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蛮族、宇宙を行く!  作者: モコ田モコ助
第一章 成り立ち

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*.戦艦、そして世界制覇


 エルフより供与された初の兵器は、大木一本分もある大きさの城門破砕兵器。


 なんでも、「しょうわくせい」とやらを細かく粉砕する機械を、人の手で持てる様改造して頂いたのだそうな。


 これまでも同じ兵器(丸太を切り出してきて先っぽを尖らせる)があるが、何度も城門へぶつけねばならない。人手も沢山必要になるし、時間を掛けると損害が大きくなるのが欠点だ。


 ところが、エルフより供与された城門破砕機を使うと、どのように堅牢な城門であろうと、一回で破ることができる。次世代型破砕兵器である。


 味方の損害が少ない上に、短時間で城を攻略できるようになった。

 有り難い。まっこと有り難いことだ。

 これより破砕兵器は、爆発力を利用したパイルバンカー式に順次換装されていったのであった。

 

 防刃インナー防具と合わせ、強化されたゴラオン軍(ゲオル氏族、やフェリス氏族などを配下に含む)。ベンド指揮の元、破竹の勢いで進軍していく。

 敵はすべて、ゴラオン軍の飛び抜けた戦闘力、破壊力に尻込みし、短期間で降伏していった。


 ベンドが支配する領土は拡大。従える氏族が多くなり、動員できる兵力が格段に向上。大陸ガイア最大の勢力となった。

 

 食糧事情も、年単位で向上していく。気候も、年単位で穏やかになっていく。

 エルフの方が「エルフふぉーみんぐ」とか言ってた。意味は理解しかねるが、きっとエルフの方々が良い事をしてくれているのだろう。



 大山脈地域を制覇した頃、エルフより第二期の武器供与が成された。


 ベンド待望の高速飛行艦である。


 100メットル級の護衛艦をベンド達にも使える様に改造した。配備が遅れたのは、改造に時間がかかったからだ。

 ちなみに……早期に作られた試作品一号艦は、蛮族共が艦内で行った焚き火によって故障してしまった。火災報知器だとか、焚き火ができる場所とか、なんやかんやの対策にエルフの方々がまじめに取り組んでしまったからだ。


 元々の武装は、艦首装甲部の後部に3連装固定砲をぐるりと4基配置されていただけのものだった。追加装備として、対地上用に2連装回転砲が下部に設置された。これにも手間取った。試作艦に乗った蛮族共が、最初から最大出力で撃つものだからエネルギーチューブが飛びまくったのだ。

 改造の主題は「耐久性」と「頑丈」だったらしい。


 難しい操作はサポートロボ、ならびにAIが頑張ってくれるのでほぼ全自動である。

 ベンドが使用する旗艦は、200メットル級の指揮艦型護衛艦を採用した。

 目立つ様にとのリクエストが有り、ならばと腕まくりした、とあるエルフの技術者により金色に塗装された(銀色の外板にオレンジを塗った)。

 威圧感が半端ない。


 これに、宇宙塵対策強化外殻処理の為された大型の輸送艦が加えられる。蛮族共が乱暴に扱うからどうしても装甲が厚くなってしまう。


 自動車どころか航空機時代を一足で飛び越え、超光速宇宙船時代へ突入。船内で焚き火をしたり、痛飲してゲロを吐く蛮行さえなければ、宇宙世紀開闢である。

 がんばれサポートロボ! 負けるなAI!


 なにはともあれ、ガイア大陸征服の第二段階を迎える。

 遠征と呼べる遠い地まで、短時間で進軍できるようになったのだ。


 それどころか、上空より一方的に攻撃ができる様になった。

 城壁も堀も、山城も沼地も防馬柵も関係無い。

 下部2連装回転砲から発射されるビームが、なんでかんでも焼く。吹き飛ばす!

 敵は、なすすべもなく降伏していく。


 ガイア軍は、戦いらしい戦いを経ず、加速度的に領土を増やしていった。


「ベンド陛下への武器供給生産設備が整いました。宇宙服、もとい、戦闘服の生産程度なら、半日で10万枚生産可能です。護衛艦のガイア平和維持対応改造も全艦終了いたしました」

 エルフの方々による後方支援もばっちりだ。




 それでもガイア統一までに5年の歳月を費やした。

 遅いと見るか早いと見るかは人それぞれであろう。


 ただ、降伏した氏族の中でも、ゴラオンと遠く離れている土地(例えば、大陸の果てっとこか)は、ベンド達が立ち去った後、すぐに大規模な反乱を起こす傾向にあった。


 これだけ距離が離れているのだ。ゴラオンが再侵攻してくるまでに何年かかかるだろう。

 と、自分たちの進軍速度を元に、甘い考えで巻き返しを図る氏族が大勢いた。


 あの空中戦艦をその目で見ているというのに!

