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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第6章】初代勇者の学園生活►高等部編◄
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Ep.106 これから

次の日の昼頃にはナツトはラーテル王国へと帰って来ていた。

午前中に別れの挨拶等々を済ませ、そのまま国際転移魔法にて、国へ帰還したのだ。


時期的にはそろそろ新学期の用意をしなければならない。何かと濃かった休みであったが、それもあと少しで終わる。所謂いつもの日々と言うのが始まるのだ。


さて、そんな新学期だが、二週間後のお話だ。


この二週間を出来るだけ長くのんびり出来るように、やる事をさっさと片していくことにしよう。

色々あって手をつけてなかった宿題も少し残してあったし、それもやらねば。








と考えていたのがもう五日も前の話だ。

今日はここ、リコアにあるギルドに向かっている。何でも渡したい資料があるとか。受付に誘導され、とある部屋へとやってきたナツトは中に誰かがいる事に気が付く。


「朝の情報番組は見ましたか?」


ナツトが入るや否や、目の前の男はそう問うた。


「……はい、軽くですが」


現在時刻は昼の少し前といった具合だ。昼時といえば昼時である。


「印象に残っているのは?」


何だろうか、コレ。まさか呼び出されて時事問題を訊かれるとは思っても見なかった。

しかし、そうだな…。印象に残っているといえば、やはりトップニュースだった……。


「…ガーリヤー王国のバルシャフ村の事件ですかね。人為的に壊滅に追いやられたと言う」


そう、それは衝撃的なニュースであった。バルシャフ村というのはナツトの全く知らない村であったが、嫌でも知る事になった。壊滅に追いやられたと言ったが、実際はそんな生温いものでは無い。村の人々は何者かに襲撃され、一部身元不明、識別不可、行方不明と確定では無いが、状況的に全員死亡とされている悲惨な事件だ。そして、それを行ったのは人であると現地の調査によって推測されている。と言うのも、遺体の傷は剣や銃といったものによる傷であることがわかっている上、村にはSランク冒険者であったダイアモンドという夫婦がいたそうだ。そんな彼らが負けるとしたら、それはきっとSランク以上の力を持った者の仕業であると言うのが専門家の見解だ。


ガーリヤー王国はナツトがつい先日までいた魔の領域のすぐ近くの国である。今回壊滅したバルシャフ村は近年は魔物の被害が少なかったそうだが、位置的には魔の領域に割と近い位置にあり、それだけでもそこにいたダイアモンドという冒険者の実力がある程度推し量れる。


「…これは今朝、本部より届いたデータです」


その男、いやリコア支部のギルドマスターはソファに腰掛け机に置いてあった封筒をナツトに渡した。

何だか物々しい雰囲気で渡されたので、ナツトは受験時の合格発表の合否が決まるあの封筒を開けるような気持ちで、中身を取り出した。


中には十数枚程度の紙が入っていた。最初の数枚は、村の様子を淡々と記したものであり、少し詳しいが、情報番組で言われていた事柄とほぼ同じであった。

問題はその後であった。突如として、村の状況分析の話題から一転。その紙には、写真が数枚貼り付けられていた。写していたものは、酷く抉られ形が変わったと思われる地形であった。

そして、次の資料にはこの写真のある場所を示した地図と、以前この地点には洞窟があったことが図と共に示されていた。場所としては村からはそう遠くはない距離だ。


非常に大規模な爆発による破壊の痕である。明らかに自然に起きるような災害の痕跡では無い。


「その次の資料を見てもらったらわかると思うが、村が滅んだその日にその洞窟も壊れた。これがどこか遠くの洞窟だったならどうでもいいが、村の近くにあった洞窟と言うのがどうも引っかかるだろう?」


そう言うギルドマスターの意見はまさにその通りで、ナツトも同じ意見であった。


そして、その答えを得るために次の資料があった。


つらつらと印刷された文字の羅列から目に留まったその二文。




『残留魔力探知により、痕跡が確認。その波長は先日魔の領域にて確認された竜と一致。』




ハッとした。まさかという考えが脳裏に浮かぶ。まだ何か書いていないか、食い入るように続く文章を読む。




『洞窟跡より、宝石のついた装飾品を複数確認。内一つに、村にいたダイアモンド家の家紋を確認。これらの装飾品は村から持ち出されたものと推測される。』




パズルのピースが埋まるように、何となくだがその全貌が見えてくる気がする。

ふと、ギルドマスターを見ると「この状況、どう考える?」と聞いて来た。


頭の中で情報を整理する。そして、導いた当時の状況をナツトはそのまま言った。


「村が壊滅したのは盗賊の仕業。強い冒険者がいたことも考えたら、盗賊はかなりの強者だと考えられる。村を壊滅させた後、盗賊は金品のみ回収して逃走し、拠点にしていた洞窟に戻った。しかし、その後にあの竜がやって来て全て壊して行った」


「……うむ、俺も同じだ」


これが時系列的にも矛盾が無い流れだろう。だが、同時に疑問点もある。

なぜ、あの竜はそんなピンポイントで洞窟を破壊したのか。しかも、村が滅ぼされたその夜に。偶々で済ますことが出来ることだろうか。それとも、故意に?


考えれば考えるほどわからなくなる。その辺りの判断材料が少なすぎる。これ以上は考えるだけ無駄だな。やめよう。






「よし、伝えたいことは以上だ」


「ありがとうございました」


資料は漏洩防止のため、ギルド側で回収。資料は全部覚えたので特に問題はない。頭の中はその事でいっぱいになりながらも、ナツトはギルドを後にした。





……竜、竜か。


思い出されるのは尻尾で突き刺されたあの光景。能力を過信して痛い目を見たあの経験。


ふと空を見上げる。ちょうど雲に隠れていた太陽が出て来て、陰っていた地上を明るく照らした。


「……うん、やること、決まったかな」

よし、切ろう。6章切り上げ決定。


学園卒業までこの章続ける予定でしたが、グダってるし、何より飽きた!

学園の話は絡んでいるが、心機一転の意味も込めてさっさと話を進めて行こうじゃないか。

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