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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第7章】歴史動かす最後の歯車
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Ep.107 新学期

「ふ……ははは」


少年のような男はご機嫌だった。普段は上と下の繋ぎ役的な立ち位置なので何かと苦労しているが、ここ最近はその苦労を忘れるくらいには気分が良かった。


「ご機嫌だね、メベリータ」


「これは教皇様。ご無沙汰しております」


そんな彼__メベリータに声をかけたのは、教皇であった。


「堅くしなくていい、何かいいことでもあったか?」


「はい、面白そうなモノが。コレを」


メベリータは手に持っていたタブレットのような物を教皇であるギフトに手渡した。


「ギルドのやつか……ああ、最近有名な竜だな。……まさか!?」


「ええ、そのまさかです。強力な能力、そして何より…アレ以来の完全な竜のオリジンモンスターです」


「ほう、オリジンモンスターか!忙しいからそこまでは知らなかったな」


教皇の仕事は忙しい。勿論、ギフトの器量なら割と余裕を作ることができるのだが、別の用事もあるので、結局は暇時間はそっちに充てることになるので忙しいのだ。当然、時事はこまめにチェックしているが、緊急性の低い事は後回しにして、大事な情報を優先的に取り入れているので、こういった話題は最低限の情報しか入れていなかった。

少し考えたギフトは気になったのか、一つ質問をした。


「……なるほど、つまり器にするのか?」


「勿論です。駒は多い方がいい、それも強力な駒が」


「ふむ、楽しそうなところ悪いが、もし失敗したら?」


「……それはその時です。現にアレも途中まで失敗しているのですから、上手くいかないのなんて想定済みです」


「途中ね…….はっはっは、先延ばしにしただけな気がするが?」


「……いやいや、先延ばしにして出来たその時間が必要なんですよ」


「はっはは、そう言うことにしておこう!だが、勇者召喚に影響が出ないようにするんだぞ?優先順位は違えるなよ?」


「……当然です。よもや、私がそれを忘れると思われているのなら心外ですよ、教皇?」


「ははっ、そう怒るなよ〜。俺が「教皇だから」そう言うべきだと思っただけさ。じゃ、また経過を教えてくれ」


これから後もやる事は山積みだ。楽しいから良いのだが、ストレスというものはどうしても溜まる物だ。だが、たまにあるこう言う会話は、ギフトにとって、それを解消する方法の一つであった。


「しかし、アレね……。随分と懐かしい。果たして、件の竜はアレに代わる存在になれるのやら……」




















「シャック、お前さぁ、何してんの?」


新学期も始まり、さぁ!楽しむぞと思い学校に来て最初に言われたのがこれである。


「何って何?ガルノ」


「こ!れ!魔物の情報の更新!この竜の情報が更新されたと思ったら何故か君の名前があるんだけど?」


あぁ、その件か。そういえば一定の期間が空いたら伝えていい情報はギルド全体に通達されるんだったっけ。その情報はギルドに登録していたら誰でも閲覧可能で、例えばコレから倒そうと思っている魔物の情報や討伐記録、方法とかを知ることができて、魔物を倒す上で大きなアシストになるのだ。


そして、ガルノラルクが見せて来た画面には見覚えしかないとある竜に関しての説明と最後の方に小さく記されているナツトの名前があった。


「あー、これね……成り行き?」


行けるか……?この中身のない理由で。


「…‥お前な、成り行きで『魔の領域』なんて行く訳ないだろ!」


無理だったか。流石に転生者のガルノラルクは適当には誤魔化せないようだ。

いや、まぁそうだよね。Aランク以上の猛者しか行けない魔の領域に、Bランクの学生が成り行きで行けるわけがないってのは考えるまでもなくわかる。流石に無理があった。


「……シャック、お前まさか……?」


「あー、実は、リコアにいたある冒険者に誘われてね。その人が無理言って連れて行ってもらうことになったんだ。特例で入る許可は貰ってね。いや、僕自身も混乱したんだよ。なかなか常識破りな人でね、振り回されて気が付いたら魔の領域にいたって感じ」


嘘だ。いや、半分嘘と言うべきか。

ガルノラルクが何か察したような気がしたが、それらしいことをつらつらと並べて話を逸らす。


「で、竜との戦闘を評価されて事後だけどAランクになったんだ」


「マジかよ……先越されたな」


ギルドカードをピラピラと見せびらかし、意識をそっちに持っていく。

半ば無理矢理納得させた感じであるが、概ね思惑通りなので、ヨシである。


「あら、二人とも少し背が伸びたかしら?」


「俺は五ぐらい伸びたぜ」


「それはいいわね、それで二人は何のお話を?」


「ん、Aランクになったよってだけの話だよ、チェリー」


「あら、優秀ね」


「ありがとう」


唐突に後ろから話しかけて来たのは、チェリーことチェルーティアである。休暇中は城にて王女としての勤めを行なっていたようで、それなりに忙しかったというのを、アルティオ伝いで聞いている。

というか、思えばチェルーティアのティアってギルド本部のティアメシアさんから取ったのかな。……いや、だからどうしたなんだけど。


「……で?」


「で?」


「他にもあるんでしょ?ホラ、ギルドの情報にシャックの名前があったとか」


「……最初から聞いていたのか?」


ガルノが聞いた。こういう話の切り出し方は釣りであることが多いのだが……。


「いいえ、元々知っていただけ。貴方達の会話を聞いていたのは最後の方だけ。話の流れから推測したのよ」


だが、引っ掛けるにせよ、流れを読む必要がある。その辺りを的確に突けるあたり、相変わらず勘が鋭い。


「物騒な事件よね。あ、生徒会員は今日全員出席ね」


「了解」


新学期の初期期間。生徒会は、色々と企画する事がある。加えて、前々から話し合っていた議題なども溜まっている。休暇で止まっていた会議をさっさと始めなければ、予定通りに実施する事はできない。上の承認も得なければならないし、詰まるところ学期初めは超忙しいのだ。


ちなみに、今日万一にもサボるやつが現れたら、そいつはきっと本気で怒られることだろう。


「シャック、教室行こうぜ」


「そうだね」


確か今日の一限は自分達の学年全員が大講義室に集まって今学期の説明を受けるんだっけか。大した内容ではない。ただ座って話を聞くだけだ。


さて、これからも頑張るとしますか。





ちょっと短かったかな?


気分転換で章替えしましたが、一応続きから。

この章の予定としては、卒業までの予定。(多分変わるけど)


現在、ナツト13歳。

身長は160 cm程。

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