表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/43

【序章】共通5話:選択の扉

『咎の上に咲く花』

この物語は、「罪とは」「赦しとは」「記録とは何か」を問う、

恋愛×ファンタジー×構造ミステリ。


乙女ゲーム形式のマルチルート構成で、

主人公は6人の登場人物と出会い、

それぞれの“咎”と“記録”に向き合っていきます。


最後には、全ての真実が収束する“構造の中枢”に至ります。

夜の帳が下りた修道院。

静かに扉がきしむ音に、胸の奥がわずかにほどけた。


【エルノア】

「……おかえり」


その声は、変わらず穏やかだった。

祈りにも似たやさしさが、私を包む。


【アメリア】

「ただいま、戻りました」


少しの沈黙。

エルノアはわたしを見つめて、そっと問いかける。


【エルノア】

「なにか、掴めそうな気配はあったか?」


(家族のこと。なぜ消されたのか、なぜわたしだけが生きているのか──)

(……ほんの少しだけ。なにかが、繋がりそうな気がした)


【エルノア】

「何を記すかは、君が決めることだ」

「記すというのは、ただ書くだけのことではない。見ること、聞くこと、そして──そのすべてに、向き合うこと」

「書き残すことが、すべての救いになるとは限らない。記されたことで、誰かが傷つくこともある」


エルノアは静かに目を伏せた。遠い記憶を辿るかのように。


【エルノア】

「それでも君が帳面を開くのなら、私は止めない。君の言葉で綴るというのなら……それはきっと、君だけの祈りになるだろう」

「記すかどうかは、君の選択に委ねる。だが、それとは関係なく──」

「私は、君が笑っている未来を願っている」


私は頷き、静かに部屋へ戻った。


机に記録帳を広げる。羽根ペンを手にしても、しばらくは書き出せなかった。頭の中に、さまざまな声とまなざしが残っていた。


出会った人たちの姿、言葉、そして、触れかけた感情。


ふと、窓辺の花に目がとまる。まだ固く閉じた蕾が、光に触れて、少しだけ開こうとしているようだった。


(まるで、わたしみたい)


あの人も──心に蕾を抱えているのかもしれない。


(あの人は──きっと、何かを知っている)

(私が記すことで──真実は、見えてくるだろうか?)


選択肢が、心の中で浮かんでは消えていく。

それは、すべての"記録"の始まりになるのだった──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