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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
六章 転移魔術を研究しよう!

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Retrace:72 睡眠不足

 今日も私は研究室で、手元の資料と睨み合っていた。

 そんな私はラムをクッション代わりにし、寝そべりながら資料を見ている。


 ラムに全身の体重を預けると、私の体に合わせて変形してくれる。

 フィット感は最高で、最早理想のクッションと言っても過言ではない。


 それにラムの体はスベスベで、少しひんやりしていて気持ちいい。

 本当に素晴らしいクッションだ。


 そんなラムについてだが、先日彼は最強のスライムだということが分かった。

 ただし、ラムが百パーセント最強のスライムかと言われると、まだ議論の余地はあるだろう。


 それを証明するには、再び素材を集め、ラムとは別のスライムに与えてみなければならない。

 ただ、それはかなり面倒だ。


 何せ伝説の魔物の素材を、一から集め直さなければならないからである。

 だからもうこの際、ラムが最強のスライムということでいいと思う。


 けど、そんな最強のスライムをクッション代わりにしているなんて、何だかとんでもない事のような気がする。

 ラム自身は寧ろ、私に構ってもらって嬉しいようだが……。


 まあラムが気にしてないから、どうだっていいことなんだけど。

 そんな事を考えていた私の前に、セレンがやって来た。


「おはようございます、姫様」


「おはよう、セレン」


 私がそう挨拶を返すと、セレンが怪訝な表情を浮かべた。


「姫様、もしかして寝不足ですか?」


「分かる?」


「はい。何だか目がギラギラしていますので………」


 セレンの指摘を受け、私はその辺に転がっていた手鏡で自分の顔を確認する。

 鏡に映った私は、人を殺せそうなくらい目付きが悪かった。


 実際寝不足で、目がゴロゴロする。

 若干充血もしているようだ。

 そんな私の様子に、セレンが質問する。


「どうして寝不足なのか、ちゃんと説明して貰えますか? 昨日の夜、姫様は確かにベッドに入って寝ていましたよね?」


 昨晩、私がベッドの中に入った姿をセレンはしっかり確認していた。

 ちゃんと「おやすみ」の言葉まで交わしたし、覚えていて当然だろう。


 セレンの口振りから見るに、どうやら彼女は怒っているようである。

 まあそれもそうだ。


 セレンはメイドとして、私の生活が乱れないように気を使っている。

 それなのに私が隠れて徹夜をしているなんて、彼女にとって看過出来ることではない。

 そんなセレンに対し、少しだけ罪悪感を覚えながら私は言い訳を口にした。


「ベッドに入って一時間くらい目を瞑っていたんだけど、上手く寝付けなくて……。どうせ寝れないなら、魔法陣の解析を進めた方がいいかなって思ったのよ」


「なるほど。そういうことだったのですね」


 眠かった筈なのに、いざ寝ようとすると全然寝付けないことはたまにある。

 そんな時、頭の中で色んな妄想をしてみるんだけど、やっぱり寝られない。


「それで姫様は、一睡もしていないんですか?」


「ええ、一秒も寝てないわ」


 目を瞑るのと、睡眠しているのとでは大きな違いだ。


「今は眠くはないんですか?」


「全然よ」


 目はゴロゴロしてるけど、眠気は感じない。

 ただし、額の上あたりがぼんやりと痛かった。


 寝てないと若干頭が痛くなるのよね。

 行動には差し障りのないような頭痛だから、まだマシだけど。


 それに徹夜をした日の朝はまだ元気だけど、昼頃に一気に眠気が襲ってくるものだ。

 多分深夜テンションが朝まで継続してるから眠気も無いんだろうけど、結局後で睡眠不足のツケは払わされるのよね。


「まあ夜通し研究し続けたお陰で、魔法陣の解析は無事終わったわ。これで本格的な研究に進めるわね」


 そんな私の言葉に、セレンが反応する。


「もう解析し終わったのですか? 先日の姫様の口振りでは、もうしばらく時間が必要な様子でしたが……」


「確かにそう言っていたけど、熱中して解析していたから、予想よりも早く終わったのよ」


 ただし、早く終わったからと言って手抜きで解析したわけではない。

 私はしっかりと転移の魔法陣の仕組みを解き明かしたのだ。


「トワリアル地下迷宮の転移の魔法陣は、召喚魔術とは似てるようで異なる構造で成り立っていたわ。空間魔術を研究する上で、いいサンプルになりそうよ」


「それは良かったです。わざわざ地下迷宮を調査した甲斐がありましたね」


「ええ。これもセレンのお陰よ。ありがと」


「いえ、姫様のメイドとして当然のことですから」


 私が誉めるとセレンはそう口にした。

 さっきまでは怒っていたけど、多少機嫌を直してくれたようだ。


 セレンとそんな会話をしていると、突然睡魔が襲ってきた。

 そして私は大きな欠伸をする。


「ふぁ~」


「眠くなってきましたか?」


「そうね。急にクラっときたわ」


 セレンに魔法陣の話をしていたら、だんだん眠くなってきた。

 さっきまではまだ深夜のハイテンションを維持出来ていたのに……。


「それじゃあ、今から私は寝るわ。適当な時間に起こして頂戴」


「分かりました。ですが、今から寝るからにはきちんと夜にも寝て頂きます」


 セレンはキッパリとそう言った。

 彼女のことだから、しばらくの間夜更かしすることは許されないだろう。


 でも昼にガッツリ寝ちゃうと、夜に寝れなくなるのよね。

 こうして昼夜が逆転した生活になっちゃうんだけど……。


 けどこれから一睡もせずに起き続けているのはキツイ。

 魔法陣の解析を徹夜で行った負荷は、流石に私の体力を奪っていたようだ。


「おやすみ、セレン。起きたら転移の魔法陣の解析結果をセレンにも教えるわ」


「はい。おやすみなさいませ、姫様」


 セレンのその言葉を耳にし、私はその場で目を閉じた。

 一気に限界が来た感じだ。


 やっぱり徹夜はダメね……。

 しっかりリズムを守った睡眠を心掛けないと。


 気絶するように目を閉じた私を、ラムがせっせとベッドに運んでくれる。

 そんな彼にお礼を言おうと思うも、私の意識はそこでプツンと途切れた。


 起きたら転移の魔法陣の解析結果を、セレンに教えなくちゃ。

 折角徹夜して解析したんだから、誰かに聞いて貰わないと損だからね。

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