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千年ぶりだね、大英雄  作者: 十五夜
【第6章】初代勇者の学園生活►高等部編◄
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Ep.90 冒険者ギルド総括管理指令組織

楽しい学園祭が終わるとあっという間に期末テストの時期となった。


生徒は学園祭のときとは別の意味で慌ただしくなり、図書館などの自習スペースの取り合い合戦が熾烈を極めた。


普段から復習をきちんとこなしている者たちは、普段はそうでない者たちと比べこの時期の振る舞い方にどこか余裕があるように見える。


しかし、ナツトはどれだけ復習をしていても、どこか穴があるんじゃないかと疑ってしまう性なので、テスト期間中、側からみれば余裕があるように見えるが、内心ずっと考え事をしていたりする。


そして、前回ロックバードに負けたウルヴァロ、ノアラナチアの二人は今度は勝つぞとテストに向ける熱意は過去一高い。

これまで、「テストだぁ!」ぐらいだったのが「テストじゃァァァッ!」ぐらいになっている。彼らの熱意が良い結果に繋がることを祈るとしよう。


当然、ロックバードの方もやる気は十分だ。今回はナツトを抜かすという目標もあるので、何かと気合が入っているのだろう。

生徒会の仲間ということもあり、中間考査の時よりかはずっと気心が知れたため、遠慮なく倒しにくるだろう。まぁ、元から遠慮はなかったんだが、今まで以上に、というニュアンスでだ。




そんなこんなで、各々の目標があった期末考査だが、いざ始まれば終わるのはあっという間であった。


長くは語らない。結果だけ端的に言おう。


ナツトの成績はいつも通り。ロックバードに負けていないので、特に言うことはない。


そして、一番気になるウルヴァロ、ノアラナチア、ロックバードの三者の成績争いはと言うと、ノアラナチアが僅かに点数が高く学年四位に入った。よって、ノアラナチアは見事リベンジを果たすことに成功した。…が、ウルヴァロは残念ながらロックバードに僅かに届かず、学年六位となった。


色々あったが、三者の成績は大して離れていない。後一問か二問正解か否かで順位は変動していただろう。


ウルヴァロは心底悔しそうにしていたが、いい経験となったはずだ。

競い合う相手がいると言うことはやはり利となる部分が多いからね。










期末考査が終わり、ロックバードの扱いをなんとなく把握してきた頃、学園は長期休暇へと入った。この期間中は生徒の多くが実家へと帰り、各々の生活を堪能するのだ。


ナツトはと言うと、前々から聞いていた『冒険者ギルド総括管理指令組織』…通称、ギルド本部に行く件の準備をしていた。


行くのは、休暇が始まってから一週間も経たない日と決まっている。

先にナツトだけで本部に向かい、後にアルティオがやって来るという手筈だ。一緒に行きたいのは山々だが、周囲に気取られないように、という配慮ゆえの日程ずらしである。






……と、言うわけで時は過ぎ、ギルド本部へ向かう当日となった。


既にアルティオに連絡を済ませたナツトは、朝ご飯を食べて、家の用事をゴルマ、シュリアに任せ、自宅を出た。

荷物は肩から下げられる手提げ袋一つ。着替えとかそういった重い荷物諸共はすべて収納の中にある。

収納魔法様々である。やはり、あるとないのとでは雲泥の差だ。


軽い装備で向かう先は、国家間転移装置管理所である。略して転移所と呼ばれるそこは国間の転移専用の特殊な魔道具が設置されているのだ。


基本的に国家間の無許可での個人転移は違法とされている。転移魔法で他国へ行きたい場合は、この装置を使うのがルールとして定められている。ただ、このルールは多少の抜け穴がある。このルールが適応されるのはその国、その国の上空及びその周辺地域、海域以内である。


出入国審査が通れば誰でも利用可能という飛行機も真っ青の便利装置である。その代わり、料金はとてもかかる。それはもう吃驚するほどに。


とは言え、今回行くギルド本部はこの方法以外の手段は用意されていない。

ので、ギルド本部へ行くには転移か徒歩かの二択である。


ラーテル王国は、島国であるので後者の手段は取れない。よって必然的に前者と決定する。




そんなことを思いつつ、ナツトは出国審査をクリアした。審査はラーテル王国の人間である証明書…まぁ、パスポートだな。それとギルドカードがあれば審査は割と簡単にクリアである。

ギルドカードのランクはBになっている。ガルノラルクと休日に迷宮に潜っている間に上がった。ここまでランクが上がれば、色々と融通が効くようになり、とっても便利である。


荷物検査と収納魔法検査を済ませ、ゲートの中へ進む。


ギルド本部へ繋がる転移装置を使用する人は他に比べると少なめである。行き先によっては大量の人で混雑するため、少ないのは大歓迎だ。


転移装置が設置されている部屋は半径二十メートルの円状の部屋であった。床はガラスのような透明の板が敷き詰められ、その下に金属製で銀色の立派な魔法陣が刻まれている。

ぱっと見、平面の魔法陣に見えるが、地下にも魔法陣が展開されている立体魔法陣であろう。


転移希望者はこの部屋の魔法陣の上で定刻まで待機である。

転移装置起動まで後十分程であるが、こう言う時のこの微妙な時間が地味に長く感じてしまう。取り敢えず、収納に入れておいた本を読んで時間を潰した。


定刻。

部屋の扉が閉められ、外部から遮断される。アナウンスが入り、変に魔力で抵抗しないようにと注意される。

装置が起動される。僅かに耳に届く機械音が、今から転移するぞと言う妙な緊張感を持たせる。普段転移魔法をばんばん使っていると言うのに不思議な感覚である。

足元の金属の魔法陣が金色の輝きを纏い出す。キラキラと少しだけ眩しい。

金色の輝きはより強くなり、一瞬だけ目も開けてられないぐらい強く光った。


目を開けると、装置が停止しており元の銀色に戻っていた。

扉が開くと同時にアナウンスが再度入る。アナウンスは「ようこそ、冒険者ギルド総括管理指令組織へ」と言った。

それを聞いてハッとする。部屋の内装が全く変化していなかったから、もう到着していたという実感が湧かなかったからだ。

しかし、部屋の外に出ると確かに景色は異なっていた。


どうやら、ギルド本部の中に転移装置が設置されており、移動の手間がないようだ。


ナツトが今日来ることはギルド本部の頭であるティアメシア・サーラ・アーティアゴには既に伝わっている。

約束の時間までは少し時間があるが、早めにギルドの受付に行って到着したことを知らせておこう。

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