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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
四章 地下迷宮を調査しよう!

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Retrace:36 夕食後

 夕食を終え、私は食後のティータイムを満喫していた。

 セレンの作った料理が美味しくて、ついつい食べ過ぎちゃったわ。

 お腹がパンパンだから、しばらくは椅子から動けそうにないかも。


 そんな私の傍には、リッカとネルファが同じように膨れたお腹をさすっていた。

 ちなみにセレンは料理に使った食器を片付けている為、既にこの場にはいない。


 そんな中で、リッカが気軽に口を開いた。


「そう言えば、帝国の勇者アイクが一週間程前に、トキリス公国で聖剣を手に入れてたっすよ」


「勇者アイク? ああ、帝国が選んだっていう偽勇者ね」


 忘れてた。

 そう言えば、そんなのがいたわね。

 私はリッカに尋ねた。


「それで、聖剣というのはあの七聖剣のことよね?」


「そうっす。ちなみに偽勇者アイクが手に入れた聖剣は、英雄剣・カリバーンって名前の剣っすよ」


 リッカのその言葉に、ネルファが顎に手を当てて言った。


「ふむ、英雄剣か……。確かトキリス公国の地下に眠るとされる、伝説の勇者の剣だな?」


「その通りっす」


 ネルファの言葉に、リッカは頷いた。


「へぇ~そんなのがあったんだ」


 私は思わず感嘆した。

 流石ネルファ、剣については詳しいわね。


「それで英雄剣ってどんな力を持ってるの? もしかして、刃先からビームとか出るタイプ?」


 太陽剣・ガラティーンは刃先からビームが出るタイプだった。

 私はそれ以外の七聖剣を見たことがない。


 私の言葉に、リッカはその首を横に振った。


「残念ながらビームは出ないみたいっす。私も実際に使用したところを見たことはないんすけど、カリバーンの能力はおそらく魔術を破壊するもののようっすよ」


「魔術を破壊する……? 術式そのものを分解するのかしら? それとも魔力自体を拡散させるってこと?」


「その辺は私も確認不足なんで、よく分からないんすよね。何せ他の聖剣と違って、カリバーンは百五十年間担い手が現れなかったらしいんで、過去の資料を当たっても詳細な能力までは分からなかったんすよ」


 リッカがそう言うと、ネルファもウンウンと頷いていた。


「でも、魔術を壊すかぁ……。まるで魔女を倒す為に存在するような聖剣ね」


「実際に英雄剣・カリバーンは、過去の魔女との戦いで勇者が手にしていた聖剣ですから」


 ネルファがそう教えてくれた。


「そう言えば、リッカは知ってたの? 聖剣って剣自体に認められた人間にしか使えないんだって」


 私がそう言うと、リッカは答えた。


「勿論知っていたっすよ。常識っすから」


 常識らしい。

 私、この前初めて聞いたんですけど!?


「ねえ、ネルファはこのことを知ってたの?」


「はい。常識ですから」


 やっぱり常識らしい。

 そもそも『聖剣化(ソード・リメイク)』の能力を持つネルファが知らないわけないか。


「じゃあ聖剣が認めた人間以外が剣を持つと、一体どうなるの?」


「その場合は腕が上げられない程、手にした聖剣が重くなるのですよ」


「お、重くなるんだ……」


 やっぱり前に私が太陽剣・ガラティーンを普通に持てたってことは……。

 あれ? ちょっと待って?

 私のあの太陽剣ってセレンも普通に持ててたよね?


「ネルファ、七聖剣って一度に何人も認めるものなの?」


 すると、彼女は答えた。


「はい。一本の聖剣が何人もの人間に使用を認めることはあります」


「じゃあ私やセレンはあの太陽剣に認められたってことなのね。でも、私なんかが聖剣なんて使えていいのかしら?」


「おそらくその聖剣も感じたのでしょう。ノルン様の放つ偉大なオーラを」


 染々と呟くネルファ。

 引きこもりの私に偉大さなんてあるのかしら?


「それにしてもリッカ、偽勇者が聖剣を手に入れたなんて情報をよく伝えてくれたわね。これってほんの一週間前の情報なんでしょ?」


 トキリス公国からここまではかなりの距離がある。

 それを踏まえると、リッカはこの情報を私達に最短で知らせてくれたのだ。


「一応その偽勇者が英雄剣・カリバーンに認められたってのは、まだ非公表の情報なんすけどね」


「そうなの?」


「はいっす。近日中には各国に通達されるとは思いますけど」


「そんな情報をすぐに手に入れてくるリッカは流石ね」


「ははっ、姫さんに褒められると照れるっすね」


 リッカは頬を染めながら、照れ隠しに頭を掻いている。


「いつも疑問に思ってたけど、そんな情報をリッカはどうやって仕入れてくるの? 協力者がいるとか?」


 諜報活動はリッカ一人に一任してるから、実際彼女がどうやって情報を手に入れてくるのかは何も知らない。

 ただあまりにもリッカが優秀過ぎるので、ちょっと気になってしまった。


「協力者と言うよりは、こっちが一方的に利用してる関係って感じっすかね。まあコネクションは沢山持ってるんで、それを時と場合で使い分けてる感じっすか?」


「うーん、漠然としすぎてよく分からないわ」


 リッカのボカした説明では、私はちょっと理解出来なかった。


「まあ話すと長くなるんで、今は企業秘密ってことにして下さいっす。でも、大体は変身しての潜入調査っすけどね」


 そう言った彼女に、私は尋ねる。


「どんな動物に変身してるの?」


「勿論、一番潜入しやすい動物っすよ!」


 リッカはそう口にして、その姿を『動物化(アニマルチェンジ)』によって黒猫に変化させる。

 そして、椅子に座る私の膝にピョンと飛び乗ってきた。


 まったくリッカったら。

 そんなに私に甘えたいのかしら?


 よしよし。

 猫になったリッカの首回りを、私は重点的に撫でてあげた。


 毛並みがいいので、モフモフで気持ちいい。

 私が黒猫姿のリッカを撫でていると、ネルファが口を開いた。


「潜入しやすい動物……もしや蚊か?」


 まさかの昆虫って説はあるわね。

 ハエとか蚊なら潜入も簡単そうだし。


 そんなネルファの発言に、リッカは猫のまま言葉を返す。


「流石にそこまで小さい動物は無理っすよ。私が変身出来る限界は、精々ネズミくらいの大きさっすね」


 瞬間、リッカの姿が青白い光に包まれた。

 そして真っ白な子ネズミに変身したリッカは、可愛げのある動作で私の肩によじ登る。


 そのネズミの大きさは、大体私の手のひらくらいだ。

 これがリッカの変身出来る限界の小ささのようである。


「まあ、こんなもんすね」


 そう口にして、リッカは私のもとから離れる。

 そして、彼女は元の少女の姿に戻った。


 リッカのワイバーンからネズミまで、大小様々な動物に変身出来る。

 そんな万能な変身能力も、昆虫になることは無理らしいけど……。


 それでリッカはどんな動物で潜入してるのか?

 その質問の答えは、結局最後まで分からないままだった。

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