。窓もついていて外の景色もちゃんと確認できる。

そして硬貨を入れる式のシャワーが付いていた。どこまでもつきまとってくるようだ。



それからしばらく経って、船の出向のアナウンスが入る。

そしてゆっくり船が動き出し、ルドバギッシュ王国を後にする。


次、この船が止まる場所はラーテル王国だ。かつての居場所についに到着するのである。



































某国某所。


一人の人物が窓を見つめ、何やら悩んでいるようだった。


「どうした?お前が悩んでいるなど、随分珍しいな。何かあったのか?」


そう言って一人の男が話しかけてた。


「悩みがあるなら、聞いてやるぞ。最近は気分がいいのでな。…ほら、言ってみろ」


そう言う男を見てその人物はようやく口を開き、男とも女ともとれる中性的な声で答えた。


「…いや、そういえば今年はかの勇者が死んでから千年目だな、と思っただけですよ」


「…初代勇者か、そういえばそんな年だったか。それがどうかしたのか?死んだ過去の者のことを考えても何も生まれないぞ?」


「ええ、存じておりますとも。ただ本当に思っただけです」


「まあいい。なんにせよ、仕事に支障が出ない程度に留めておけよ」


「…はい」

二章の最終話です。次回から第三章。二章は随分とファンタジー要素がありませんでしたね。

この世界の人々の生活の中には魔法だけではないということです。


そして、いつの間にやら26部も書き上げていると。


というか第二章を三日で書き終わるって…。笑っちゃいますね!

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