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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
三章 部屋を掃除しよう!

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Retrace:23 太陽剣・ガラティーン

「姫様、これは何ですか?」


 引き続き部屋の片付けをしている私の前に、セレンが一振りの剣を持って現れた。

 彼女が手にした剣は、先端から柄までの全てが黄金で出来たものである。


「ああ、これ? これは聖剣よ」


「どうやら七聖剣の一つ、『太陽剣・ガラティーン』みたいだな?」


 私の隣でそう言ったのは、顎に手を当てたネルファだった


「レプリカですか?」


「いや、これは本物のようだが……」


 その道の専門家として、ネルファは答えた。

 聖剣――それは全部で七つだけ存在する、剣を象った魔道具の名称だ。

 使用者が込めた魔力によって、強力な特殊能力を発揮する優れた剣である。


「……姫様、どうして聖剣がこんなところに?」


 セレンの問い掛けに、私は答えた。


「いやー、前にこの城の宝物庫を漁ってたら、この聖剣が出てきてさー。勇者様に似合うかなって♪」


「そういうことは勇者召喚が成功した時に考えて下さい。しかし、聖剣の扱いがこんなに雑でいいのですか?」


「いいのいいの。だって聖剣って扱いにくいのよ。ちょっと魔力を込めて一振りするだけで、刃先からビームが出るのよ! ビームが!」


 この太陽剣・ガラティーンは魔力を込めて振ると、ビュアって感じで光線が出る。

 それも凄まじい威力でだ。


「ビームですか……。それは確かに扱いにくそうですね。料理の際、包丁の代用にもならないでしょうし」


 セレンも聖剣の使い辛さに、困ったような顔をしている。

 私は断言するように言った。


「つまりこれは、『絶対に必要ない物』ね。冷静に考えるとこんな金ピカの剣、クールな勇者様には似合わないわ」


 能力は使えないし、尚且つ見た目が派手すぎる。

 こんな剣なんて、誰が欲しいのかしら?


「いや、待って下さい姫様。聖剣ですよ? 冷静に考えると、やはり手元に置いておいた方がいいのでは?」


 一転してセレンはそんな提案をしてくる。


「でも、部屋に置いておいたって私、絶対に使わないわよ? 剣なんて重い物を持ち歩くつもりなんてないし」


 私がそう答えると、セレンはネルファに視線を向けた。


「ならネルファ、貴方が持ったらどうですか?」


 彼女の言葉に、ネルファは腕を組んだ。


「愚問だな。私にとって聖剣は一番不要な剣なのだぞ?」


「そうよ。聖剣なんて、ネルファには一番不要な物でしょ?」


 私がそう言うと、セレンはあっさりと食い下がった。


「……そうですね。なら使うかどうかは別にして、私が管理しておきましょう。いざという時に売ったりも出来そうですし」


「ええ、そうして頂戴」


 セレンの言葉に、私は頷いた。

 彼女が管理してくれるならそれでいい。


 別に聖剣なんて興味はない。

 元々聖剣は歴代の勇者が手にしていたこともあるそうだが、こんなものは所詮は剣だ。

 魔術師の私には不要な物である。


 さて、聖剣の次は何かな?

 ラムが続いてガラクタを運んできてくれた。


「これは……お酒かしら?」


 私が手に取ったのは、酒瓶みたいなボトルだった。

 結構重いわね……。


「これはポーションみたいですね」


 冒険者経験のあるネルファがそう口にした。


「ポーションって、冒険者達が使うヤツよね?」


「そうですね」


 私の言葉に、ネルファは頷く。

 ポーションと言えば、世間に流通している回復薬のことだ。

 解毒や傷の治療、体力の回復を促すものなど、物によって様々な種類が存在する。


「……しかし、こんなに大きな瓶に入っているポーションは初めて見ました」


 ネルファが感嘆の声を上げている。


「普通は違うの?」


「はい。市販されているポーションだと、大体一口で飲み干せるくらいの量が小瓶に入っているのが普通ですので」


「へーそうなのね」


 ポーションについては詳しくない私だが、普通は小瓶に入っているというのは理解出来る。

 いざという時に大きな瓶にポーションが入っていると、取り出したりするのが大変だろうしね。


「でも、何でポーションなんかがこんなに大きな瓶に入ってるのかしら? 心なしか瓶の外装も高級そうだし……」


 私が不思議そうに見付けたポーションの瓶を眺めていると、横からセレンが口を開いた。


「姫様、ここに『エリクサー』って書いてありますよ?」


 彼女の指摘通り瓶に書かれた文字を読んでみると、そこにはしっかりと『エリクサー』と書いてあった。


「エリクサーって何だったかしら? 名前だけは思い出せるけど……」


 名前だけは有名よね。

 どんな薬だったのかは思い出せないけど。


「ノルン様、エリクサーとは伝説にある霊薬の名前です! どんな病や傷だろうと、一口飲めばたちまち治してしまうと言われている物ですよ!」


 なんか興奮した様子で、ネルファが説明してくれた。


「へー。それで、これは本物なの?」


「それは分かりませんが……。ですが、もし本物なら金貨数百……いや、数千の価値があります!」


「金貨千枚って、凄いの?」


「凄いですよ! 大国の貴族でも簡単には払えない程の金額です!」


「ふーん。よく分からないけど、よく分かったわ」


 お金の話をされても、私にはいまいちピンとこない。

 けどネルファがここまで興奮するってことは、相当凄いものなんでしょうね。

 私は改めて、その高級そうなエリクサーの瓶を見つめた。

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