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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
五章 地下迷宮を攻略しよう!

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Retrace:61 勇者パーティーの実力

 八層の主はバイトプラントと呼ばれる、食虫植物を成人くらいの大きさにした魔物だった。

 このBランクの魔物は、複数体の群れで行動しているようだ。


 そんなバイトプラント相手に、アイク、ラッシュ、ティアナの三人が前に出る。

 私とアミィは一歩引いた位置から、彼らの戦闘を見守ることにした。


「セレンさん、しっかり見ておいて下さい。これが今の勇者パーティーの実力です」


「分かりました」


 アミィの言葉に頷き、私は彼らの戦いに集中することにした。


 最初に飛び出したのはラッシュだ。


「おらぁッ!!」


 果敢にもバイトプラントの群れに飛び掛かり、彼は手にした剣を豪快に振るった。

 青白い稲妻がバチリと弾け、ラッシュの持つ剣が電撃を帯びる。

 そして彼は、バイトプラント達を次々と薙ぎ倒していった。


「ラッシュ様の持つ剣は、あの七聖剣の一つである雷光剣・ティルファングです。あの聖剣は魔力を込めると、ああやって電撃を操ることが出来るんです」


 私の横で、アミィがそう説明してくれる。


「彼も聖剣の担い手だったのですね」


 Sランク冒険者・『雷迅』。

 その肩書きは伊達ではない。

 ラッシュの動きはキレていた。


 彼の戦闘スタイルは、聖剣を手に積極的に前に出る好戦的なタイプである。

 勇者パーティーにおいて、彼は完全な前衛としての役割を担っていた。


 次に私が目を向けたのは、一人後方で魔術を唱えるティアナだ。

 彼女は炎の玉を次々と発射し、バイトプラントに対して有効打を与えていた。


「ティアナ様は魔術師です。身に付けている様々な魔道具の力を借り、持ち前の強力な魔術を放てます」


 アミィが言うように、ティアナの装備は充実している。

 かなりの一品であろう杖や高そうなローブ、彼女の身に付ける煌びやかな装飾品。

 それらは全て、魔術を補助する為の魔道具なのだろう。


「ティアナ様の凄いところは、攻撃の魔術や回復の魔術など、状況に応じて様々な魔術を使い分けられるところなんです」


 炎の魔術で敵を攻撃しつつ、状況によっては味方に補助もする。

 バックアッパーとしては、ティアナはまさに最高とも呼べる存在だった。


「実際帝国でも、ティアナ様以上の魔術師はいません」


 アミィのその説明通り、次々と魔術を行使していくティアナの姿は圧巻だった。

 魔術の腕前において、帝国随一というだけはある。


 続いて、私の視線はアイクに移った。

 何と言っても、彼はこの勇者パーティーの核である。


 バイトプラントを相手にするアイクは、手にした剣で次々と相手を斬り裂いていた。

 荒々しいラッシュとは対照的に、彼の見せる剣技はどれもお手本のように無駄がない。


「アイク様の持つ聖剣は、英雄剣・カリバーン。その能力は、相手の魔術を破壊するというものです」


 アミィの説明に、私は口を開く。


「では今のように魔術を使ってこない相手には、あの聖剣の力も意味が無いというわけですね?」


「確かにそうですが、アイク様の持つカリバーンには、他の聖剣には無いもう一つの機能があります」


「もう一つの機能ですか?」


「はい。アイク様の戦いを見ていて下さい」


 アミィのその言葉に従い、私は彼の戦いを注視する。

 すると彼が少し離れた敵に、剣先から魔術を放つ瞬間を目撃することが出来た。


「剣から魔術を? もしやあの聖剣を、彼は杖として代用してるのですか?」


「はい。あのカリバーンは他の聖剣と違い、杖と同じように魔術の媒体にすることが出来るのです」


 つまり、アイクはあの聖剣一つさえ持っていれば、剣と杖の両方を手にしていることと同じだということだ。

 アミィはそんな彼の戦い方を、私にこう解説した。


「アイク様の戦い方は多彩です。ティアナ様と同等の魔術を使いこなし、尚且つ剣の腕もあの『剣聖』を越える程です。まさに勇者に相応しい御方ですね」


 帝国一の魔術師であるティアナと、最強の剣士としてその名を轟かせる『剣聖』。

 アイクが勇者と呼ばれる理由は、その両者の技能をたった一人で体現しているからなのだ。


 一通り彼らの戦いぶりを拝見したところで、アミィが私に言った。


「セレンさん、そろそろ私達も手伝いましょう」


 アミィは短剣を取り出し、暗殺者っぽく逆手に持った。

 バイトプラントの数もかなり減っており、全滅させるまではあと一押し必要だ。


「そうですね」


 私も頷き、アミィと共に戦いに参加した。



 ◆



 バイトプラントの群れを掃討し、私達はとうとう九層までたどり着いた

 道中、ティアナがよく絡んでくる。


「転移の魔法陣を主に代わって調査しにきたなんて、セレンさんも大変ですね」


「確かに大変ではありますが、やりがいはあります」


 私がそう答えると、ティアナは笑みを溢した。


「ふふっ、セレンさんは本当にそのご主人様が大切なんですね」


「はい。我が儘でだらしないところもありますが、大変素晴らしい御方です」


 姫様はあんな性格だが、私が敬愛する立派なお人だ。

 あのような主人に仕えることが出来るのは、メイドとしてこの上無い喜びである。


「ところでティアナ様は、一国の姫でありながら何故勇者パーティーに?」


「そ、それはその……」


 私の質問を受けた途端、ティアナがモジモジし始めた。

 そんなに変なことを聞いたつもりは無かったのだが……。


 私が彼女の様子に疑問を覚えていると、アミィが横から言った。


「ティアナ様がこのパーティーに参加しているのは、単純にアイク様のことが好きだからです」


「ちょっ、アミィ……!」


 サラッと重要な発言をしたアミィ。

 その言葉に、ティアナは顔を真っ赤にした。


「なるほど」


 私は納得し、頷いた。

 デール帝国の姫である人物が、何故命の危険も省みずにアイクの傍にいるのか。


 その理由が恋愛感情とするならば、さっき見せていたティアナの恥ずかしそうな様子にも納得がいく。

 そんな事を考えていると、彼女は観念したように呟いた。


「単に私は、自分の知らないところでアイクが傷付くのが嫌なんです。だから彼に無理を言って、ここまでついてきました」


「……そうでしたか」


 大切な人が傷付くことを想像すると、辛い気持ちになるのは私も同じだ。

 アイクに追いてきたティアナの気持ちは、私にも分かる気がした。


 そんな会話を終える頃には、九層の終点まで辿り着いていた。


「終点は見えた。今日の探索はここまでにしよう」


 アイクの言葉に、異論は無かった。

 ここまで驚く程順調だ。


 無理をすることは無い。

 日を改めて、万全の準備をしてから九層のボスに挑もう。

丁寧に進めている迷宮攻略ですが、勇者パーティーのキャラと戦闘スタイルを覚えて欲しくてやっています。

もう数話お付き合い下さい。


◆アイク

剣と魔術を使い分けて戦う。前衛。

武器……英雄剣・カリバーン。


◆ティアナ

魔術で戦う。後衛。

武器……杖。


◆ラッシュ

剣で戦う。前衛。

武器……雷光剣・ティルファング。


◆アミィ

戦闘力が劣る為、基本は戦闘以外のサポート役。

武器……短剣。

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