表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第2章】王国に向けて
25/214

Ep.22 図書館にて情報収穫祭

次の日、十分日が昇ってから図書館に向かう。

早くに行っても開館時間になっていなかったら入れないのでこれぐらいの時間だったら開いているだろうと思う時間になってからホテルを出た。朝ごはんは出ないホテルだったので道中見つけた出店にあったホットドッグみたいなものを食べておいた。


レンガの坂道を上ること数分、目の前には大きな石造りの建物が現れた。建物の周囲は木々に囲まれ、その建物と夏翔の間には立派な噴水が設置されていた。

建物の前に大きな岩が置かれて、そこには図書館とあったのでここが目的地で間違いなさそうだ。


建物内に入る。内部は外と比べかなりひんやりとしていて、過ごしやすい温度だった。内部に別に図書館内への入り口があり、「開館中」と標識が置いてあった。

その標識の下には本も持ち出しは禁止です。また原則一般の方への本の貸し出しは行っていませんと書いてあった。


入り口にはゲートのようなものが設置されていて、ゲートにはここに手をかざしてくださいとある。手をかざすと機械音が鳴りゲートが開く。おそらくだが魔力を記録しているのだろう。セキュリティ対策はかなりしっかりしてそうだ。

図書館内は灰色のカーペットが敷き詰められており、規則正しく石の柱が並ぶ。その間に木製の大きな本棚がいくつも並ぶ。奥には階段も存在し、二階もあるみたいだった。

館内地図が入り口付近に置いてあったので早速確認する。

一階は児童書コーナーに、雑誌、生活関連の本などか。主に日常生活に重きを置いた配置だな。

二階は歴史書や魔法関連の書物などか。今見たいのはこっちかな。


でも、せっかく来たのだし一階も一通り見ておくことにしよう。

一番近い児童書から。この世界の図書館の児童書がどんなものか気になる。

紙芝居、絵本が多いな。

児童書コーナーで気になる本を二冊見つけた。一冊は『太古の伝承』と呼ばれるもの。英雄伝だったり邪神伝とも呼ばれていたりするが、これは千年前にアルティオ達から聞いたことのある話だ。確か太古に現れた邪神を五人の英雄たちが撃ち滅ぼしたとかいう話。実際に似たようなものと戦った者として勇者の力なしでよく戦ったものだなと感じる。もっともこの話が実話だったらの話だが。

もう一冊は『新・英雄伝』というものだった。パラパラッと見てみたが、内容が太古の伝承に似ているが、どうやら知っている話ではない。自分が死んでから作られたもののようだ。もう一度表紙に戻って読んでみた。


[しん・えいゆうでん]

むかし、でんせつのじゃしんがあらわれました。

じゃしんはひとびとのまちをこわすため、まちにむかってすすんでいました。


そんなとき、ごにんのえいゆうがたちあがりました。えいゆうたちはみごとじゃしんをたおしました。

しかし、じゃしんはさいごのまほうでせかいをみちづれにしようとしました。


それをえいゆうのひとりがおさえこみ、せかいをすくいました。

でもそのえいゆうはせかいをすくったかわりにいのちがなくなってしまいました。


かなしんだほかのえいゆうたちはかれにまほうをかけました。

それは、またいつかあえるように、というねがいをこめたうつくしいまほうでした。


そしていまも、のこったえいゆうはいなくなったかれがかえってくるのをまっているのです。


おしまい。



読みづらいのは仕方がない、児童書なんだから。これって、もしかしなくても自分の話だよね。滅茶苦茶恥ずかしい気持ちになる。

残りの英雄が帰りを待っているというところが本当であることを願うが、実際はどうなのかまだわからない。だがそれも二階に行けば、直にわかることだろう。

でも、要点は結構うまい具合にまとめられているな。著者は、ティアメシア・サーラ・アーティアゴ、か。女性かな。

絵本だから当然絵も描かれている。独特なタッチの絵だったが、見にくいわけではない。

本の最後には、この話はこの星で実際にあった出来事です。私たちは世界を救った彼のことを知っておかなければなりません、とかなり真剣な感じで書いてあった。



一階を見て回ったが、他にはこれと言った本がなかったので二階に向かう。

二階は一階と打って変わって、分厚い本が多く見られた。


階段の一番近くにあったのは歴史書のコーナーであった。何冊か取ってきて内容を比べ、自分がいなくなってからの歴史をなぞっていく。

結果、やはり千年という歴史がいかに長い時か思い知った。

おおまかな歴史の流れを言おう。



夏翔がいなくなってからというもの、アルティオ達は不完全だった国の整備等を進めた。それと合わせて、先の魔王が再び世界を脅かす前に世界の結託をより強固なものにしようといくつかの国が声を上げる。だが、そんなものはいらないという国が出たりとなかなかうまく進まなかった。

