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体調を崩してしまい、短めですm(_ _)m
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魅了の呪いのブレスレットがどうなったかなど騒動の後から考えたこともない。
困惑する私に対してナディア様は続けた。
「呪いの詳細を検証するために王立研究所預かりになっているのよ。でも研究所送りになった罪人に付けさせて実験するわけにもいかないし。だから有志の研究員たちで検証していたら、面白い結果が上がってきているわ」
罪人に付けさせて、見張りを魅了して脱走なんてされたら不味いどころの話ではない。
面白い結果とは魅了できる人数のことだろうか? それとも程度だろうか?
「まず、ある女性研究員がブレスレットを付けた。20代の可愛い方だったわ。そうしたら……」
ルルをイメージしてまずは女性の方が付けたのだろうか。
それにしても得体の知れない呪いのブレスレットを検証するために付けるなど、研究員達には頭が下がる。いくらルルや彼らに後遺症が見当たらないといっても。
「ルルのようにはならなかったの。有志の男性研究員達のうちの殆どが徹夜で自分が今やっている研究をやりたがったわ。上司に直訴するくらいね」
王立研究所ではセキュリティの問題上、残業が厳しく制限されている。よほどの理由がない限り残業は認められない。
「他には2歳の娘がいる男性研究員は早退して翌日出勤してこなかったそうよ。どうしても娘と遊びたかったんですって。同性である女性研究員達には影響は無かったわ」
ナディア様の言いたい面白い結果がよく分からず、曖昧な笑みを浮かべることしかできない。
「今度は中堅どころの30代男性研究員がつけてみたわ。同性の男性には影響なし。女性研究員達は、同棲していたヒモ状態の恋人に別れを突きつけたり、家事に協力しない夫にキレて夫を追い出したり、恋人に逆プロポーズしたそうよ」
なんだか女性達が羨ましいくらい逞ましい。
「件のブレスレットを付けてから色々起きたのよね。それで影響があった人達を丁寧にカウンセリングして出た仮説があるの」
ナディア様はここで一旦紅茶を口に含んだ。
「魅了の呪いとは、無意識に抑圧している部分を前面に引き出すのではないかと。それは魅了の呪いの道具を付けた人と一緒にいる時間が長いほど顕著になる」