 そこんところは、頭の悪い蛮族故の愚かしさであろう。必要経費としてその身で払ってもらうしかない。


 反乱は、たちどころにベンドの知るところと成り(想定していた)、3日とかからず再侵攻・再征服となる。

 二度目は、空中戦艦の速度と火力を嫌になるまで見せつける。敵は、想像を絶する進軍速度(戦艦が離陸したら、ものの数分で戦場へ到達する)に驚愕することとなる。


 一例を挙げると、城の周辺だけをひっきりなしに3昼夜にわたって艦砲射撃を敢行。(大気中で使用するビームの発射音は迷惑な音量です)

 辺り一帯が文字通り隙間無く火の海となる。

 白旗が揚がってからさらに2昼夜、念のため爆撃を続行の後、無条件降伏を勧告する。

 これで従わぬ者はいない。反乱する気概を持つ者もいなくなる。


 悲しいかな、彼らは理解力の足りない蛮族である。ベンドにも思い当たるフシがある。

 拳骨で頬を殴るしか方法はないのだ。それが最も被害が少なくて済む方法である。


 そんな奴らにはゴラオン軍の近大設備を見せまくり、抵抗の心をへし折る。その後、フアンによるゴラオンとエルフの偉大なる力に感化させていく教育を施す。続いて、食糧生産を大量に生産するノウハウを王達首脳部に渡して手なずける。ここまでがデフォルトとなっていた。


 自分たちではベンドに敵わない。付いていった方が実入りが良い。その事を理解すると、コロッと態度を変え、犬の様に従順になる。


 そこんところが、単純な蛮族の良いところでもある。


 その後も、あきらかに頭がおかしい氏族による反乱が相変わらず続いたが、蛮族的には笑って済ませられる程度の蹂躙戦(おあそび)に過ぎなかった。被支配氏族が先を争って遊びに……鎮圧に名乗り出てくれる。


 そして、ベンドはガイア大陸、ひいては惑星ガイアを束ねる王となった。


 世は平和となる。何千年と続いてきた戦国の世が終わったのだ。



 ベンドは、全氏族の乱暴克つ、狂乱……もとい、熱烈な支持を受け、皇帝となる。それに伴いゴラオン王国からゴラオン帝国へと名称を変えた。

 こうしてベンドは巨大な力を持つに至る。


 ベンドは、知的生物の住居する惑星の王となったのだ。ということは、アテン恒星系の王である。

 よって、惑星ガイアの衛星、月もベンドの物である。ベンドは三段論法を憶え、知力が+1された。


 これで心置きなく、リンナメンナに月を贈呈することができる。


 話は逸れるが、ベンド達が空中戦艦と呼称する戦闘艦郡は、もともと超巨大宇宙移民船ミュイ=ファン=ガランの護衛艦である。当然のことながら宇宙戦闘艦であり、宇宙を航行できる。ワープだってできる(危ないので教えていないが)。

 エルフの里へも行き来自由。打ち合わせや修理などの為に、何度も往復しているので、宇宙の航行も手慣れたものだ。


 何度か、エルフの指導員により、アテン恒星系の惑星を巡る習熟航行を教わっている。

 場所が宇宙で、ベンド達蛮族共はその辺の知識がない。よって教導は大変厳しいものとなるが、そこは体力の有り余っている蛮族共である。酒と肉さえあれば文句はでない。むしろ、珍しい光景と新しい知識に興味津々。従属した氏族も、習熟航行に参加したがる。


 ベンドも拒否はしない。むしろウエルカム状態。新しい氏族たちとワイワイガヤガヤできた楽しい。

 だので、アテン恒星系はベンドにとって庭みたいになっていた。

 慣性だとか、惑星の運行だとか、体で覚えるタイプである。


 いつしか、ベンド達ガイア人は、エルフの方々を敬い奉る様になっていた。

 エルフ一族も、単純なガイアの人々を好ましく思うようになっていた。


 話を戻す。

 月を贈呈する為、ベンドは自分の戦艦でエルフの里へと向かった。エルフの里への航行は苦にならない距離。皇帝の件、月進呈の件により、ベンドは逸る心を抑えて、宇宙を駆った。


 ところが――、


 浮かれたベンドを出迎えたのは、リンナメンナ達エルフの何処か後ろ暗い顔だった。



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