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天才魔術師の私が、異世界から勇者様を召喚するまで  作者: 楚々園 ゆるぎ
三章 部屋を掃除しよう!

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Retrace:22 部屋のガラクタ

 突然だが、私の部屋を掃除することになった。

 その為に、この場には私とセレン、ネルファにラムが集まっている。


 この場にいないのは、国外に出てるリッカだけだ。

 あの子、元気にしてるかしら?


「それじゃあ、部屋の掃除を始めるわ。セレン、貴方がこの場を仕切りなさい」


「分かりました」


 私の言葉に、セレンは頷く。

 メイドである彼女は、この場の誰よりも掃除が得意な筈である。

 ここはセレンの指示に従って、私達が動く方が効率的だろう。


「部屋を掃除する上で、まずはあのガラクタの山を何とかするべきでしょう」


「確かにそうね」


 首肯した私に、セレンは提案した。


「ならまずは、あのガラクタを『絶対に必要な物』と『不必要な物』、そして『今後必要になりそうな物』に別けましょう」


「取り敢えず三種に分別して、分かりやすくするということだな。うむ、了解した」


 セレンの言葉に、ネルファは納得したように頷いた。

 護衛であり騎士でもある彼女にとって、ガラクタを運ぶなどの力仕事は持ってこいだろう。


「それでは各自、分別に取り掛かって下さい」


 セレンの号令で、皆はそれぞれガラクタの山に向かっていった。


「普段意識して無かったけど、流石に物が多いわね……」


 積み重なったガラクタの数々。

 乱雑に捨て置かれたそれらを前に、私は呆れた声を上げた。


 多い。

 流石にこれは物が多すぎる。

 我ながらよく今まで普通に生活出来ていたわね……。


 でも、どこから手をつけようか?

 私が頭を悩ませていると、ラムがせっせとガラクタを運んできてくれた。


 ラムは分裂するのをやめてから、私がクッションに出来るくらいに大きくなっている。

 私が魔力をあげ過ぎるせいで太ったなんて言い方は良くない。

 成長したと考えるべきだろう。


 大きくなって逞しさが増したラムは、楽々とガラクタを運んできてくれた。

 とっても偉い子だ。


「えーと、何々?」


 彼が運んできてくれたガラクタを、私は適当に物色する。

 すると、一冊の古い本が出てきた。

 題名は『スライム進化論』。


「スライムの進化についての論文ねぇ……。この手の分野は流石に私も専門外だわ」


「どうします? 廃棄しますか?」


 横からセレンがそう尋ねてくる。

 私は答えた。


「いや、これは取って置きましょう。うちにはラムもいることだし、研究合間に読んでみることにするわ」


 スライムであるラムについて、何かためになる情報が得られるかもしれないからね。


「それではこの『スライム進化論』は『今後必要になりそうな物』ということで」


 この本の処遇はあっさり決まった。

 捨てるのは勿体無いからね。


「えーと、次は何かしら?」


 私がガラクタを物色していると、何かを手にしたネルファがやってきた。


「ノルン様、この石は一体何ですか?」


「これは……何かしら?」


 その石はちょうど拳くらいの大きさである。

 色は黒ずんでいて、ただの石にしか見えない。

 研究に使ってる魔石……ではなさそうだけど。


「どれどれー?」


 私はネルファからその石を受け取り、ジッと観察してみた。

 一見何の変哲もない石のように見える。

 その辺の道端に落ちていても違和感のないレベルの物だ。


 けどこれ……。

 しっかり見てみると、僅かにピンク色の小さな粒が混ざっている。

 もしかしてこれ――


「……多分これは、ヒヒイロカネを含有した石ね」


「うろ覚えなのですが、ヒヒイロカネといえば伝説の金属だった気がしますが……?」


 ヘンテコな表情で、ネルファがそう口にした。

 私はそんな彼女に向かって言う。


「そうね。ダンジョンの深層で稀に発見されることはあるけど、基本的には世に出回らない希少金属だわ」


 オリハルコン、アダマントの次くらいに希少な金属がヒヒイロカネだ。

 魔力を帯びやすく、軟らかい。

 そんな特徴を持つ緋色の金属である。


「何でこんなところにヒヒイロカネが?」


「うーん……どうしてかしら?」


 ネルファの質問に、私は首を捻った。

 そして、頭の中で何故なのかを考える。


「あっ、思い出したわ! 確か随分昔に錬金術の真似事をしていたら、偶然どうでもいい石の中に出来ちゃったヤツだわ」


 そう口にした私に、セレンが呆れたように言ってきた。


「また遊び半分でそんな希少な金属を作ってしまったんですか……」


「確かに遊び半分だったけど、作ったのは結構昔のことよ! それにその時は、ヒヒイロカネが希少な物だって全然知らなかったんだから!」


 昔のことだから全然覚えてないけど!

 多分特に理由もなく作ってしまった気がする。

 私の主張に、セレンはキッパリ答えた。


「言い訳は結構です。それで姫様、どうしますか? ヒヒイロカネ、捨てますか?」


「うーん、その気になればまたその辺の石で作れちゃいそうだけど……」


 悩ましいわね。

 特に作り方は覚えてないし、もう一度作れと言われてもすぐに出来るとは思えない。


「もしかしたら何かの実験に使うかもしれないわ。捨てるのは流石に勿体ないし……」


「稀少金属……あのヒヒイロカネですからね……」


 ウンウンと私の横でネルファが首を縦に振っている。


「確かにそうですね。では、これは『今後必要になりそうな物』ということで」


 セレンはヒヒイロカネを含有した石を『今後必要になりそうな物』に分類した。

 さあ、次に行こう。

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