2/3
第2話 無能の今
何もかもが失われた 残っているものなんてない
ただここにあるのは 役立たずの命だけ
どれだけの時間が過ぎ去ったとしても
未来 どれだけの功績をつみたてる可能性があったとしても
この過ちは消えてなくならない
この今 自分が無能だった事実はかわらない
はっきりと この世から消し去ってくれたら良いのに
役立たずの烙印をおされて生き続けるくらいなら
はっきりと ここで終わらせてくれれば良いのに
明日なんて信じられない
苦しみが永遠に続くように感じられる
無能であることをなじってくれる事は救いだ
役立たずであることを理由に断罪してくれれば喜ばしい
そうすれば この今を こんな虚無を抱えながら
生き続けずにすむというのに