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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
四章 地下迷宮を調査しよう!

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Retrace:34 相談

 リッカがセレンを連れて、トワリアル地下迷宮へ向かう。

 そうすれば行き帰りで三ヶ月もかかる道のりが、二週間までに短縮されると言うのだ。


 地下迷宮を探索する時間も考えると、大体一ヶ月くらいで帰ってこられるらしい。

 リッカのその提案は、私にとってとても魅力的だった。


「でも本当に片道一週間程度で行けるものなの?」


 私の質問に、リッカは答えた。


「はいっす。私がワイバーンに変身してセレン姉を乗せれば、大体一週間程で地下迷宮まで辿り着ける計算っすよ」


「なるほどね」


 リッカの『固有魔術』は『動物化(アニマルチェンジ)』だ。

 これは特定の条件を充たした動物の姿にいつでも変化出来るという魔術だ。

 それでリッカはワイバーンに変身するらしい。


「いつも道中はワイバーンの姿で帰ってきてるの?」


「いえ、基本的にはいつもグリフォンの姿で飛んでるっす。でもセレン姉や荷物を運ぶなら、大きいワイバーンの方が良いと思うんで」


 普段はグリフォンに変身しているらしいが、セレンを運ぶ場合はワイバーンの方がいいらしい。

 リッカがそう言うのなら、きっとそれが正しいのだろう。


「それじゃあ、リッカがセレンを地下迷宮まで送ってくれるってことでいいのよね?」


「はいっす。ちなみに帰りも任せてください!」


 リッカの了承を得て、私はセレンに確認する。


「セレンもそれでいいかしら?」


「はい。行き帰りの時間が短縮出来るのは、私としても助かります。長い間、姫様を放っておくのは心配ですから」


 なによそれ。

 私が何かやらかすってこと?

 まあ、心配なのは私自身もだけど……。


「けどセレンが地下迷宮に行ってる間、私の世話をしてくれる人がいないってのは困るわね」


 身の回りの全てをやってくれているセレンがいなくなるってのは、私にとっては辛いものがある。

 彼女がいない間、私はどうやって生活していけばいいの?


 すると、セレンが言った。


「私の代わりなら考えがあります。ネルファ、私がいない間、貴方が姫様の世話をしなさい」


 セレンの言葉に、指名されたネルファが口を開く。


「私がノルン様のメイドか……。願ってもない話だな。うむ、任せておけ。セレンの不在は私が埋めよう」


「え? ネルファが私のメイドになるの?」


 思考が追い付かず、私は思わずそう尋ねてしまった。

 セレンは言う。


「不本意ですが、一番適任かと。同時に警備も任せられますし」


「確かにそうだけど……」


 一応理にかなってはいるけど、私の中で不安が膨れ上がっている。

 すると、ネルファが自信満々な表情で告げた。


「ノルン様、大船に乗った気持ちでいてください。セレンがいない分、私が立派なメイドとして働きますから!」


 大丈夫なの? 本当に?

 そんな気持ちを抱く私を他所に、セレンがリッカに尋ねた。


「それで、いつ出発しますか?」


「えっと、セレン姉の準備もありますし、出発は明後日にしようかと」


「明後日ですね。分かりました」


 セレンとリッカの出発は明後日かぁ。

 そもそもリッカは元々明後日にはここを発つ予定だったから、早すぎるなんてことは言えないわ。


「悪いわね、二人とも」


 私がそう彼らに言うと、二人はそれぞれ口を開いた。


「いえ、これも姫様の目的の為ですから」


「そうっすよ。姫さんの目的は、私達にとっての目的でもあるんすから」


 私の研究の為に、二人に迷惑をかけている自覚はある。

 しかし、リッカもセレンも優しい言葉をかけてくれた。


 私の夢である勇者召喚を成し遂げる為に、部下達が頑張ってくれている。

 二人の言葉に、私は少し感動した。


「リッカとセレンの出発は明後日ってことだから、今夜はパーティーをしましょ? 二人とはしばらく会えなくなっちゃうことだし!」


 リッカは滅多に帰ってこない。

 そして、明後日から一ヶ月程度セレンが地下迷宮へ向かってしまう。

 つまりこれからやるパーティーは、二人の送別会みたいなものである。


「セレン、パーティーの準備をお願いね。豪華な料理を期待してるわ!」


「かしこまりました」


 セレンは恭しく頭を下げ、この部屋を後にする。

 そのやり取りを見て、リッカがポツリと呟いた。


「セレン姉、地下迷宮に行く準備はいいんすかね……?」

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