そんな時新たな魔王が誕生したことで新たに聖国は勇者を召喚したりと徐々に国と国との繋がりが脆弱なものとなっていった。


ある時、主大陸(ラーテル王国がある大陸でない方)全土で大きな戦争が起きる。その中で多くの国が滅亡に追い込まれた。これは後に暗黒戦争と呼ばれた。


ラーテル王国の尽力により戦争は終結に向かうが今度は各地で魔物が大量発生する。

多くの国が滅ぶも、残った国々が乗り切り、世界の今後を協議した。


それから時が経ち、対魔物のための組織である「冒険者ギルド総括管理指令組織」が誕生。各地に冒険者ギルドを設置。人びとの足踏みを揃え魔物討伐の安全性を向上させた。

そこからは世界を巻き込むような大きな事件は少なくなった。


しかし、度重なる新たな魔王の登場により、その都度勇者を召喚する聖カーリエ国に対してラーテル王国が不信感を募らせ勇者召喚を止めるように呼び掛ける。二国間の関係が悪化。

聖カーリエ国内で不信感を持つ者たちが現れ、結果新たな宗派が誕生し、国を二分する。後に国内紛争にまで発展し、最終的に新宗派が勝利をおさめ、国名を真聖カーリエ国に変更する。


その後は、新たに興った国同士で戦争や紛争、さらには国内での内戦が起こる。

近年では各国が魔法以外の科学的技術力向上に意欲を注いでおり、現代数百年分は先に進んだ技術力を有すとされるラーテル王国に追いつこうとしている。



自分が死んでから、いろいろとあったのだなと感じる。歴史書の中にラーテル王国のことを記したものがあったが、それによるとどうやら一代も国王が変わっていないのだと。

つまり、少なくともアルティオはまだ王様をやっているわけだ。本当に待っていてくれたんだな、と思わず涙が出そうになる。

というか、数百年分先に行く技術力って…。形容でも言い過ぎじゃないだろうか。

歴史書たちのおかげで、ラーテル王国がまだあること、アルティオが生きていること。この大きすぎる情報を得ることができた。

ここまで長い間待っていてくれたんだ。すぐに国に帰るべきだ。


となれば、次に必要なものは世界地図だ。歴史によれば技術力が向上しているらしい、ならば世界地図の一つぐらいあるはずだ。


探せば、世界地図はすぐに見つかった。

挿絵(By みてみん)

まずは、今いる国エルトラ王国を探す。

見つけた。なんと、ここは主大陸の東の方に位置している国ではないか。ラーテル王国とはかなり近い位置関係だ。エルトラ王国からラーテル王国に行くには、陸続きでまず隣国のルドバギッシュ王国に行く必要がある。

そこでエルトラ王国とルドバギッシュ王国の間に山が多いことに気が付く。

この山は位置関係的にたしか転生した山だ。ということは、山から下りてきたとき、反対方向に向かっていたらそのままルドバギッシュ王国に繋がっていたのではないだろうか。

じっくり地図を見て判断を下す。どうやらその認識で間違いなかったみたいだ。

あの時反対方面を選んでいたらもう少し早く帰れていたのかもしれなかった。

…今更しょうがない話だな。忘れよう。これも何かの縁だったんだろう。


あとは、他の国に目を通しておいて位置関係ぐらいは把握しておこう。

あ、獣国がある。この国も残っていたんだな。


さて、これで国の位置関係が割れたわけで飛んでいこうと思えば飛んでいけるわけだし、転移しようと思えばできるわけだ。だが早く帰りたいとは思うが、それはしないことにした。理由は以下の通り。


現世界において飛行魔法や転移魔法の扱いがわからないため。もし禁止されていたりしたら面倒だし、空から飛んで行ったとしても不審なものとして撃ち落とされるかもしれない。

形容だとしても技術力最強と言っているぐらいだし、ここは無難に今ある世界の交通便を使って向かうのがいいだろうという判断だ。


後は、飛行魔法はともかく転移魔法は転生してから使ったことがないので安全とはいいがたいという理由だ。


これで、現状把握も済んだし、図書館での用事は済んだかな。…いや、魔法コーナーを見ていなかったな。見ておこうか。


「おっとぉ…これは…」

目の前には決して分厚い本ではないが、気になる魔法関連の書籍があった。

そのタイトルは「目指せ、国際資格獲得!転移魔法編」とあった。その横には似たようなデザインで「目指せ、国際資格獲得!飛行魔法編」とある。他にも回復魔法編やその他の扱いが難しくデリケートな魔法の資格習得の本がずらりと並んでいる。

地球で見た資格獲得の書籍が連想されまくる。

なるほど、今こいつらは資格を取らないといけない魔法なのか。やはり安易に使わなくて正解だったみたいだ。


ありがとう、図書館。ここで得た知識はとても役に立ちそうだ。そう心の中で呟き、夏翔は図書館を後にしたのだった。

前に予定で二章は十話で終わる予定と書いたと思いますが、今の感じなら行けそうです。

初めて予定通りに進んでなんか嬉しい。


なろうの編集機能で文頭を一文字開ける機能があるんですけど、序章以降使ってないんですよね。

他の人の作品を見ると、皆さん使っているようなんですけど文頭一字下げは小学校の時に植え付けられた段落替えのイメージが強くてどうも使う気にならないってゆうか、何てゆうか…。

多分、今後も使わないと思います。


後付けで地図貼りました(2021.11/13)。適当?イメージ出来たらいいんですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