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これまでのあらすじ
『あの無双している幼児ヤバくね?早めに処刑したほうが良いんじゃない?』を既にお読みくださった方は読み飛ばして構いません。
神様に勝手に小説の主人公にされた好野裕は、肉体を六歳にまで戻されて異世界に放り込まれてしまった。
その際に与えられたチート能力は、無い。まったく酷い神様もいたものだね。
言葉も分からない世界で魔物の襲撃を切り抜け、神殿の孤児院で言葉を学び、魔法を覚えた魔物襲撃の犯人を討伐を成功させる。
だがその結果、裕を待っていたのは、領主の言い掛かりだった。
この世界の常識が通用しない好野裕を恐れた領主は、怪しげな子どもなど捕らえて処刑しろと言いだしたのだ。
だがそれに反発したのは町の有力者たち。
両者の板挟みになった文官の機転により、裕は処刑を免れ、魔物撃滅の褒賞という名の立退料とともに、領外追放を言い渡された。
世話になった者たちに、今できる限りのものを残し、裕は旅立った。